昨日も語学学校の責任者の人が、この語学研修のシステムについて色々と教えてくれたのだが、私にはずっと疑問に
思っていることがあった。それは、「なぜフランス政府が外国人(移民)に無料で語学研修を提供しているのか」と
いうこと。私たちにとっては“無料”だが、今私が受けている講習も、学校としては1人当たり1,000ユーロ(10万円
ちょっと)と、決して安くは無い値段で行っている講習。政府が語学研修を委託している今の学校にこのお金を払って
くれるのだが、「一体何のために?」というのが常々疑問だった。
そもそも移民に対して提供されるこれらのサービスは“移民がフランス社会の中で孤立したりせず、環境に溶け込めるように”
と謳われているのだが、それがフランス政府のために何のメリットになるのか?これは自分の考えに過ぎないのだが、
フランス政府は国内の安全性の確保のために、移民により良い環境を提供しようとしているのではないだろうか。
移民を含む外国人が国の人口の13%以上を占めるフランスでは、様々な外国人問題を抱えている。しかも、先進国である
フランスに移民として来る外国人は、貧しい国の出身者も多い。そして、犯罪を犯す理由としては、“貧困”はかなり
大きな理由になるのではないだろうか。そう考えると、経済的問題を抱えながらフランスにやってくる移民が犯罪を犯す
ケースも多く、移民の経済状況を良くする事で、国の安全性が高まるのではないだろうか。
元々フランス政府は国民の安全を確保するために、警察を増やしたり、防犯カメラを設置するなり、何らかの形でお金を
つぎ込む必要があるだろう。そのお金を犯罪を犯す状況に陥りやすい移民の経済状況を良くする事につぎ込んでいるのでは
ないだろうか?
では、どうしたら移民の経済状況は良くなるのか?労働条件を良くすることが第一だが、フランス語を話せなければ、
いい仕事に就くチャンスは格段に低くなる。そこで、移民の言語教育や社会教育をすることにしたのでは?
しかし、いくら格安で語学などが学べる環境を提供したとしても、そもそも経済的困窮を理由にフランスに来た人たちが、
いくら自分の将来のためと言っても、自ら自分のお金をつぎ込むとは思い難い。彼らは将来的な事より、今の生活に
精いっぱいだからだ。
そこで、移民がフランスに滞在するためのビザや滞在許可証を取得する際に、政府がこれらの資金やサービスを提供する
代わりに、移民はこれらの教育を受けることの義務を負うという“契約”を交わすことにした。
フランス語が話せるようになったり、ソーシャルエディターとの面接によって良い仕事に就くことができれば、
貧困も改善され、犯罪の動機が減ることによって国内の安全性も高まるだろう。移民個人としても一番の問題である
経済状況が良くなる。実際のフランス語講習は民間の機関に委託されるわけで、それによって経済効果も得られると
したら、本当に素晴らしいシステムだと思う。
しかし、そこにはちょっとしたトリックも存在していると思う。いくら将来のためと言え、自らの教育にお金を使いたくない
移民は多く、このシステムでは一見政府が資金を肩代わりしてくれているように見える。でも実際は、語学学校に通うために
少なくとも6週間は半日(午前中)仕事を休む必要があるため、その分の賃金はもらえない。6週間半日仕事を休むという事は
3週間まるまる仕事を休むのと同じことなので、半月以上の賃金が貰えないことになる。仕事にもよるだろうが、3週間分の
賃金は、政府が語学学校のために肩代わりしてくれる料金(10万円)に近い金額になるのでは?
結局、政府は国の安全性の確保のために何らかの形で使わなければならない予算を移民の教育につぎ込んではいるが、
資金を援助されているはずの移民も、減給という形で自分の教育にお金を支払わされていることになる。この辺りがトリッキー
だなぁと思う。
実際、語学学校の初日には、同じクラスの仕事を持っている生徒が、「自分はこれから6週間、半日仕事ができず減給されるが
その分のお金は誰かが支払ってくれるのか?」と質問していた。また、「大事な仕事があるので、一日語学学校を休みたい」と
申し出た生徒も、移民局が学校を休むことは許さず、職場の理解を得るのに苦労していた。もちろん、これらの減給の補てんは
されないので、語学学校に行かなければもらえたはずの賃金をもらえないことになる。
仕事をしていない私にとっては“丸儲け”のこのシステムも、一家の主として仕事をしている人たちにとっては経済的に
かなりの影響を受けていることは間違いない。こんな形で自分の教育にお金を払っている以上、少しでもフランス語が
上達して、将来的に経済状態が良くなることを願って止まないのではないだろうか。
思っていることがあった。それは、「なぜフランス政府が外国人(移民)に無料で語学研修を提供しているのか」と
いうこと。私たちにとっては“無料”だが、今私が受けている講習も、学校としては1人当たり1,000ユーロ(10万円
ちょっと)と、決して安くは無い値段で行っている講習。政府が語学研修を委託している今の学校にこのお金を払って
くれるのだが、「一体何のために?」というのが常々疑問だった。
そもそも移民に対して提供されるこれらのサービスは“移民がフランス社会の中で孤立したりせず、環境に溶け込めるように”
と謳われているのだが、それがフランス政府のために何のメリットになるのか?これは自分の考えに過ぎないのだが、
フランス政府は国内の安全性の確保のために、移民により良い環境を提供しようとしているのではないだろうか。
移民を含む外国人が国の人口の13%以上を占めるフランスでは、様々な外国人問題を抱えている。しかも、先進国である
フランスに移民として来る外国人は、貧しい国の出身者も多い。そして、犯罪を犯す理由としては、“貧困”はかなり
大きな理由になるのではないだろうか。そう考えると、経済的問題を抱えながらフランスにやってくる移民が犯罪を犯す
ケースも多く、移民の経済状況を良くする事で、国の安全性が高まるのではないだろうか。
元々フランス政府は国民の安全を確保するために、警察を増やしたり、防犯カメラを設置するなり、何らかの形でお金を
つぎ込む必要があるだろう。そのお金を犯罪を犯す状況に陥りやすい移民の経済状況を良くする事につぎ込んでいるのでは
ないだろうか?
では、どうしたら移民の経済状況は良くなるのか?労働条件を良くすることが第一だが、フランス語を話せなければ、
いい仕事に就くチャンスは格段に低くなる。そこで、移民の言語教育や社会教育をすることにしたのでは?
しかし、いくら格安で語学などが学べる環境を提供したとしても、そもそも経済的困窮を理由にフランスに来た人たちが、
いくら自分の将来のためと言っても、自ら自分のお金をつぎ込むとは思い難い。彼らは将来的な事より、今の生活に
精いっぱいだからだ。
そこで、移民がフランスに滞在するためのビザや滞在許可証を取得する際に、政府がこれらの資金やサービスを提供する
代わりに、移民はこれらの教育を受けることの義務を負うという“契約”を交わすことにした。
フランス語が話せるようになったり、ソーシャルエディターとの面接によって良い仕事に就くことができれば、
貧困も改善され、犯罪の動機が減ることによって国内の安全性も高まるだろう。移民個人としても一番の問題である
経済状況が良くなる。実際のフランス語講習は民間の機関に委託されるわけで、それによって経済効果も得られると
したら、本当に素晴らしいシステムだと思う。
しかし、そこにはちょっとしたトリックも存在していると思う。いくら将来のためと言え、自らの教育にお金を使いたくない
移民は多く、このシステムでは一見政府が資金を肩代わりしてくれているように見える。でも実際は、語学学校に通うために
少なくとも6週間は半日(午前中)仕事を休む必要があるため、その分の賃金はもらえない。6週間半日仕事を休むという事は
3週間まるまる仕事を休むのと同じことなので、半月以上の賃金が貰えないことになる。仕事にもよるだろうが、3週間分の
賃金は、政府が語学学校のために肩代わりしてくれる料金(10万円)に近い金額になるのでは?
結局、政府は国の安全性の確保のために何らかの形で使わなければならない予算を移民の教育につぎ込んではいるが、
資金を援助されているはずの移民も、減給という形で自分の教育にお金を支払わされていることになる。この辺りがトリッキー
だなぁと思う。
実際、語学学校の初日には、同じクラスの仕事を持っている生徒が、「自分はこれから6週間、半日仕事ができず減給されるが
その分のお金は誰かが支払ってくれるのか?」と質問していた。また、「大事な仕事があるので、一日語学学校を休みたい」と
申し出た生徒も、移民局が学校を休むことは許さず、職場の理解を得るのに苦労していた。もちろん、これらの減給の補てんは
されないので、語学学校に行かなければもらえたはずの賃金をもらえないことになる。
仕事をしていない私にとっては“丸儲け”のこのシステムも、一家の主として仕事をしている人たちにとっては経済的に
かなりの影響を受けていることは間違いない。こんな形で自分の教育にお金を払っている以上、少しでもフランス語が
上達して、将来的に経済状態が良くなることを願って止まないのではないだろうか。