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第4話(3)

 三十年戦争(3)

 ケプラーは、リンツからレーゲンスブルクに避難した。
ハンスはリントベルクと共に、彼の故郷の農村に逃れた。

 ある日、村に十数人の傭兵が押しかけてきた。
糧秣の現地調達だ。
どう猛な顔つきをした、盗賊のような一団だった。

 「お前達、プロテスタントは神に歯向かったのだ、罰を受けろ!」

 家々を荒らし回り、一握りの麦も見逃さず、没収した。
逆らうものには、容赦なく殴打を加える。
二人の娘が強姦された。


 村人達は密かに隣村に連絡して、人を集めた。
街道手前の林で、傭兵達を待ち伏せする。

 略奪品を背負った傭兵達が、高笑いをしながら歩いてきた。
“ヒュー”
口笛を合図に、ハンス達は飛び出し、傭兵達に襲いかかった。

 ハンスは、荷物を放り出して剣に手をかけようとした傭兵の腹に、乾し草用フォークを突き立てた。
仰向けにひっくり返った傭兵の剣を引き抜き、逃げようとしている傭兵の背中に一撃を加えた。

 略奪品を奪い返し、倒れた傭兵の装備品をはぎ取る。

 その夜、リントベルクが人目を避けながら、やってきた。
「やっかいごとに巻き込んで、すまない。」
「バイエルン軍の報復があるだろう。ひとまず、村を出て森に隠れよう。」
ハンスらは、僅かな食糧と分捕り品を持って、森の奥へと向かった。

 参考図:「ライフ人間史 王制の時代」、チャールズ・ブリッツァー、タイムライフブックス
     
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