このBlogでは例年の年末振り返りでご報告いたしておりましたように、マクロスΔシリーズのカナメ・バッカニアさんの大ファンです。もちろん前作の映画「激情のワルキューレ」も何度も視聴しております。大好きです。そんな前作がいつの間にかシレっと“前編”とかついてて、その後の完全新作ストーリーということで大変楽しみにしておりました。しかし一方で前作でメッサ―君が殉職したという設定の後のカナメさんがどうなるのか、未亡人ENDとかメッサ―いないことになってたらどうしようとか、それはもう不安の塊の中、大人の事情により前売りを複数枚買ったこともあり、清水の舞台から飛び降りる気持ちで公開日に言ってまいりました。
結論から申しまして、ΔもFも良い映画だった!長編のΔも短編のFも作品としてはもう最高峰の出来だったと思います。
まずは「マクロスF時の迷宮」の方ですが、こちらは劇場版のサヨナラツバサの明確な続編でした。何となく匂わされてたシェリルとアルトの帰還に繋がるストーリー。
アルトがいなくなってシェリルが眠ったままでも歌い続けるランカちゃん。心なしか貫禄が出て大人になった雰囲気です。歌うのはサヨナラノツバサのEDだった「ホシキラ」。この曲良いですよね。ランカちゃんは可愛い曲が多いけど、私はこういうしっとり歌う曲も好きです。
そして色々あってプロトカルチャーの遺跡へ。この辺りは後にあるΔを意識した作りなんでしょう「どう見てもお供え物ですやん」って思ってたらここはしっかりミシェルがツッコんでくれました。
。これ、ランカちゃんがSMSを自分で雇ってるってことですよね。シェリルみたいな一流のアーティストになって、シェリルにあこがれるシンデレラガールじゃなくて、シェリル・ノームに並んで立てるランカ・リーになってるっていう……もうね、この時点で涙腺がアップを始めましたよね。
そして遺跡が起きてライブシーンへ。そう、こういう3Dが見たいんですよ、わかってんのか?テスラ・〇-トとか思いながら見てましたが、ここからは圧巻でした。シェリルとランカの新曲、やっぱりこの二人は最高ですよね!
ランカの意識下で立体化されていくシェリルはウエディングドレス姿なのは、ちょっと切なくて、でもそれを受け入れてもなお二人を取り戻そうとするランカがすごく強くて。私が好きな「放課後オーバーフロウ」を歌うランカが大人になったんだなと、涙腺が運転モードへと切り替わりました。
そして最後はアルトの居場所がわかってからの「今度は私が迎えに行く」旨を力強く宣言するランカちゃん。ほんと成長したなあと、これからの三人の三角形は正三角形何だろうな、と思わせてくれて、本当にマクロスFから10年、こういうのが見たかったんだよなっていう正統派の続編でした。
それはそれとしてクランと存分にいちゃつくミシェルに、この二人好きなんですよ。本当に大好きなんですけど、くそう、劇場版復活系カップルめ、見せつけてくれやがって、もっとやれ。あとメッサ―くんも今からでも……とか思ったりはもちろんしましたことは言うまでもありません。
そして今回の本編マクロスΔですよ。タイトルは「絶対Live‼‼‼」もう不穏さしかない。しかも事前情報は謎の闇キューレとかいう普通に考えたらどんなトンチキだよ!?と疑いたくなる話。大丈夫か、マクロス?たまにやらかすけど、頼むよ河森監督、と祈るような気持ちでみました。
結論から申しますと、どうして!!それをTV版本編でしなかったのか!?と言いたくなるほどの内容とストーリーの充実感。
TV版で未消化だったあれもこれもが全て解明され、言及され、なんなら「激情のワルキューレ」のTVのあれ、どうなったんだ?もちゃんと全部触れてびしっと締めてくれた、そういう意味では完璧な完結編だったと思います。
その最たるものが今回のマクロスΔの三角関係の根幹に関わるヒロイン、フレイア・ヴィオンの寿命問題。TVでも前回でもわりとお茶を濁してた、これにそこまでストレートに解答を出してくるとは正直思ってなかったです。
でも同時に思い知りました。マクロスシリーズはご都合主義なところはとことんご都合主義だけど、こういう根幹に関わるところだけは絶対に誤魔化さないんですよね。あと河森監督にはそういう意味で情に流されるところは皆無というか【歌姫は歌のために全てを捧げる】この一点だけは揺らがない。リン・ミンメイはそうして伝説なったし、シェリル・ノームは歌に祈命を燃やしたし、ランカ・リーは大事な人を諦めても歌うことはやめないっていうことですよ。もうちょっと下世話に言うと、河森監督その時のメインの歌姫を精神的にとことん追い込むんだよなあっていうあれですよ。
そんな
でも、一方で私はワルキューレという歌姫たちをずっと追いかけてきたわけで、フレイアがワルキューレに入ってからずっと見守ってもきたわけで、そういう中でのこのストーリーはやっぱり重くて辛くて、かといってフレイアの決断は受け止めたいと思うけど、でもやっぱり残されていくカナメさんを思うと、しんどい映画だなというのが正直な思いです。
実は前にtwitterで映画でフレイアが結晶化で風になった後にフレイアとハヤテの娘が育ってたら号泣する、みたいな話をしていたことがあったのですが、ええ、もうね、しましたよ。号泣。最後にこんなん泣くしかないですやん。
さて本題、私の最推しカナメ・バッカニアについてです。私は彼女が好きで好きすぎて色々あって今は中の人のファンクラブに入っているくらいカナメさんが大好きなんですが、なぜここまで彼女が好きかといわれたら、一つの大きな理由としてマクロスの中でも“歌に最も執着している人”だからです。
マクロスの歌姫たちはそれぞれ歌に対して強い思いがありますが、それを【執着】という言葉で表せるのはシェリル・ノームとこのカナメ・バッカニアだと思います。ちなみに私はFでは完全無欠のシェリル派です。歌うためにフォールド細菌に感染することも厭わない劇場版のシェリルには魂を鷲摑みされてます。
ただ二人にはそのスタンスが明確に違って、「歌うために生きている」といってもシェリルは文字通り「息をするのと歌うのが同義」というもの。一方でカナメさんは売れないアイドルからワルキューレ、しかも結果が出ない当初の泥を這う立ち上げの時代から必死でやって、ようやく成果をだしたら美雲さんが表れてエースの座を奪われ、それでもずっと歌う場所にしがみつき続けた、「生きている限り歌うことを諦めない」そういう人です。同じ「歌はいのち」といっても歌に愛された銀河の妖精シェリルの「祈命」ではなく、カナメさんの「歌は命」はもっと欲望で願望で泥臭いものなんですけど、そこが私は堪らなく好きなんですよね。
で、そのカナメさんですが、彼女が現在ワルキューレで歌うためにどれだけのことを奪われてきたかということなんですよ。センターであることを奪われ、さらにはメッサ―君を奪われた、その上でこれはTV版なんですが、最終決戦前にアラド隊長に「戦争のためじゃなくて、ワルキューレの五人で好きな歌を銀河中に響かせたい」と夢を語るんです。これがカナメさんの本心だったと、それは劇場版時空であってもそうだったろうと思っています。そのカナメさんの夢のためにはワルキューレの五人が必要不可欠なのに、でもそれすらも奪われたんだなと、でもこの人は絶対歌は手放さないんだろうなと思うと、もうこの人をどうしたらいいのか、とひたすら頭を抱えています。
今回の映画についての事前雑誌のインタビューでカナメさん役の安野希世乃さんが「カナメさんには失うことへの恐怖がある」とおっしゃっていて、それが今、改めてとても刺さっています。カナメさんは色んなことを奪われて見送って、いつも失ってきた側の人です。だからこそ、今回もフレイアの命が危なくなった時にフレイアを任務から外しました。でも彼女は歌に執着する人だから、最後のフレイアの願いを守りました。そして彼女自身はやっぱり奪われて失ったいました。
しかしカナメ・バッカニアという人がこれからも歌い続けることは変わりないんだろうなという確信はあります。それが今回挿入されていたメッサ―君とのカタパルト・デッキでのシーンです。正直なところ、ここまでのシーンでは今回はもうハヤフレどメインでカナメさんはリーダーポジかなと思ってたんですよ。ちょいちょいメッサ―匂わせはありましたけどサービスシーンかなくらいの。前回ほぼ主役食ったから今回は仕方ないよねって。
そしたら唐突なメッサ―君とのシーンじゃないですか!あそこは円盤出たら100回は見ますよね。あのシーンってメッサー君のヴァール発覚→フレイア誕生日のバングル→艦長に「無茶だったと思います」の後ですよね。
そういうやり取りがあったのか!!いや、TV版にもちょろっとあったけど、時系列から考えると全然意味違うじゃん!!!AXIAのバングルの後じゃん!!!!あの二人にあんなやり取りがあって、その後にΔ2がエンゲージして「歌ってくれ、カナメさん」したのかよ!!カナメさん歌ったのかよ!!!!で、メッサ―くんはカナメさんの腕に帰って殉職したのか……で、カナメさんのクラゲ送りかよ……マジか。そんなの思って激情のワルキューレ見返した3リットルは泣くわ!!!
という所からのアルブヘイムそしてKaname requiemのジラフって、これはダメだよ。これは泣くよ。今回の歌の使い方本当にずるいです。もうちょっと狙いすぎだよ、泣くしかないよ。(あとあのシーンでフレイアに「風は予告なく吹く」歌わせたのは絶対忘れないから!天才かよ!!!)
あれじゃあ、カナメさん絶対、歌から離れられないよ。いや、あの人は離れないけど。メッサー、お前何してくれてんのよ。もう帰って来いよ、帰ってきて責任取れよう……。
ってもう、私の思考回路はめちゃくちゃですよ。せめてカナメさんの夢だけはかなえさせてあげて欲しいって思ってたけど、もうそれも無理で……フレイアとハヤテの娘のあの子は間違いなく歌に引き寄せられる子だろうけど、とりあえずカナメさんのことだからそれまではワルキューレ守るのかな…とかはちょっと考えたりしつつ、どうしたらあの人を幸せにできるのかなって、このテーマは私の人生の課題としてまだ続きそうです。
他にはアラド隊長とミラージュは今回すごくよかったと思います。二人ともここまで設定を生かしきれてないなと思っていたこともあって、ハヤテがメッサー機を引き継いで、ミラージュが隊長を引き継ぐというのはとてもいいです。ここは本当に良かった。ミラージュさんが自分の空を見つけられたことは今回の映画で一番うれしかったことでした。
それから隊長。ワルキューレを見守り育て、Δ小隊を育成したアラド隊長がどれだけすごいかというのが、今回とても活かせていて、アラド隊長はミラージュの才能を見抜いていたからこそ後方支援機を与えていたし、メッサーの後の副隊長職を任せていたんだというのがはっきりして、本当に素晴らしかったと思います。
これからはアラド艦長とミラージュ隊長体制で頑張ってほしいです。
そして今回のビックリ玉、マクシミリアン・ジーナスですよ。最初はどうせFの時のイサム・ダイソンみたいなもんだろと高をくくっていたらここまでがっつり出るとは。石塚さんが亡くなったから艦長どうするのかと思っていたら、まさかのこういう展開でしたか。これは上手いなと思いました。
で、マックスですけど、やっぱりかっこいいですねマックス。私は若いころのマックスよりも7の時のマックスが好きだったりするんですが、今回のマックスが一番好きです。天才はやっぱり天才なんだなあ。くぁもり監督が一貫して「一番の天才はマックス」と言いつづけていたのが、納得でした。いや、あれはかっこいいでしょう。「ただの天才さ」って言えるのはあの人だけですよ。でも絶対艦長やめてパイロットに戻ったって知ったらミリアも自分の真っ赤な愛機もって飛んでくるよね、アラド艦長ドンマイ。
それから最大の疑問だったレディM。まさかここまで出してくるとは思いませんでした。いろんな推測がありましたが、まさかのメガロード1のMだとは。で、あのシルエット。でも「レディ」を名乗ってるのは仕切ってるのはほぼアッチってことですよね。あそこもどうやら相変わらずらしいです。
この辺はまさにマクロスシリーズ40周年記念作品でしたね。最新作が原点に返る、こういうのは大好きです。
つらつらと書いてきましたが、映画としてはとても面白かったです。もうちょっとして心が落ち着いたら前売りの分はいかないと!あとそれはそれとして円盤は絶対に買います!
それでは銀河に女神の祝福を!
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