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■新型コロナ「検査の陽性者」=「感染者」ではない…!PCR検査の本当の意味 ウイルス学研究者の定義する「根本的な感染」は 週刊現代(講談社)2020.09.03 本間真二郎(医師:七合診療所所長)

2022-07-15 07:31:28 | 日記

 

 

■新型コロナ「検査の陽性者」=「感染者」ではない…!PCR検査の本当の意味
ウイルス学研究者の定義する「根本的な感染」は

週刊現代(講談社)2020.09.03 本間真二郎(医師:七合診療所所長)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75285


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・「新規の感染者」とは、じつは単なる検査の陽性者


ここ最近の報道では、新型コロナウイルスの「第2波」とも伝えられる現在の流行に関し、8月下旬、「7月末がピークであり、新規の感染者数はゆるやかに減少している」との専門家の見方が示されています。

厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)の見解です。

その根拠として、「1人の感染者が何人にうつすかを示す実効再生産数は、8月上旬の段階で多くの地域で1を下回っている」ということがあげられ、その結果、「感染は縮小している」との趣旨でした。

たしかに大筋では現在の状況はその見解に近いものにあるとは感じています。

しかし、ウイルスを研究してきたものとして、この見解とその報道の仕方には異論があります。

日本で「第2波」がきている根拠として、「検査の陽性者」を「感染者」としてとらえ、報道されていることがほとんどで、これはとてもとても重大な問題です。

私の結論から申し上げると、「検査の陽性者」=「感染者」ではありません。

報道機関をはじめ、医師や専門家がこのことを指摘しないことはそれ以上に問題といっていいでしょう。

では、そもそも「検査陽性」とはどのような状態かをまず考えてみましょう。

新型コロナウイルス感染症(CОVID-19)では、ほぼすべての国での検査はPCR検査によるものがほとんどですので、ここでは「PCR検査で陽性となった」ことの意味から説明します。


・PCR検査でわかるのは、ウイルスが「いる」か「いないか」だけ


PCR検査での陽性とは、PCR検査で新型コロナウイルスが検出されたことを意味します。

PCR法は何を検出しているのかというと、ウイルス遺伝子(新型コロナウイルスRNA)の断片になります。

ウイルス遺伝子の断片が見つかったということは、「ウイルスが今いる」、あるいは、「少し前にいた痕跡がある」ということになります。

つまり、ウイルスの断片が残っていれば陽性になるということです。そのうえで、ウイルスの状態がどうなのかまでは、わかりません。

ここがポイントです。

PCR検査で確定できないことはいくつもあるのです。

その例を5つ示します。


1=「ウイルスが生きているか」「死んでいるか」もわからない。


ウイルスは「生物」ではないという考え方もあり、正式には「活性がある」との意味ですが、この記事では一般にわかりやすいように「生きている」と表現します。

PCR検査では、ウイルスが生きていなくても、ウイルス遺伝子の一部が残っていれば陽性になります。


2=「ウイルスが細胞に感染しているかどうか」もわからない。


PCR検査では、細胞に感染する前のただ体内に「いる」段階でも陽性になりますし、感染し細胞に侵入したあとのいずれの場合でも陽性になります。


3=「感染した人が発症しているかどうか」もわからない。


PCR検査では、発症していてもしていなくても、ウイルス遺伝子の一部が残っていれば、ウイルスはいることになるので検査は陽性になります。


4=「陽性者が他人に感染させるかどうか」もわからない。


たとえば、体内のウイルスが死んでおり、断片だけが残っている場合は他人に移すことはありません。また、ウイルスが生きていても、その数が少なければ人にうつすことはできません。

通常ウイルスが感染するためには、数百~数万以上のウイルス量が必要になります。しかし、PCR法は遺伝子を数百万~数億倍に増幅して調べる検査法なので、極端な話、体内に1個~数個のウイルスしかいない場合でも陽性になる場合があります。


5=ウイルスが「今、いるのか」「少し前にいた」のかも、わからない。


一度感染すると、ウイルスの断片は鼻咽頭からは1~2週間、便からは1~2か月も検出されることがあります。

これらはあくまで遺伝子の断片です。


・感染とは「生きたウイルス」が細胞内に入ることで、発症とは別


いっぽうで、「ウイルスに感染している」とは、どのような状態かというと、感染しているとは、通常(生きた)ウイルスが細胞内に入ることを意味します。

新型コロナウイルスは多くの場合、気道から感染します。

気道に生きたウイルスがいても、粘膜や粘液、さらにはウイルスを排出する気道細胞のブラシのような異物を排除する作用などが強ければ、排除され感染に至りません。

これらは重要な自然免疫の作用の一つです。

補足すると、自然免疫にはさらに白血球などの細胞が関係する免疫もあります。

また、生きたウイルスが細胞内に入り、「感染」したとしても、その後に症状が出るかどうかはわかりません。

細胞内に侵入しても、細胞の自浄作用などでウイルスの増殖を阻止する場合があります。

また、感染細胞が少ない場合も症状としては出ません。こ

れらの場合は発症しないことになります。

一般には、感染したが症状が出ない場合を「不顕性感染」、感染して症状が出る場合を「顕性感染」といいます。

不顕性感染という言葉はよく使われますが、新型コロナウイルスでは、「ウイルスが気道にいるが感染する前の状態」と「感染してからも症状が出ない状態」の両方を不顕性感染とひとくくりにして使われていると思われます。

理由は、これらの違いを区別できないからです。

不顕性感染では、通常症状が出ないまま(主に自然免疫系の働きで)治っていると考えられます。

通常の感染症の場合、症状が出ない場合は感染しているかどうかわからない訳ですから、病院の受診も検査も薬の服用もしないことになります。


・「発症」とは、症状を認める状態


それに対して、顕性感染は感染し症状を認める状態ですので、通常の感染症の場合、感染とはこの状態を指すことになります。

この状態で病院を受診し検査を受けてはじめて「感染している」といわれるのです。

では、新型コロナウイルス感染症の「発症」とはどのような状態でしょうか。

新型コロナウイルス感染症が発症するとは、「病気として症状を認めること」をいいます。

当然ですが発症している人が、感染した患者さんとなります。

ウイルスに体内の細胞内に侵入(=感染)されてしまうと、隠れてしまったような状態となり、通常、免疫系はウイルスを見つけることができずにウイルスを排除できません。

この感染してから症状を認めるまでの期間を潜伏期といいますが、この間は症状が出ないのです。

症状が出るのは、ウイルスが細胞内で増殖し、感染細胞を破壊するか血液などを介して全身に広がることにより生じます。


・「検査陽性者」を「感染者」とすることが問題になる理由


さて、ここからが、「検査の陽性者」を「感染者」とすることが、なぜ問題になるのかの説明になりますが、まずは、一般的な風邪のケースをあげてみます。

風邪とは、もちろん風邪の原因となるウイルスの感染により起こる病気です。

寒い冬に、素っ裸で布団もかぶらずに寝てしまったら、よほど強靭な人でなければ、間違いなく風邪をひきます。

では、冬に裸で寝たときだけ「偶然に」「運悪く」風邪のウイルスをもらっているのでしょうか? 

そうではなく、風邪のウイルスには、裸で寝ようが普通に寝ようが、私たちは普段から常に接触しているのです。

つまり、常にウイルスは気道上(のどや鼻)に「いる」のです。

しかし、正常な免疫力がある場合には、風邪のウイルスに感染せずに発症もしません。

風邪にかかったのは、冷えなどで免疫力が低下したことによるのです。

つまり、通常の免疫力がある場合は気道にウイルスがいても全く発症しないのです。

もし、ウイルスが「いる」状態(PCR検査陽性)を感染=病気としたら、風邪の場合は国民のほぼ全員が感染している、つまり風邪をひいているということになります。

つまり「検査陽性=ウイルスがいる」ことだけでは「感染といってはいけない」のです。


・ウイルスをもらっても感染しなければ何も問題はない


私たちは身の回りに存在する微生物と常に接触しているわけですから、ウイルスをもらっても(ウイルスがいても)感染しなければ何も問題はありません。

感染しても発症しなければいいのです。

そして、たとえ発症しても、重症化しなければいいのです。

補足ですが、これらを決めているのは、ウイルス自体ではなくウイルスをもらった側の免疫力であることも大切な部分です。

現在の日本では、「検査陽性数」=「感染者数」であり、ときには、「感染者数=発症数=患者数」としてひとくくりにされている場合が見られます。

ここは今こそ明確に区別して伝える段階にあるのではないでしょうか。

ただし誤解のないように申し添えると、私はPCR検査に問題があるといっているわけではありません。

PCR法は一般にはウイルスをもれなく見つける精度はとても高い検査になります。

繰り返しになりますが、遺伝子の一部を数百万倍から数億倍にも増やして検出しますので、理論的にはわずか1個~数個の遺伝子の断片でも検出できます。

しかし、新型コロナウイルスに対してでは、この「もれなく見つけるという能力」が低く、精度は70%ほどと推定されており、せっかくのメリットが生かされていません。

この能力が低い理由は様々なことが考えられますが、大きくはウイルス量が少ないこととウイルスが変異していることの2点になると思います。

にもかかわらず、新型コロナウイルスの検査法ととし、PCR法が世界で共通して行われているのは、他の検査法がないためという点に尽きます。


・陽性者が少ない状態で検査数を増やすと、間違いばかりが多くなる


検査にはある程度の間違いが必ず生じます。

まず、PCR法は、まれに間違えて、他のウイルスを持っている人やウイルスがいない人(陰性)をいる(陽性)と判定してしまうことがあります。

間違いの頻度が少なくても、数が多くなると問題が大きくなります。

とくに陽性者が少ない状態で検査数を増やすと、この間違えて「陰性を陽性」としてしまう数ばかりが多くなってしまうのです。

しかし、これを理由にPCR検査がまったく意味がないということにはなりません。

陽性者が少ない状態で検査を増やすのが問題ですので、本当の陽性者が多いと疑われる集団に限定して検査するのは問題ないのです。

つまり、PCR検査とは、無症状の人を含めて闇雲に検査をするものではなく、医師が診察して(あるいは問診などにより)コロナウイルスの検査が必要だと判断した人(陽性の可能性が高い人)に対して行う検査なのです。

PCR検査は、これらのことを熟知して検査するのであれば、全く問題なくとても有益な検査になります。


・検査に精力を傾けるよりもみずからの暮らし方や食生活を見直す


もう一点、逆の視点から補足すると、「検査陰性」でも絶対に安全とはいえないのが、PCR検査でもあるのです。

ウイルスをもらってすぐ、あるいは細胞に感染してすぐの状態でウイルスが増えていない場合では、結果は陰性になります。

また、検査した後に新たにウイルスをもらっている可能性がありますので、検査が陰性であっても、絶対に安全とはいえません。

安全性を高めるためには、定期的に繰り返しの検査が必要になりますが、それでも絶対にはなりませんし、費用や煩雑さの問題も生じます。

そもそも新型コロナウイルスはそこまでして絶対にいないことを確認する必要があるウイルスではない、と私は考えています。

そこに精力を注ぐよりも、みずからの暮らし方や食生活を見直し、不自然な日常をひとつずつでも自然に沿った暮らし方に改めていくことが、自分自身の免疫力や自然治癒力を高めていくことにつながります。

それこそが、新型コロナを恐れない根本的、かつ、唯一の方法と信じています。


・現在の流行は「感染の第2波」ではなく「第1波のくすぶり」ととらえるべき


最後にもうひとつ、定義があいまいなことは「感染の第2波」です。

いったんは収束しつつあったとされた日本や、ヨーロッパ諸国で現在起きているとされる第2波は「何」を指していっている言葉でしょうか?

私は、全世界208か国のPCR陽性数やPCR検査数、死亡数などのデータを集めています。

詳しい解析結果は私のSNSに紹介していますので、ここでは省きますが、現在の第2波がきているとされる世界のすべての国(16カ国)のデータをまとめると次のようなことが見えてきました。


●流行は必ず収束するが、患者の発生がなくなることはない。私はこれを「くすぶり状態」といっています。


●COVID-19では不顕性感染が多く、検査数が増えると陽性数も増えるため、陽性数だけでは第1波と第2波を単純に比較できない。


●陽性率(陽性者/検査数)を計算すると、全世界のすべての国の解析で第1波の陽性数ともよく相似しており、陽性数よりも流行の実態に近いと考えられる。


●第2波がきているように見えても、陽性率の推移ではほとんどの国(13か国)が第1波後のくすぶりの状態であり、死亡数の増加はみられない。日本もこの中に入る。13か国とは、日本、スロベニア、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、デンマーク、ギリシア、マルタ、スロバキア、スペイン、カンボジア、トニダード・トバゴです。


●本当に第2波がきていると考えられる(陽性率も増加している)のはわずかに3か国だけで、第2波の死亡数が増加しているのは、この3か国のみである。3か国とは、オーストラリア、イスラエル、クロアチアです。


●現在の日本の陽性者数であれば、今後重症者や死亡数が大きく増加する可能性は低いと思われる。

 

現在の日本の現状は、陽性数がかなり増加しているように見えても、陽性率ではほとんど増えておらず、第1波後の「くすぶりの状態」の範囲内というのが私の結論です。

つまり、見かけ上、「第2波」のよう見える今の流行は、本当の第2波ではないと思われます。

 

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新型コロナ「検査の陽性者」=「感染者」ではない…!PCR検査の本当の意味
ウイルス学研究者の定義する「根本的な感染」は
週刊現代(講談社)2020.09.03 本間真二郎(医師:七合診療所所長)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75285

 

 


■新型コロナ感染者数「大幅水増し」疑惑報道は本当か 週刊ダイヤモンド(2020.10.7)岡田幹治

2022-07-15 07:31:08 | 日記

 

■新型コロナ感染者数「大幅水増し」疑惑報道は本当か

週刊ダイヤモンド(2020.10.7)岡田幹治

https://diamond.jp/articles/-/250443


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・英米で相次いで「水増し」報道 日本でも同じ可能性はないのか


新型コロナウイルスの感染者数が大幅に水増しされているとの記事が、先ごろ米英の主要メディアに相次いで掲載された。


「PCR検査で陽性と判定された人のうち、最大90%の人は感染していないと推定される」(ニューヨークタイムズ=NYT、8月29日)

「PCR検査は非常に敏感なので、死んだウイルスでも陽性になる。パンデミック(世界的流行)の規模は過大に評価されている可能性がある」(英国放送協会=BBC、9月5日)


2つの記事はともに、一部の研究者が早くから指摘していた「PCR検査で新型コロナの感染者を判定することの問題点」を指摘している。

米国や英国と同じことが日本でも起きている可能性がある。

 

・PCR検査には限界がある ウイルスの量や増殖ぶりは判定できず


この問題を理解するには、PCR検査とはどんなものか知る必要がある。


PCR(ポリメラーゼ・チェーン・リアクション=ポリメラーゼ連鎖反応)は、ウイルスの遺伝子(DNA=デオキシリボ核酸)を増幅する技術だ(ポリメラーゼはDNAを合成する酵素、連鎖反応は連続した反応の意味)。


PCR検査は、ウイルス感染症の検査やDNA型の鑑定(遺伝子鑑定)などに幅広く使われており、発明した米国の研究者キャリー・マリスは、1993年のノーベル化学賞を受賞している。

この技術を使うと、DNAを無限に増やすことができ、ほんのわずかのサンプル(検体、試料)でもそこから遺伝情報を読み取れるようになる。


具体的なやり方は、「ウイルスの遺伝子を含んだ可能性のあるサンプル」と「遺伝子を合成する酵素」と「2本のプライマー(人工的に合成した遺伝子の断片)」の混合液を、100度近くまで温め、60度くらいまで冷まし、また70度くらいまで温めるというシンプルなものだ。


この作業は1回がほんの数分で済むが、この1サイクルで、1本の遺伝子が2本になる。

自動的に温度を上下させる機械を使ってこの作業を繰り返せば、2サイクルで4本、3サイクルで8本という具合に遺伝子が増え、30サイクルでは約10億本、40サイクルでは約1兆本になる。


新型コロナの場合は、「リアルタイムRT・PCR」という方法が使われる。

ウイルスには、DNA遺伝子を持つウイルスとRNA(リボ核酸)遺伝子を持つウイルスの2種類があり、新型コロナはRNA遺伝子を持っているので、その情報をDNAに写し取る。


そのうえで、新型コロナの遺伝子配列(中国の研究チームが今年2月3日の『ネイチャー』で発表したもの)に基づいて設計されているプライマーと参照し、陽性判定が行われる。

PCR検査では、わかることと、わからないことがある。


わかるのは、サンプル(咽喉で採取した体液や唾液)の中にウイルスの遺伝子(RNA)の断片が存在しているかどうか、だ。

存在していれば陽性、存在が認められなければ陰性になる。


だが「そのウイルスが生きているか、死んでいるか」「ウイルスの量はごく少ないか、それとも大量か」「そのウイルスは咽頭に付着しているだけか、それとも細胞膜を突き破って細胞内に入り、増殖している(感染している)か」などは判定結果ではわからない。

 

・検査の「サイクル数」を増やすと少量のウイルスでも陽性


PCR検査を新型コロナの感染の判定に使うことの問題点を日本で早くから指摘していたのが大橋眞・徳島大学名誉教授だ。


PCR検査ではサイクル数を増やすごとに、より少ないウイルスでも陽性になる。

理論的には、10サイクルだと、ウイルスが1000万個以上ないと陽性にならないが、20サイクルにすれば10万個以上で陽性になる。


30サイクルでは1000個以上で陽性になり、40サイクルになると、わずか10個以上でも陽性になるのだ。

新型コロナの場合、感染して発熱などの症状が出るには少なくとも10万個程度のウイルスが必要だから、感染しているかどうかの判定は20~25サイクルで検査するのが適切だと大橋氏は言う。


ところが、日本の国立感染症研究所のマニュアルが示す「リアルタイムPCR」は45サイクルであり、国内メーカーの3つの検査キットでは40~45サイクルとなっている。

これらを使ったPCR検査では、ウイルスが10個程度存在すれば陽性となるわけだ。


問題はそれだけではない。

PCR検査では遺伝子配列の類似性で判定するので、ここまでサイクル数を増やすと、新型コロナの遺伝子配列に部分的に類似した、病原性のない常在ウイルスが存在していても陽性になる可能性がある。


常在ウイルスは多くの人の体内に存在しているウイルスで、こうした共生ウイルスがいくつもの臓器に多数、存在していることが近年の研究で明らかになっている。

こうした実態を踏まえて大橋氏は、国内でPCR陽性者とされた人のほとんどは、咽頭に10~1000個程度の何らかの遺伝子が付着している状態であり、新型コロナ感染とは断定できないとしている。


20サイクルで検査すれば、陽性者は現在の100分の1程度になるという。

このように説明されると、陽性者の多くが無症状である理由がわかる。


大橋氏によれば、毎日、厚生労働省や自治体で発表されている感染者数は実数をかなり上回った数字であり、本当に必要な対策をとるには正確な感染者数の把握が欠かせないという。

 

・NYT「米国の感染者数のうち最大90%は非感染者」


この問題を取り上げたのが、冒頭に紹介した2つの記事だ。


「検査で陽性でも、本当は違うかもしれない」という見出しのNYTの記事は、次のような内容だ

感染者だけを正しく陽性と判定するには、PCR検査で30サイクル以下にする必要があると研究者は言っているが、米国では37~40サイクルになっている。


この結果、感染者数が実態の何倍にもなっている。

たとえばニューヨーク州のある検査施設で行われたPCR検査では、今年7月、794人が陽性になったが、これは40サイクルで検査した結果だった。


同じ対象者を35サイクルで判定すれば陽性者は約半数に減り、30サイクルにすると約30%になると、内部の専門家が明らかにした。

マサチューセッツ州の検査施設の専門家によれば、40サイクルで陽性になった人の85~90%は、30サイクルでは陰性と判定される。


この記者は何人もの専門家から取材した結果、米国で陽性とされた人たちのうち最大で90%は非感染者だろうと結論づけている。

8月27日の米国の新規感染者は4万5604人と発表されたが、実際に感染しており、隔離されなければならなかったのは恐らく4500人程度だと書いている。


米疾病予防管理センター(CDC)は、サイクル数は検査キットのメーカーや各地の検査施設に任せているとしつつ、サイクル数について基準を作ることを検討中と述べている。

 

・BBC「PCR検査は死んだウイルスも感知」


一方、「新型コロナ:検査は死んだウイルスも検知」という見出しのBBCの記事は、次のような内容だ。


新型コロナの診断に使われているPCR検査は非常に敏感なので、死んだウイルスの破片でも陽性判定が出ることがわかった。

これは英オックスフォード大学EBM(根拠に基づく医療)センターがこの問題についての25の研究のエビデンスを調べた結果、明らかになった。


このことはパンデミックの規模が過大に評価されている可能性を示していると、科学者たちは語っている。

 

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■新型コロナ感染者数「大幅水増し」疑惑報道は本当か
週刊ダイヤモンド(2020.10.7)岡田幹治
https://diamond.jp/articles/-/250443


■世界中で日本だけ「コロナ感染のグラフがおかしい」という不気味 ~絶対的な死者数は少ないのだが…~ PRESIDENT Online(2020/05/07)

2022-07-15 07:30:40 | 日記


■世界中で日本だけ「コロナ感染のグラフがおかしい」という不気味

~絶対的な死者数は少ないのだが…~

PRESIDENT Online(2020/05/07)

https://president.jp/articles/-/35219


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・世界中で日本だけ「コロナ感染のグラフがおかしい」

 

新型コロナウイルスは、海外でも日本でも「感染爆発」と呼ばれた一時期ほどの急拡大は見られなくなってきた。

だが、それでもなお深刻な感染状況が続き、医療が対応しきれないこともあって各国で死者が増えている。


1月に中国・武漢ではじまった新型コロナの感染拡大は、その後、韓国、イラン、イタリアなどと広がり、また、さらに欧州各国や米国などを中心に全世界に拡大してきている。

この4カ月余りを過ぎた時点で、地域によって感染拡大のテンポや規模がどのように違っているかを、世界各国と日本の国内で振り返ってみたい。


感染拡大を表すデータとしては、「累積の感染者数の推移」を折れ線グラフで表すことが多かった。

その後、感染拡大のピークを過ぎたかどうかに焦点が移り、「毎日の新規感染者数の推移」の棒グラフをみる機会が増えている。


本稿では、地域間の比較に重点をおいて、「累積の感染者数の推移」の折れ線グラフ、しかも「対数」でのグラフを使用する。

対数グラフは、データの大きさが大きく異なる系列の比較に適しており、また指数関数的な拡大のテンポを傾きで表現できることから、欧米メディアでは定番になっている。


また欧米メディアでは、グラフの時間軸の起点を「累積感染者数が100人を超えた時点」とするのが通例だ。

これは、感染拡大の時期が大きくずれている中国とイタリア、英国などを比較するうえで適切だからである。

 

・コロナ感染者数・死者数、日本だけ「増加ペース」が一向に落ちない


主要感染国の感染者数推移の対数グラフをまとめたのが図表1だ。

 

Y軸(縦軸)の目盛りが100人、1000人、10000人と10倍ずつ増えていくのが対数グラフの特徴だ。


米国と日本では感染者数の規模は大きく異なっている。グラフの最終日である5月4日時点で米国が118万人に対して日本は1万5000人と100倍違う。

普通のグラフでは米国の推移は追えても、日本の推移はX軸(横軸)に張り付いた横ばいの線にしか見えないだろう。


対数グラフの場合、軌跡線の傾きが直線の場合は、指数関数的な増加、すなわち、ねずみ算式の倍々ゲームで増えていることを示している。

図表中に、参照線として「黒の点線」で、累積感染者数が「1日目100人から始まって、2~3日に2倍のペースで増え、25日目からは1カ月に2倍のペースで増えるようにペースダウンした場合」の軌跡線を描いた。


この参照線より傾きが急であるなら拡大テンポもより高いことを示し、より緩やかなら拡大テンポもより低いことを示す。

こう理解した上で各国の軌跡を追うと、欧米諸国(米国、スペイン、イタリア、ドイツ、フランスなど)では感染拡大と収束へ向かう右方向に折れ曲がる動きが相互に非常に似ており、参照線に近い形で推移していることが分かる。


もちろん、米国は人口規模が3億3000万人と6000万~8000万人の欧州諸国の数倍大きいので感染者数の規模も異なっているが、拡大テンポと収束へ向かう横ばい化傾向はよく似ているのである。

 

・世界で日本だけ「横ばい化」せず、「右肩上がり」の不気味


さらに興味深いのはこうした欧米諸国と東アジア諸国との対照的な推移パターンである。

感染の発生地である中国、そして次に感染が拡大した韓国は、感染100人を超えてからの経過日数別の推移でみると、当初はほぼ欧米諸国と同様の拡大テンポが続いたが、欧米諸国よりかなり早い段階で横ばいに転じている点が目立っている。


中国の人口規模は特段に大きいので人口当たりの感染者数の推移で見れば、感染拡大と収束へ向かうパターンについては中国と韓国は見かけよりもっと似ているということになろう。

一方、これらの海外諸国の推移と全く違うパターンで進んでいるのが日本である。


日本の感染拡大のペースは、これまでのところ、他国のように当初急速に拡大(いわゆるオーバーシュート)、そして一定の日数を経て、伸びが急速に落ちるといったパターンでなく、一貫して、「9日間に2倍ぐらいのテンポ」(図表1のグレーの点線)で増加している。

他国のドラスチックな変化とは明確に異なっているのである。

 


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■世界中で日本だけ「コロナ感染のグラフがおかしい」という不気味
~絶対的な死者数は少ないのだが…~
PRESIDENT Online(2020/05/07)
https://president.jp/articles/-/35219

 

 

 

■PCR検査・抗原検査・抗体検査の違いとは?

済生会「コロナのデータを理解する」2020.09.14 久保園高明(鹿児島病院院長)

https://www.saiseikai.or.jp/feature/covid19/data_q02/


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コロナ禍の報道でよく聞くPCR検査や抗原検査。

しかし何がどう違うのかよく知らないという人も多いはず。

今回は、さまざまな検査の特徴やその仕組み、検査に関する専門用語を分かりやすく解説。

最後に、もし東京都の人口全員を検査するとどうなるのか、シミュレーション結果から分かることをお伝えします。


・いろいろな検査があるけど、何がどう違うの?


新型コロナウイルスの検査には、ウイルスの有無を調べる「PCR検査」「抗原検査」、過去の感染の有無を調べる「抗体検査」の3つがあります。

それぞれの特徴についてみていきましょう。


・コロナウイルスの検査で聞く、『感度』や『特異度』ってなに?


「感度」とは、検査して“正しく陽性(感染している)と分かる割合”です。

真陽性率ともいいます。

例えば100人感染者がいるとして、検査で90人が陽性と分かるならば、感度は90%となります。

「特異度」とは、検査して“正しく陰性(感染していない)と分かる割合”です。

真陰性率ともいいます 。

例えば感染していない人が100人いるとして、検査で98人が陰性と分かるならば、特異度は98%となります。

なお、感染してから何日経過したかや、検体(検査する血液や体液)に含まれるウイルス量によって感度は変わりますが、新型コロナのPCR検査の感度は最高でも70%ほどと考えられています。

特異度はおおよそ99%程度のようです。


・感度や特異度を100%にすることはできないの?


「できない」と考えておいた方がよいでしょう。

感度や特異度は、検査をする材料(検体)の状態 や、陽性と判断する基準値(カットオフ値といいます)によっても変わってきます 。

ごく一部の病気を除いては、感度100%・特異度100%の検査をすることはできないのです。


・感度が70%だとして、残りの30%は?


残りの30%は、本当は感染しているのに陰性となってしまう人の割合です。

これを「偽陰性」といいます。

一方、特異度が99%の場合、1%余ります。

この1%は、本当は感染していないのに陽性となってしまう人の割合です。

これを「偽陽性」といいます。

それでは、ここで問題です。

例えば下記の条件で検査を行なった場合、陽性の的中率(検査の信用度ともいえます)はどれくらいでしょうか? 

計算してみましょう。


・人口:1400万人(おおよそ東京都の人口)
・感度:70%
・特異度:99%
・感染率:人口の0.12%(東京都の10万人当たりの感染者数より仮の感染率を作成)


答えは約7.8%です。

約1.2万人しか感染者を割り出せません。

偽陰性の人も約5,000人出ます。

一方で、約14万人もの人々が偽陽性と判定されてしまうのです。


・本当に検査するべき人だけを検査する理由


この結果から分かることを整理してみましょう。

1.疑わしくない人まで対象に含めて検査人数が多くなると、偽陽性の人数が多くなってしまう(真陽性〈本当に陽性〉の人数よりも多い!)。

2.偽陽性の人数が多くなると、検査の信用度が下がってしまう。

検査を受けて陽性といわれても、その人が本当に陽性である確率が約7.8%だとすれば、はたして検査をする意味があるのか、分からなくなってしまいそうです。


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■PCR検査・抗原検査・抗体検査の違いとは?
済生会「コロナのデータを理解する」2020.09.14 久保園高明(鹿児島病院院長)
https://www.saiseikai.or.jp/feature/covid19/data_q02/