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倉田潤・青少年治安対策本部長 福士都議の質問に対する答弁

2010年12月09日 19時01分35秒 | Weblog
倉田潤・青少年治安対策本部長 福士都議の質問に対する答弁
http://www.youtube.com/watch?v=gpGsOYsO_X4
福士敬子議員の一般質問にお答えいたします。
まず青少年健全育成条例について4点の御質問にお答えいたします。
まずパブリックコメント、でありますが、今回の改正案は、青少年問題協議会での議論や、その答申素案について実施した、いわゆるパブリックコメント、第一回定例会に提案した改正案に対する議会での議論や、閉会中の総務委員会における継続審査、第二回定例会における議論、及び各方面からの意見など、これまでの様々な議論や意見の積み重ねを踏まえ、立案したものであります。
従って、改めてパブリックコメントを行う必要はないと、考えたものであります。

次に、出版業界との意見交換についてであります。
出版業界とは個別の意見交換等を随時行っており、その際、条例改正を巡る様々な論点についてご意見などをお聞きしてきた所であります。
また、個別の意見交換のほか、青少年の健全育成の観点に立った適切な図書類等の販売のあり方について創作・出版関係者・及び青少年健全育成関係者が、漫画等の出版、及び自主規制等の現状を踏まえつつ、忌憚のない意見交換を行う場においても、出版業界の取り組みやご意見について伺ってきた所であります。
出版業界は「自主規制による取り組みで十分」というご意見でありましたが、子供に見せるべきでない漫画等が、一般書棚で売られている現状にある事、指定された不健全図書類の半分が、自主規制団体に属さない、いわゆるアウトサイダーの出版社による物である事を考えると、都としては条例改正が必要であると判断したものであります。

次に、著しく社会規範に反する、という文言についてであります。
そもそも、著しく社会規範に反する性交又は性交類似行為とは、条文からも明らかなように、第七条第二号に該当する、性交等、即ち、刑罰法規に触れる性交等、または、婚姻を禁止されている近親者間の性交等の中で、著しく社会規範に反する性交等という意味であります。
具体的には、被害者の意思を抑圧する物として、極めて悪質な類型である強姦や、性交類似行為を伴う強制わいせつ等、また子供が対象とする性犯罪である児童買春児童ポルノ禁止法における児童買春、児童福祉法における児童に淫行をさせる行為、青少年健全育成条例におけるいわゆる淫行禁止規定違反行為、及び結婚を禁止されている近親者間の性交及び性交類似行為を言い、これは東京都規則で明示する物であります。
改正案は、こうした行為を著しく不当に賛美し、または誇張するように描写した漫画等の区分陳列を義務付け、青少年に販売等をしない事とするものであり、こうした取り組みにより、青少年の健全な育成を図ることを目的としています。

最後に、今回の条例改正と子育てのあり方についてであります。
子供を守り、健全に育成する為には、まずもって親が果たすべき役割が大きい事は論を待ちません。
しかし、子供を取り巻く環境の全てに、親の目が行き届くわけではなく、書店の、一般書棚で売られている、漫画の、内容を、多くの、親は、知りません。
今回の条例改正は、子供が容易に一般書棚から、強姦等を不当に賛美し誇張するような漫画を親の知らないうちに買うことが出来る、現状を改善しようという物であり、子育てを行政に依存する事に繋がるという、指摘は、あたらないと考えます。

福士敬子都議 青少年健全育成条例改正案に関する一般質問

2010年12月09日 18時57分57秒 | Weblog
私は子供を無菌状態で育てる事がいいとは思いません。
日々、社会は変わって行きます。どんな社会状況となっても、善悪を見定め、自分で判断する子供を育てる。
それが、親を始めとする、大人たちの仕事ではないでしょうか。
「これは大丈夫」と、厳禁した大人の価値観だけを与え、いいなりの子供を育てていたら、グローバルな社会には対応できません。
私は今回の改定案は「大人の逃げ」だと感じています。
大人は見せたくない暴力やセックスの漫画などを見たら、自分で子供に伝えればいい。
条例を推進する方々は、自分達が子供達と向き合わず「行政に何が悪いかを決めてもらおう」という他力依存の気持ちがないか、点検していただきたいと思います。
被害者が発生する児童ポルノと違い、創造を形にしただけの漫画などを取り締まるのは、表現や、思想を取り締まる事になります。
私は、若者を自立心をしっかり持ち、自分で判断できる、人間に育てる事が、教育、子育ての最大の目的と考えています。
その意味で、昨今の青少年健全育成条例自体に疑問を持ち、改定が加わる毎に迷走し続けていると感じています。
知事も表現者の一人として、反モラル的小説を含め、様々な想像を形にされて来ました。知事は、ご自身の作品を含め、何を子供に見せ、何を見せないかの取捨選択を、行政任せにすることに違和感はないでしょうか。
社会は、行政が作るわけではありません。今回の条例は、子育てを行政に依存する事に繋がると考えますが、御見解を伺います。
殺人は、罪に問われます。それでも殺人事件は起きていきます。法律や条令で人を縛れないというだと申し上げておきます。

福士敬子都議 青少年健全育成条例改正案に関する一般質問

2010年12月09日 18時57分12秒 | Weblog
http://www.youtube.com/watch?v=FbFfRsa6k0U
継続審議を経て、第二回定例会で廃案となり、またもや出された青少年健全育成条例の改定案は手続きも拙速、かつ市民の意見も聴いていません。
当初の改定案は、審議会での議論、そしてパブリックコメントを経て、提出されました。
その上で尚、3月17日に条例文の解釈について、急遽、その見解を作成するなどの、ドタバタ劇で知事自身、記者会見で「精読していないので、詳細に考えていない」との発言までされた条例です。
今回は「非実在青少年」という言葉は削除されましたが、逆に刑罰規定に触れるという形で規制対象は18歳以上にまで広がっています。
更に、社会規範に反する行為という、法と道徳を混同した言葉で、漫画やアニメを狙い撃ちにしています。
そもそも審議会の答申、パブコメの流れから見れば、全く別の改定案を提示しているにも関わらず、条文が出たのは告知日当日です。
このように、全国の関心が高い条例は、再度市民からの意見集約を行うべきと考えますが、パブリックコメントを行うことなく、今定例会に提出する理由を伺います。

自主規制団体など、規制への考え方に食い違いがある場合は、規制と犯罪発生率の相関関係など、科学的な結果を元に、出版業界と話し合うべきだと考えます。
条例改定にあたって、これまで出版業界とどのような話し合いをして来たのか伺います。

また、条文中「著しく社会規範に反する」という文言は、対象が曖昧で、ますます分かりにくい物となっています。この言葉で何が規制され、この改定でどのような社会を目指しているのか伺います。

倉田潤・青少年治安対策本部長 吉田都議の質問に対する答弁

2010年12月08日 23時43分03秒 | Weblog
**7
次に、過去の制度慣習や、諸外国の文化との関係についてでありますが、今回の条例改正案は、今の日本で生活する青少年が、今の日本の刑罰法規に触れる性交等や、婚姻を禁止されている近親者間の性交等を社会的に許される物と受け止め、これらの性交等に対する抵抗感を弱め、性に関する健全な判断能力の形成を妨げられることにならないようにする為の改正であり、過去のわが国の制度慣習や、諸外国の文化等を否定しようとするものではない事は、言うまでもありません。
過去の制度慣習や、諸外国の文化等として性交等の場面を描いた作品が、ただちに今回の基準の対象となるわけではない事は勿論であります。
また、SFや、ファンタジー作品等における、架空の設定や、そこにおける性交等の描写自体を否定しようとするものではありません。
他方、過去の制度慣習や、諸外国の文化等、架空の設定にかこつけて、テーマに照らし、必要以上に今の日本では刑罰法規に触れる性交等について、特別な物ではなく、通常あり得る事として青少年が受け止めてしまう程度まで、こうした性交等の場面をことさらに描いた物は、区分陳列を検討する対象になりえます。
これは例えば、古典文学の漫画化の体裁や、幼児との性交が、合法的に許されている架空の世界での出来事であるとの体裁を取りながら、これにかこつけて、全編の大部分が幼い子供との性交等の執拗な描写に費やされているようなものであります。
しかしこの事は、過去の制度慣習や、諸外国の文化等、創作者の想像力や創造性を否定する事とは全く異なる事であると考えます。
**8
最後に、青少年健全育成審議会の運用についてでありますが、青少年健全育成審議会の運用につきましては、これまでも、委員の方々が適切に審議できるよう、努めてきた所であります。
改正条例の、運用にあたりましては、委員の方々が、改正の趣旨を踏まえた判断が出来るようにする事が重要であります。
委員の方々のご意見を伺いながら、諮問図書の事前配布の検討も含め、審議に必要な時間が十分に確保するようにして参ります。

倉田潤・青少年治安対策本部長 吉田都議の質問に対する答弁

2010年12月08日 23時41分24秒 | Weblog
**4
次に、不当に誇張の意味などについてであります。
「不当に誇張するように」は、漫画等において当然に伴う誇張的な描写、いわゆるデフォルメの程度を指すものではなく、刑罰法規に触れる性交等、及び婚姻を禁止されている近親者間の性交等について、これらの性交等が特別な物でなく、通常ありうるものとして受け止められる程、必要以上に詳細に描写したり、執拗に反復して描写するなどにより、読み手である青少年から見てこうした性交等に対する抵抗感を弱めるように描写している事を指します。
具体的には、例えば強姦など、刑罰行為に触れる性交等について、不当に賛美するように描写してはいなくても、当該性交等の場面が、全編の大部分に渡り、必要以上に、延々と微に入り細に入り、または執拗に反復して描写されているもので、その結果、読み手である青少年が、そのような性交等が特別なものではなく、通常ありうるものとして受け止め、青少年のこれらの性交等に対する抵抗感を弱める物は不当に誇張するように描写したものとして、区分陳列を検討する対象となり得るものと考えます。
**5
次に、刑罰法規に触れる性交等、などについてでありますが、条例改正案の対象は、あくまで刑罰法規に触れる性交等、または婚姻を禁止されている近親者間における性交等を、不当に賛美し、または誇張するように描写等したもののみであり、刑罰法規に触れる性交等を表現しただけでは、ただちに対象となる物ではありません。
従って、性的虐待を非難し、被害防止を啓発するような漫画等が対象にならない事は、言うまでもありません。
また、不健全図書指定にかかる、第八条第一項第二号は、第七条第二号に該当する物のうち、強姦等著しく社会規範に反する性交等または性交類似行為を、不当に賛美しまたは誇張するように描写または表現したものと規定しています。
つまり、著しく社会規範に反する性交等とは、第七条第二号に規定する、刑罰法規に触れる性交等または婚姻を禁止されている近親者間の性交等に、該当する事を前提とした上で、そのような性交等の中でも著しく、社会規範に反する性交等、である、という趣旨であります。
具体的には、被害者の意思を抑圧する物として、極めて悪質な類型である強姦や、性交類似行為を伴う強制わいせつ等また、子供を対象とする性犯罪の類型として、児童買春、児童ポルノ禁止法における児童買春、児童福祉法における児童に淫行をさせる行為、東京都青少年健全育成条例における、いわゆる淫行禁止規定違反行為および民法により婚姻を禁止されている近親者間の性交性交及び性交類似行為を言い、これれは東京都規則で明示する物であります。
これに該当しない物については、一切、不健全図書指定の対象に該当する事は無い事から、不当な規制の拡大を企図しているとのご懸念は、あたらないものと考えます。
**6
次に、年齢の判断についてでありますが、今回の、改正案におきましては、刑罰法規に触れる性交等を不当に賛美又は誇張するように描写等することにより読み手である青少年の性に関する健全な判断能力の形成を、妨げる恐れのあるものを区分陳列の対象とする事としこれに該当する限り、性交等に関わる登場人物の年齢設定は問わない事としました。
但し、性交等にかかる刑罰法規の中には、性交行為の対象者が13歳未満、または18歳未満である事が当該法規の適用の要件となっている物があります。
その場合には、当該刑罰法規に触れる性交等の描写等であるか否かの判断にあたり、登場人物の年齢設定の判断が必要になります。
その際には、年齢を始めとする、服装、所持品、学年、背景、その他の、人の年齢を客観的に推定させる事項の、描写から判断する事となると考えています。
尚、当該性交等不当に賛美誇張するように描いた漫画等の一部において、服装、所持品、背景、その他の人の年齢を客観的に推定させる事項の描写等からは、読み手である青少年が、明らかに13歳未満である、または明らかに18歳未満であると受け止め方をされてしまう描き方をされているにも関わらず、作品の設定上は一言だけこれは成人であると断り書きをつけているようなものがあります。
このようなものは、読み手である青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げる恐れがあるものとして区分陳列を検討する対象になり得るものであります。
不健全図書の指定にあたりましては、自主規制関係団体の意見を聴取した上で、青少年健全育成審議会に諮問をし、その結果を踏まえて、都が不健全指定するという慎重な手続きを経る事としており、行政の恣意的な判断の入る余地があるとのご懸念は、あたらないものと考えます。

倉田潤・青少年治安対策本部長 吉田都議の質問に対する答弁

2010年12月08日 23時39分45秒 | Weblog
倉田潤・青少年治安対策本部長 吉田都議の質問に対する答弁
http://www.youtube.com/watch?v=CM-PxCjLWbE
8点のご質問にお答えいたします。
**1
まず改正案の表現の自由の関係についてであります。
条例の図書類に関する規定は、漫画等の創作や出版、18歳以上の方の閲覧や購入を一切規制する物ではなく、青少年への販売が制限されるにとどまるもので、描き手の創作活動を規制する物ではありません。
これと同様の仕組みである、岐阜県、青少年保護育成条例に関する、平成元年の最高裁判決においては、このような販売制限は、憲法21条1項に違反するものではないと、明確に判事しています。
その趣旨として、判決の補足意見に於いては、条例の規定は憲法の保障する表現の自由に関わるもの、と述べた上で本件条例を違憲とするのは相当ではない、と述べています。
これは、条例による青少年への販売等の規制は、表現の自由の派生原理として導かれる、読み手である青少年の知る自由を制限するものである事を指摘した上で、それに対する一定の制約は是認されるものである旨を述べているものであり、条例の規制が、描き手の創作の自由や、出版の自由の制限にあたるとは述べていないものであります。
都においても、条例による青少年への販売等の規制は、青少年の知る自由を制限する物でありますが、青少年の健全育成の目的に照らし、そのような販売制限は憲法21条1項に違反するものではなく、また、描き手の創作活動を規制するものではないと考えます。
**2
次に、改正案を規定する理由と、その科学的根拠についてであります。
今回の条例改正案は、刑罰法規に触れる性交等や、婚姻を禁止されている近親者間の性交等を、不当に賛美誇張するような漫画等が、一般書棚で販売されている実態があり、これらを閲覧した青少年等が、これらの性交等が、社会的に許される物と誤解するなど、これらの性交等に対する抵抗感を弱め、性に関する健全な判断能力の形成を妨げる恐れがある事からこのような漫画等を区分陳列の対象としようとするものであります。
したがって、この改正案は、性犯罪の描写を、閲覧した青少年が、当該犯罪を犯すことを防止する事を直接の目的とするものではないことから、図書類を閲覧した青少年が、当該犯罪を犯すという、因果関係の科学的証明の必要性は生じない物と考えます。
尚、先に述べた、最高裁判決の補足意見においても、有害図書の販売規制にあたり、有害図書が青少年の非行を誘発したり、その他の害悪を生ずる事の厳密な科学的証明を必要としない旨述べています。
**3
次に、今回の改正の基準と、現行の3つの基準との関係についてであります。
改正案による基準は、刑罰法規に触れる性交等を、不当に賛美誇張するように描いた物、でありますが、これは社会的に許容されていない性交等の描写が、これらの性交等に対する青少年の抵抗感を弱め、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げる恐れがある程度に、至っている物が該当します。
しかし、こうした漫画等は、必ずしも読み手の性的感情を刺激する度合いが高いとは限りません。
同様に、読み手の残虐性を具体的に助長する程度が高いとは限らず、また、読み手が具体的に犯罪を実行しうるまで、犯罪を誘発する程度が高いとも限りません。
従って、現行の3つの基準とは別に、新たな基準が必要であります。