炭水化物が枯渇した状態でのトレーニングの効果

2015年05月18日 | 食事
走る際には、ビルの窓ガラスに映る自分の姿を見て、フォームを確認します。
注意しないと、電信柱にぶつかりそうになります。

【今朝の体組成】(5日間移動平均値)
除脂肪体重:56.28kg(前日比▼0.03kg)
体脂肪  : 4.35kg(前日比△0.28kg)
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体重   :60.63kg(前日比△0.25kg)
体脂肪率 :  7.2%(前日比△0.5%)

【今日の昼稽古】
内容 :LSDペース走
コース:

走行時間   :1時間22分58秒
走行距離   :15.9km(月間累計:187.5km)
消費エネルギー:778kcal(月間累計:9,390kcal)
四天王寺さんへ通うのは、もう日課です。

【今日の補強運動】
懸垂         :14
クランチ       :80回/20
ジャンピングスクワット:50

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標記の件、”Sweat Science"からの転載です。
興味深くて応用出来そうな内容です。

炭水化物が枯渇した状態でのトレーニングについて
by Alex Hutchinson
Published May 16, 2015 on "SWEAT SCIENCE"


 いわゆる”Train low, Race high"というフレーズについては、ここ数年間議論の的である。このフレーズは、炭水化物が枯渇した状態でトレーニングを行うと、身体が脂肪をエネルギー源としてより効率良く利用出来るようになり、その上でレースに臨む際に炭水化物をきちんと摂取しておけば、炭水化物/脂肪を両方共臨機応変に代謝してエネルギー源として利用出来る、ということを表現している。
(ここで指摘すべきことがある。それは、”Train low"とは、慢性的に炭水化物摂取量が少ない食生活を営む事ではない、ということである。”Train low"とは、週に数回、特定のトレーニングを低炭水化物状態で行う事を意味する)

 ”Train low”に関する実験結果は様々である。初期の実験では、それが運動能力を増強するという結果が報告された。しかし、その実験方法は極めて特殊な条件であった。その後に行われた実験の結果からは、”Train low”はエネルギー代謝に好影響を及ぼし得るが、その好影響が実際の運動能力には反映されないことが示された。一方、”Train low”によって免疫力が低下すること、及び筋肉のタンパク質が分解される(訳者注:恐らくエネルギー源として消費されると思われます)というデメリットが指摘された。結果、現在でも”Train low"の効果については、明確な結論は打ち出されていない。

 Martin Gibala(McMaster大学)らの研究グループによる実験結果(”Manipulating Carbohydrate Availability Between Twice-Daily Sessions of High-intensity Interval Training Over Two Weeks Improves Time-trial Performance.International." Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2015 Mar 26)は興味深い結果を提示している。実験方法は以下の通り。

被験者 :18名(これを試験群/対照群に分ける)
実験方法:(最大パワーの60%で4分間サイクリング+2分間休憩)×5反復と
     いう運動を、2回/日×3回/週×2週間させる。2回/日の運動の
     合間は3時間とし、その間に試験群には炭水化物を17g摂取させ、
     対照群には炭水化物を195g摂取させた。

 実験開始から2週間後、被験者に20分間のタイムトライアルをさせたところ、試験群ではその成績が16%向上した一方、対照群では8%向上した。この結果は、”Train low"によって全身運動の能力が向上することを初めて示すものである。興味深いことに、短時間のダッシュを繰り返す反復スプリントの成績は、試験群/対照群で有意差は見られなかった。従って、”Train low"は持久力の向上に特に有効である可能性が示唆された。

 また、予想とは異なり、筋肉中のミトコンドリア含有量(多い程持久力にとっては有利)でも違いは見られなかった。では、今回の実験結果はどう解釈すべきであろうか?。最初に思いつくのは、何らかの結論を導き出すのは難しい、ということである。例えば、運動強度が固定されている点である。被験者が試験中に覚える感覚に関係無く、運動強度は最大パワーの60%で固定されている。従って、試験群にとっては対照群に比べ運動がよりキツく感じられ、その結果としてトレーニングに因る刺激はより大きいと推測される。実験の報告者らも、「結果として、試験群はタイムトライアルでより”頑張る”準備が出来ていた可能性は考えられる」と記している。

 別の見方をすれば、試験期間が2週間と比較的短い点も重要と思われる。免疫力の低下を考慮すれば、長期間に渡って”Train low"を継続するのは、運動能力の向上というメリットより様々なデメリットの方が大きい危険性が懸念される。また、今回の被験者はホビーとして運動に取り組む人達であり、トレーニング歴の長いアスリートではなかった。ホビーとして運動に取り組む人の方がトレーニングに因る運動能力の向上程度が大きい点については、論文の執筆者らも考慮している。

 では結局、今回の結果はどう解釈すればいいのだろうか?。”Train low"の有効性及びその理由については、解明すべき課題が多く残されている。しかし、”Train low"の期間を短く限定すれば、その効果についてはある程度期待出来ると思われる。そこで、2週間の”Train low"の期間を、レース前のどのタイミングに設定すべきなのだろうか、という疑問が生じる。

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