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第2話(4)

 ティコとケプラー(4)

 ケプラーがティコの元に来てから一年余で、ティコはあっけなくこの世を去った。
ケプラーにとって幸運だったのは、長年ティコに仕えていた助手達が見切りをつけ、ティコの元を去っていたことだった。

 皇帝はティコの後継者としてケプラーを任命した。
ケプラーは帝国数学官として、占星術に必要な天体の運行表の作成に取り組むことになった。

 しかし、ティコの遺族達が、ティコの蓄積した天体観測資料を取り戻そうとして、争いになった。
「観測資料の代金が我々に支払われていない。」
「ケプラーは資料を横領した。」

 ケプラーは反論する。
「貴重な観測資料は、それを真に有効に利用できるものの手にあるべきだ。」
ケプラーはあらゆる手を使い、全10巻に及ぶ資料を守り、研究を続行した。

 「ハンス君、私は視力が弱い。データの整理や計算には君の助けが必要だ。」
「給与は僅かしか出せないが、手伝ってほしい。」
「先生、私は天の神秘に近づきたくて、この仕事を選びました。是非、お手伝いさせてください。」


 ハンスは生計の足しにするため、ギュンターという貴族の家で帳簿を付ける手伝いを始めた。
ギュンターは農園を経営していたが、皇帝のプロテスタント政策に怒っていた。
「今に見ていろ、能なしのルドルフめ。その内追い出してやる。」

 ボヘミアでは、住民の9割がプロテスタントだった。

 参考図:「チャレンジ!太陽系」、デラノ・ロペス、少年写真新聞社、2009
     
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