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第1話(4)

 ウラニボルク(天の城)天文台(4)

 取っつきにくかったインゲマンだが、日がたつにつれ、いろいろなことを教えてくれた。

 ある日、インゲマンが話しかけてきた。
「お前はカトリックか?」
「はい。」
「プロテスタントに宗旨替えしろ。」
「聖書が神の御言葉を伝えてくれる。」
「白や赤のマントを着たローマの司祭など必要ない。」


 80年前にルターにより始められた宗教改革ののろしは、北ヨーロッパを中心に急速に広がっていた。
北ヨーロッパの国々ではプロテスタントの人々が支配的になった。
ドイツでもプロテスタントを支持する諸侯が増えていった。

 そして、これがカトリックを擁護するハプスブルク家とプロテスタントを支持する諸侯との対立を激化させ、ドイツ全土を巻き込む三十年戦争へと発展していくのである。

 インゲマンの話は続く。
「時々、占星術師が殿様(ティコ)に教えを乞いにやってくる。」
「たまに彼らと雑談するときがあるので、積極的に星座の勉強をするようにしている。」

 「ハンスは、この大地が動いていると思うか?」
「いえ、想像もできません。ほら話でしょう。」
「ところが、コペルニクスというポーランドの天文学者が、大地や他の惑星は太陽の周りを回っている、と言ったんだそうだ。」

 「とても信じられないが、天の星々が東から西に回っているのを毎日見ていると、我々の想像を超えた世界に自分たちはいるのではないかと、不思議な気持ちになるよ。」

 引用図:NASA and Hubble Heritage Team(STScl/AURA)
     
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