16世紀初め、騎士団国家は解散し、貴族らが支配するプロイセン公国となった。
この豊かな土地を求め、東からはロシア軍、北からはスウェーデン軍、西からはドイツ皇帝軍、南からはポーランド軍が食指を伸ばした。
宗教改革も絡んで、プロイセンでは戦乱が絶えなかった。
18世紀、フリードリヒ・ウィルヘルム1世は貴族の力を封じ、プロイセン王国をつくった。
そして「国家の繁栄のためには、強力な軍事力が必要である」との信念の元、従来の傭兵軍を廃止して常備軍をつくり、国家収入の大部分を軍備に当てた。
プロイセン公国は小さいながら大国となり、周囲に領土を拡大する。
ロシア、オーストリアを押し返し、ポーランドを、ロシア、オーストリアと共に分割占領した。
19世紀に入り、ナポレオンに敗れた後盛り返し、ビスマルク宰相のもと、重工業を中心とした産業を振興し、軍事力増強に努める。
19世紀後半、プロイセンはオーストリアを撃ち破り、ドイツを統一し、ドイツ帝国を創設した。
ウィルヘルム1世のもと、フランスをも破り、ドイツ帝国はヨーロッパ大陸の最強国家になったのである。
20世紀に入ると、ドイツ帝国の膨張を恐れるイギリス、フランス、ロシアとの間に全面戦争(第1次世界大戦)が勃発した。
2正面作戦を強いられたドイツ帝国は敗北し、屈辱的な休戦条約をのまされた。
西プロイセンはポーランドに割譲され、カリーニングラード(ケーニヒスベルク)のある東プロイセンはドイツ本土から切り離され、飛び地になってしまった。
参考図:「図説 プロイセンの歴史」、セバスチャン・ハフナー、東洋書林、2000
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