kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

コードネーム U.N.C.L.E.

2015年11月29日 | ★★★★☆
日時:11月28日
映画館:バルト11

2015年はワタシのような映画ファンにとっては、記憶に残る年になるだろう。何しろ、「スパイ大作戦」「0011ナポレオン・ソロ」「007」、そしてハリー・パーマー眼鏡をかけたマイケル・ケインが一年の間にスクリーンで観れるのだ。

いつぞやと同じ出だしだが、今度はガイ・リッチーの「0011/ナポレオン・ソロ」。これがいかにもガイ・リッチーらしくて、その上、無駄のない雰囲気のいい映画。

「雰囲気がいい」って言うのは、60年代のスパイ映画の程よい安っぽさの再現ってこと。冷戦時代を背景にしながらも、シリアスさはなく、コメディまでは行かないお気軽な感じがそれらしい。007のように世界中を駆け巡ることなく、事件は全てローマで解決してしまうし、派手なアクションはあえてスプリットスクリーンで処理。この表現に否定的な意見もあるけど、TVシリーズに大掛かりで派手なドンパチは不要だし、そこに時間を割くのはガイ・リッチーには似合わないので、個人的には肯定派。

一方でガイ・リッチー節とも言える時間経過を解体した演出も頻発して、テンポよく見せてくれるし、過剰とも言える音楽の使い方も彼らしい。

ソロとイリアの掛け合いがTVシリーズの見せ場だったが、キャラクターにずば抜けた個性があった訳ではないので、主役2人はなかなか演じにくそう。2人のバックボーンを盛り込むのに、かなりの時間が掛けられているのも仕方なく、その分、悪の組織の描写が希薄になっている。まあ、次回、犯罪組織「スラッシュ」の登場とインチキ日本ロケに期待しよう。

主役に対し脇役としてクリスチャン・ベルケルとかジャレッド・ハリスといった欧州勢の顔ぶれが、いかにも60年代っぽさを醸し出し、特にシルベスタ・グロスの悪党ぶり(と倒され方)がそれっぽくて良い。

ソロとイリアを振り回すアリシア・ヴィキャンデルのヒロインぶりには「おてんば娘」って死語を思い出したよ。(笑)

ヒュー・グラント扮するウェイバリーの狸オヤジっぷりもハマっていて、適当に嫌味っぽく、適当にいい加減なところが、TVシリーズのレオ・G・キャロルを彷彿とさせて、実にいい感じ。(TVシリーズの真木恭介の吹き替えが聞こえてきそうなのだ。)

ところで、いつもマカロニ映画へのオマージュをぶち込まずにはいられないガイ・リッチー。「シャーロック・ホームズ/シャドウゲーム」に引き続いて、今回、イリアがいたぶられるシーンはまんまマカロニだし、チプリアーニの「Un uomo, un cavallo, una pistola 」からも引用されるのだ!






題名:コードネーム U.N.C.L.E.
原題:The Man from U.N.C.L.E.
監督:ガイ・リッチー
出演:ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィキャンデル、エリザベス・デビッキ、ヒュー・グラント

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