青空文庫

徒然なるまま自分の面白いと思う本の書評や感想を書き綴っていきたいです。最新の本だけではなく、古書にも興味を持っています。

中国文明論集

2012-09-09 22:50:55 | 日々思うこと

中国文明論集

今年4月に神田の古本屋で購入した宮崎市定「中国文明論集」 が面白い。中国に来る前は中国の歴史は日本史で習う程度だったのが、やはりその中に身を置くと俄然興味が出てくる。パラパラと目次を拾ってみても「宋代における石炭と鉄」「毘沙門天信仰の東漸」「中国火葬考」「東洋のルネッサンスと西洋のルネッサンス」・・・おっ!と思えるタイトルが並ぶ。この論文自体は昭和15年とかの年代らしく、いまではすっかり古くなってしまった部分もあるだろうが、内容は論旨が明快で分かりやすい。

それにしても、中学・高校の歴史学習のなんと退屈だったことか。。。自分の不勉強は別にしても、学校で勉強する歴史からはその時代時代を生きた人間達の息吹が感じられないのである。所詮歴史とは各時代を生きた人間が作るものである。その時々の人間社会・人間模様が感じられないと歴史なんていうのは全く面白くないと思うのだ。要は「事実の羅列と暗記」でしかないのである。まじめに提案したいのが教科書に「地球の歩き方」を採用することだ。まず生徒に興味を持たせるには「おっ!なんだこれ!?」と思わせないとだめだ。こんなところ行ってみたいとか、どういう文化をもったどのような人たちがいるんだろうとか、想像をかき立たせないと興味なんて湧くわけがない。大体において教科書にでてくる事実の量に比較して写真や説明がなさすぎる。だから文字ばかりの「本」になってしまうのだろう。

物理教育に関していうと、問題を解くことに固執しすぎるのと物理学史が教えられていないことが大きな問題だ。このブログで何度か書いているが理学部や工学部に行って将来その道でメシを食うごく一部の人以外はニュートン力学を正しく使えなくとも全く困らない。しかし、人類がどのように天体の運動やエネルギー保存の法則、相対論、量子力学に至ってきたのか、現代がどのような物理観の上に成り立っているのかが分からないと、新聞をにぎわしているヒッグス粒子やダークマター、小澤の不等式などは念仏にしか聞こえないだろう。もちろんそういう生き方もあるが、この時代に生まれたチャンスをミスミス逃すことになる。アインシュタインにはなれなくとも今の時代アインシュタインよりも先に進むことができるのだ。 

 

 

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