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日本・フランス・アメリカ 3つの国をくらべてみたら

アメリカでの生活を中心に、6年半暮らしたフランスや母国日本との違いに触れながら、気の向くままに書いていきます。

驚きの…

2016-06-12 21:38:10 | 生活
先週の水曜日、ウチの隣の土地にある畑を貸してもらえることになった経緯を記事に書いたが、
その後、金曜日には鍵をもらい、新たな菜園生活がスタートした。と言っても、降り続く雨に
変わりはなく、土をいじったのは金曜の午後、ほんの1時間程度。そして今日の午後、雨の合間に
畑に行き、通路の草刈りを気持ちばかりしてきた。

ところで、この畑を管理しているおばさんの区画にはポツリポツリとコスレタスが塔立ちした
ような植物が生えていて、何だろう?と思っていた。よく見れば、私の借りた一番奥の区画にも
同じ植物がいくつか生えている。そして今日畑に行くと、その幾つかに花が咲いていた。
よくよく見れば、蕾も沢山出来ていて、ヒナゲシのようにクビを垂れている。これはもしやと、
ダンナに聞いてみると、ビンゴ!ケシの花だった。しかも日本では「あへん法」で禁止されている
麻薬のアヘンの原料にもなる種類。おぉ!ケシ畑を借りたのかとちょっと驚いてしまった。

とは言え、あんぱんに付いている実もケシの実。畑を管理している人の良さそうなおばさんが
マフィアの下で働いているとも思えないので、多分目的はケシの実だろう。ちなみに日本で料理に
使われているケシの実は輸入品ですでに炒ってあるので発芽はしないそう。そして、アヘンは
花が咲き終わって、種が完熟する前の実に傷をつけて汁を出し、半乾きになったものを集めて
作るらしいのだが、1キロのアヘンを作るのに2000本のケシが必要と言うので、この畑のケシでは
1グラムのアヘンもできないだろう。そして、アヘンをさらに精製したものがガンの鎮痛剤として
有名なモルヒネ。お世話になることが無いようにと祈るばかりだが、あんぱんの上に付いている
あの実と麻薬のアヘンとモルヒネが同じ植物というのも何だか奇妙な話だ。

話は元に戻るが、畑に植えているくらいだから、フランスではケシの栽培は合法なのだろう。
ダンナの母国ハンガリーもケシの栽培は合法で、私もケシ畑や、鳥のフンにでも種が混じって
いたのか義母の庭にポツンと咲いたケシの花を見たことがある。ハンガリーではこのケシの実を
ペーストにしたものを使った伝統的なお菓子があり、ダンナの好物の一つだ。そして、この
お菓子に関わるおかしな思い出もある。
ある時ダンナが里帰りし、お土産にと義母がこのお菓子を手作りしていたことがあった。どうやら
このお菓子はイースト菌を使っているらしく、義母はガスオーブンの横にあった丸椅子の上に、
天板に乗せ、布巾をかけた生地を発酵させていた。そこに何も知らないダンナがやってきて、
その椅子にドスンと座ってしまったのだ。生地はすでにロールケーキのような形に成形されて
いたので、今更形を変えることもできず、私たちはダンナのお尻の形がついたお菓子を有り難く
いただいてきたのだ。私はこのお菓子はあまり好きでは無いので、その時もダンナが全部食べたの
だが、もちろん味はいつもと変わらず美味しかったそう。

ケシの実が熟すところはまだ見たことが無いので、これからが楽しみだ。

↓ケシの花





それから今日は、とても残念なことがあった。家族揃って上の空き地のズクロムシクイのヒナを
見に行くと、ウチによく来る黒猫が逃げていく後ろ姿が見えた。嫌な予感がして巣のある場所に
近づくと、「巣が無い!」と言う上の娘の声。よく見れば、巣は無残にも足元に転がり、中に
いたはずのヒナは1羽も居なくなっていた。嫌な予感は的中して、どうやら猫に巣を襲われて
全滅してしまったらしい。先日この空き地の草刈りをする前は、野生のブラックベリーが
1メートル以上の高さに生い茂り、そのトゲのせいで、人も動物も巣に近づく事は出来なかった
のだが、草刈りをしたせいで鳥の巣は猫に襲われてしまった。悔やんでも悔やみきれないが、
失われた5羽の鳥の命は返らないし、野良と思われる黒猫も生きる為に本能的にやっている事。
昨日見にきた時にはまだ声を出していなかったヒナ達も、今日はピヨピヨと可愛らしい声を
あげていたのかも知れない。願わくば、親鳥にもう一度卵が産まれて、亡くなったヒナ達の
命がそこに宿ってほしいものだ。

↓昨日最後に見たヒナ達



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