都市部の野鳥の生態を調べている都市鳥研究会(唐沢孝一代表)が、
東京駅周辺でツバメの巣を探しているそうです。(朝日新聞夕刊、
05.5.26 )
同会の調査によれば、85年の調査では44カ所で営巣が確認され
たが、95年には21カ所に半減し、00年の前回調査では18カ
所に減っていた、と。
古い話ですが、僕が小学生の頃、母の実家へ時々遊びに行きました。
母の実家はひなびた山里で米作と林業をやっていましたが、その家
の玄関を入ると、すぐ広い土間があり、その正面にツバメの巣がか
かっていました。家人は、親ツバメのために朝はできるだけ早く玄
関を開け、夜は親ツバメが巣に戻ってから玄関の戸締まりをしてい
ました。
家の中に巣を作るのは、ツバメの方の家人に対する信頼がよほど大
きくないと、できないことだと思います。その家の家族とツバメの
家族が、何代にもわたって信頼関係を築いてきたからできることで
はないでしょうか。
都市鳥研究会事務局長の川内博氏(日大豊山中・高校教諭)による
と、ツバメは前年に子育てした巣を修理して使うとのことで、営巣
が減っているのは、古いビルが建て替わったり、巣の材料の泥が少
なくなったりしたのが原因とのことです。
僕は、もちろんこれらも原因でしょうが、さらに巣をかける場所や
建物に出入りする人達に対するツバメの信頼感や安心感も大きい原
因ではないかと思います。不特定の、そして多数の人間が出入りす
る都会のビルの一角などでは、ツバメの方がなかなか安心感や信頼
感をもって巣を営めないでしょうからね。
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