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ブレット・ファーヴ感謝祭~Week12 パッカーズ@ライオンズ~

2007-11-25 19:57:57 | NFL
Favre, Packers move to 10-1; eye showdown with Cowboys(NFL.com)
Packers' story not cute, but serious(ESPN)
No end in sight for Favre(Foxsports.com)
Packers look to get well for long haul, not just Dallas game(NFL.com)


EPSNの「感謝祭のパーティーに招待したいNFLの選手は?」というアンケートで、ブレット・ファーヴは4割近くの
票を集めて見事1位になりました。残念ながら、今年ファーヴはデトロイトで試合をしていたために、どの家の
パーティーにも行くことはできませんでしたが、全米中のテレビの前でこの試合を見ていた人は、ファーヴが
パーティーに出席できないことを悲しむどころか、ファーヴのプレイに感嘆したはずです。

しかし、ファーヴが本領を発揮するまでには時間が掛かりました。試合開始当初はライオンズのオフェンスが
いい感じにエンドゾーンまで進みました。ライオンズが先制のTDを奪った!と思った瞬間、この試合は全て
決しました。ライオンズのセンターで、試合前にパッカーズのニック・バーネットとの"nose-to-nose"を行っていた、
ドミニク・ライオーラが不要なひざ下へのタックルで反則を取られ、15ヤードの罰退。その後に、
アーロン・カンプマンがQBジョン・キトナをサックし、パッカーズはFGでしのぎました。ここでライオンズは
比較的多めな時間(7:49)ボールを保持できた半面、確実に奪えそうだったTDをつまらない反則によって
チャンスの芽を自ら摘んだことで、試合を通じてのモメンタム構築に失敗しました。

その直後、さぁファーヴが出てきた!と思ったら、自らのオフェンスラインの足と交錯しファンブル。
1プレイでライオンズへオフェンス権が移ってしまいました。その後のパッカーズオフェンスもこれといって
見せ場もありませんでした。むしろ、チャールズ・ウッドソンの好リターンに続く3回目のオフェンスシリーズでは、
2ndダウン2ヤードの場面でもパスしか使えない(使わない?)状態でした。ランオフェンスが極端に弱い
パッカーズの象徴にも思えてきました。

しかし、パッカーズディフェンスのインターセプトから1TDを奪い、ライオンズのオフェンスを凌いだ後の
パッカーズのオフェンスが、この日のファーヴを全て物語っていると言えます。自陣20ヤードから3回のパスで
いとも簡単に相手陣のエンドゾーン近くまでもっていきました。ファーヴは試合後に食べかけの
アイスクリームサンドを持参し、記者会見に応じた際、

"I threw it. They caught it. Nothing spectacular."

と話していますが、ここで出た3つのパスは決してやさしいものではありませんでした。同時に3回目のパスは、
ファーヴが一番の信頼を置くドナルド・ドライバーの集中力が勝ったパスでもありました。そして締めが、
この試合パッカーズが初めてランでゲインしたプレイというのが、またおもしろいところでもありました。
このあたりは、ここ2-3年いいレシーバーに恵まれない、あるいは若いレシーバーの成長を我慢してきた
ファーヴの本領を発揮した場面であり、ファーヴに応えるレシーバーの存在が今のパッカーズの原動力に
なっている証拠でした。

そのことをさらに強固なものとしたのは、2ndQの終盤から4thQの序盤まで、20回パス連続成功という形でも
証明されます。「パッカーズにはランオフェンスがないから、寒くなれば絶対に負けが混む」と一部評論家は
秋口まで話していましたが、パッカーズにはファーヴとそれを支える優秀なレシーバー陣がいるじゃないかと
反論するには十分なプレイ内容でした(この20回連続成功の最中には、ランによる31ヤードのゲインもあり)。

ここ数年は毎年のようにファーヴの限界説が伝えられ、毎年のように引退の噂が、早いときには感謝祭のころに出て、
それを翌シーズンファーヴは試合に出場することで否定することの繰り返しでした。体力的な限界を感じながらも、
ファーヴは不安と痛みをプレイすることで癒し続けました。

そして2007年のサンクスギビングという、アメリカ人が最も家に集まりやすい日の試合で、ファーヴは
これ以上にないパフォーマンスを見せることで、応援し続けるファンへの感謝を表現したように思えます。
この日も、敵地フォードフィールドには多くのファーヴファンがいたようですが、そうしたファンも、
もしかしたらライオンズのファンも、下手なテレビニュースのお涙頂戴レポートよりファーヴのプレイのほうに
何倍も感動したことでしょう。

逆にライオンズはオフェンスラインがキトナをプロテクトできず、またカルヴィン・ジョンソンは簡単な
パスを落球するシーンが何度かあり、ハンソンのFGによって生きながらえているところがありました
(同時にパッカーズのディフェンスが別のエースレシーバー、ロイ・ウィリアムズをよく抑え込んできた証拠)。
今シーズンここまで予想外に好調なライオンズは、ディフェンス陣のテイクウェイの多さに注目が集まりますが、
得点に繋げるのはオフェンスの仕事。試合開始当初のは、オフェンスコーディネーターのマイク・マーツが好きな
RBへのパスも多用していましたが、きっちりと仕事できるところでヤードを稼ぎ、得点できなければ、
あっという間に負け数が増えていきそうな予感です。

さて、パッカーズはNFCでカウボーイズと共に10勝1敗となり、12月2日に直接対決を迎えますが、感謝祭の試合で
けが人が多く出てしまいました。1週間以上の休みでどこまで回復できるかはわかりませんが、できる限りに
ベストな布陣での直接対決を見たいものです。



なかのひと


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