かなぶち鍼灸調体堂の「先ずは只管打歩」なほぼ毎日譚

基盤を追求すると、ついに「歩く」迄遡ってきました。

正しい「テンポ走」のやり方

2013年12月02日 | Competitor Running
"Competitor Running"誌の記事です。

テンポ走は乳酸閾値(LT値)直近でのランニングなので、かなりきつい練習です。
達成感は充分得られますが。

正しい「テンポ走」のやり方
by Mario Fraioli


 テンポ走は最も誤解されているトレーニングである。正しい知識を得よう。

 「テンポ走」について多くのランナーがあれこれ語っているが、実際のところ、その方法(いつ/どうやるのか)をきちんと理解出来ている人はごく僅かである。イージーペースより速く走るトレーニングを全て「テンポ走」と言う人もいれば、レースペースで走るのを「テンポ走」と言う人もいる。これらは、如何にテンポ走が誤解されているかのいい例である。

 勿論、上記の例は何れも誤りである。実は、テンポ走は極めて簡単に表現出来る。つまり、気持ちが良いというレベルの高強度のランニングを一定時間(=決められたペースで決められた距離を走ることで定まる)行うトレーニングである。もしくは、事前に決められた時間を一定の主観的強度で走るトレーニングと言っても良い。

 (長距離走としては)比較的短距離を走る競技のスペシャリストも、マラソンおたくも、テンポ走をトレーニング計画に組み込むことで良い効果が得られる。その距離/強度/頻度は、目標とするレースによって様々であるが、レースペースで20~90分間走ることで有酸素運動能力は向上し、ランニング効率も改善し、一定時間速いペースで走られるという自信も付く。

 ではこれから、様々なタイプのテンポ走の例を紹介し、それらをどのようにトレーニング計画に組み込めばいいのか考えてみたい。

(1)普遍的なアドバイス

 筆者は5,000m走~マラソンまでを対象とする、様々なアスリートを指導しているが、彼らに共通して実践させているテンポ走のやり方がある。それは、目標とするレースの12週間前~8週間前の4週間に於いて、6.4~9.6kmを(10,000mのレースペース+9~13秒/km)というペース(≒ハーフマラソンでのレースペース)で走る方法である。もし、GPS機能付きの時計とかを持っておらず、走るスピードが測定出来ないのであれば、ハーフマラソンのレースペースで20~60分間走るというのでも代用出来る。

 仮に専門種目が5,000~10,000mであって、ハーフマラソンを走った経験が無いという人であっても、この「キツ過ぎない」ペースでのランニングを行うことにより、持久力能/ランニング効率が劇的に改善することが見込まれ、レースでのリズムも体得出来、より強度の高いレースペースを模したトレーニング(これはトレーニング期間の終盤で実践すること)へも容易に移行出来るようになる。勿論、ハーフ/フルマラソンを目標とするアスリートも同様の効果が得られるし、レースに対する自信も付く。筆者は、このようなテンポ走の後に丘陵地を使ったヒルスプリント(最大能力の90%のダッシュ15~20秒×6本、合間に完全回復)を行うことを薦めている。これにより速筋が活性化され、筋骨格系が満遍なく鍛えられる。これはあくまでもオプションであるが、いわば一石二鳥が見込める。

(2)5,000~10,000m走に特化したテンポ走
 目標とするレースの8週間前になれば、スピード/距離を変えたテンポ走を行う。どう変えるかは、目標とするレースに拠る。5,000~10,000m走が目標というアスリートであれば、(10,000mのレースペースで4.8km走)という練習メニューをレースの8~4週間前に行う。筆者は、このテンポ走の後に(5,000mのレースペースで200mダッシュ×4~8本)という練習メニューをこなすことを推奨している。200mダッシュの代用として30~60秒ダッシュでも構わない。なお、ダッシュの間には身体をきちんと回復させること。これはレースの最後で要求されるラストスパートを想定したものである。

 レース直前の4週間では、(5,000m走のレースペースで2.4kmもしくは7~20分間走)×2本(合間に5分間の休憩)という練習メニューを行う。このテンポ走は、週単位ではインターバル練の間に行う。これによりレースへの準備が整う。

(3)ハーフ/フルマラソンに特化したテンポ走
 この場合でも、レース8週間前からはそれまでと少し異なる方法で行う。筆者が勧めるのは、強度を少し落として走行距離を延ばすテンポ走である。強度については、可能な限りレースペースに近付ける(超える必要は無い)。

 ハーフマラソンを目標とする場合、レースの2~3週間前迄はテンポ走の走行距離(週次)を13km迄徐々に伸ばす(もしくは走行時間を75分間迄伸ばす)。この時、ペースはレースペースとする。マラソンを目標とする場合は、テンポ走の走行距離をレースの3週間前で21~26km(もしくは2~2.5時間)(ペースはレースペース)とする。

 ハーフ/フルマラソンを目標とする場合、ペースを厳格に守るのが極めて重要となる。但し、身体にこれまでと異なる刺激を入れたい場合/包括的なランニング効率を向上させたい場合は、各々のトレーニングメニューを入れ替えるのも有効である。つまり、ハーフマラソンを目標とするランナーには、テンポ走の代わりとしてフルマラソンのペースで16~20kmを走らせる。逆にフルマラソンを目標とするランナーには、ハーフマラソンのレースペースで13km程度を走らせる。

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