沖矢昴は何者か？②

　というわけで、沖矢昴が赤井でないかもしれない、という我ながらとんでも推理の第二段です。
　今回は沖矢＝赤井秀一説について整理しつつ、この説の疑問点を考えてみます。


　沖矢＝赤井の最大の根拠は、キャスバルはシャアというガンダムファンなら誰でも納得の理由だ！というのはもちろん冗談で、まずは沖矢登場のタイミングです。
　赤井が死んだふりをして表舞台から潜ってすぐ出てきましたから、赤井の変装である可能性は十分考えられます。また、コナンも赤井が死を偽装していることを知っているので、そのことから考えてもコナンが沖矢の正体を知っていることと矛盾しません。でもこの説には逆に言うとこれ以上の根拠も無いんです。
　そこで角度を変えて、「赤井が沖矢であった場合、工藤家に住むメリット」は何かということを考えてみたいと思います。
　まずコナンの側から見ると、①赤井の動向が把握できること②情報が交換しやすい③灰原のガードになる、という3点でしょうか。しかし、①も②も他に方法がいくらでもありますし、それほど大きな理由でもありません。むしろ工藤新一が生きていると分かった時のデメリットの方が大きいように思います。③に関しては、ここに来てコナンが灰原のガードを他人に頼むとは考えにくいですし（この辺りはもちろん願望コミですが）、それならばもっと早い段階でFBIなりに頼んでいるはずです。
　赤井のメリットは、①潜伏先の確保②コナンを通して情報を手に入れやすい③灰原のガード④新一のその後を調査に来た組織の人間と接触できる、といったところでしょうか。
　しかしこれも①と②は大した決定的な理由になり得ません。また③に関しては、宮野明美の妹ということから無いとは言えませんが、決定的な理由としては弱いような気がします。何より赤井の目的は組織の打破であって、宮野志保の安全では無いので③の理由では赤井の動きが縛られてしまいます。
　④ならばありそうですが、これでは隣の阿笠邸に住む志保の身が危険です。新一の形跡を消していることから考えても、コナンは自分の身を餌にして組織を誘い出す気は無いようですから、これも無いでしょう。
　ということで赤井秀一には沖矢昴として工藤邸に住む必要性が無いと思われるので、そういう意味では赤井＝沖矢説には疑問が出ます。
　それから、このシリーズの沖矢を見ていると実に生き生きと紙飛行機野郎について推理をしていますが、赤井秀一ってこういうキャだったかなあという気もします。むしろ組織のこと以外はあまり関心を持っていない気がします。なんかそういう意味でもこのシリーズ中の沖矢の動きが赤井っぽくない気がします。

一言どうぞ