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第1話(3)

 ビーグル号航海の旅へ(3)

 私はチャールズ・ダーウィン。

 今、ポーツマスの波止場で、これから乗船するビーグル号を眺めている。
“随分小さな船だなあ、こんな船で世界を一周できるのだろうか?”

 私はエディンバラ大学とケンブリッジ大学で、医学と神学を学んだ。
しかし、父の期待とは裏腹に、医者にも牧師にもなりたくなかった。
大学のヘンズロー先生に手ほどきを受けた、博物学の勉強を続けたかったのである。

 たまたま、ヘンズロー先生のもとに、海軍から依頼があった。

 海軍の測量艦ビーグル号が南アメリカやオセアニアの沿岸水域の測量に出発するのだが、測量と共に同地域の動植物や地層も調べたいので、同船に乗船する博物学者を紹介してほしい、とのことだった。

 私は迷いなく、手を挙げた。
“イギリスとは全く違う、本でしか見られない生物相を観察できる絶好の機会だ!”

 船のタラップを登り、少尉に案内され、艦長室に入る。
何か思い詰めた感じの、私より4,5歳年上と思われる艦長がいた。

 「チャールズ・ダーウィンです。お世話になります。宜しくお願い致します。」
「やあ、ダーウィン君、よくきてくれた。私がロバート・フィッツロイだ。」

 「我が艦は、未知の南アメリカ沿岸水域の測量を行う。」
「数年間かかるかもしれない困難な任務だ。しかし帝国の発展のためには、きわめて重要な仕事だ。」

 「この任務とは別に、私は個人的にだが、博物学に非常に興味を持っている。」

 「君は調査地域の動植物や鉱物、地質などを調べて、私に報告してほしい。」
「わかりました。私もヨーロッパとは全く違う世界に満ちている生物や植物などのことを知りたくて、乗船しました。ベストを尽くします!」

 参考図:「ビーグル号航海記」、チャールズ・ダーウィン、平凡社、2013
     
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