◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

1月11日~1月20日

2025-01-12 01:02:08 | Weblog
1月20日(4名)

小口泰與
ラガー等の雨の中なる顔の艶★★★
短日の狼藉物の鴉なり★★★
雪の熔岩黒き煙を吐きにけり★★★★

廣田洋一
水仙の廻りを掃きて日暮かな★★★★
人気無く水仙だけが並びおり★★★
蠟梅や小雨を浴びて香を放つ★★★

多田有花
大寒や布団に残る身の形★★★
大寒の雀膨れるだけ膨れ★★★★
身の内もどこか伸びやか日脚伸ぶ★★★

桑本栄太郎
大寒といえど眩しき日差しかな★★★
降り止みて路面光りぬ朝しぐれ★★★
まんさくの枯葉を纏い備え居り ★★★


1月19日(名)

小口泰與
よろず枯る中に青竹冬空へ(原句)
「よろず枯る」があるので「冬空」の「冬」がない方が「枯れ」のイメージが強くなります。(髙橋正子)
よろず枯るる中の青竹空へ伸び(正子添削)

あけぼのの鷹の治めし美空かな★★★
凩や如何に世渡る孫二人★★★

多田有花
気が付けばいつも後半一月は★★★
寒の昼Web会議で同窓会★★★
日脚伸ぶともに若き日を語る★★★

廣田洋一
陽の当たる小枝に群れて寒雀★★★★
門前にすっくと立ちて冬薔薇★★★

いつも通る道に沿いたる寒椿(原句)
いつも通る道に沿い咲く寒椿(正子添削)
「沿いたる寒椿」(ただ沿っている寒椿)では、すこしイメージが弱いように思います。鮮やかに咲く花を強調すると句がいきいきするのではないでしょうか。(髙橋正子)

桑本栄太郎
あおぞらに喜びいさむ冬木の芽★★★
日差し浴び歩み伸び居り春隣★★★
くいくいと桜冬芽のあおぞらへ★★★

上島祥子
冬晴れに重ねる声やサッカー子(原句)
冬晴れにサッカーの子ら声重ね(正子添削)

山茶花の花は夕陽に彩を増し★★★★

川を越え山茶花満ちる家の前 
「川を越え」と「家の前」があるので、山茶花がどこにあるのか、位置がわかりにくいです。(髙橋正子)

1月18日(6名)

小口泰與
藁仕事戸の隙間より川の風★★★
枝垂れ木の枝に数多の寒雀★★★
一羽発ち続けて数羽冬木より★★★

弓削和人
雪だるまわが家を見ている小石の目★★★

レースよりわずか雪晴ありがたし
「レース」は、カーテンのレースなのですか。(髙橋正子)

血の通う朝の目覚めに霜の声
「霜の声」は霜の降りた夜の、冷たくさえてしんしんと更けゆく様子を言います。(髙橋正子)

土橋みよ
人来ねど庭は清めて大中寺(原句)
庭清し人来ぬ寒の大中寺(正子添削)
季語がないので、季語を入れました。(髙橋正子)

孫遠しピーナツ包む寒の朝(原句)
遠き孫へピーナツ包む寒の朝(正子添削)
「ピーナツ包む」がなんのために包むのかよくわかりませんので、添削しました。(髙橋正子)

廣田洋一
蠟梅の香り確かめ法の庭(原句)
蠟梅の香り確かに法の庭(正子添削)

左義長や火を掲げたる禰宜来たる★★★★
どんど焼き団子分け合う親子かな★★★

多田有花
湯上りの喉に麗し寒の水★★★
極楽や湯たんぽの待つ布団に入る★★★
歯をクリーニングして待春の夕べ★★★

桑本栄太郎
竹筒の灯かりに祈る阪神忌★★★★
風のなく日差しまぶしく春近し★★★
遠峰のうすく連なる冬かすみ★★★

1月17日(3名)

小口泰與
山風の強き朝や太氷柱★★★
ほうとうを賜わる宿や枯木山★★★
売出しの目玉は鮪十日市★★★

多田有花
松過の日ごと明るくなる光★★★
寒波来る外の蛇口にタオルを巻く★★★
寒波ゆるむほっと一息つく心地★★★★

桑本栄太郎
鐘鳴らししのぶ未明や阪神忌★★★★
山膚を雲影走り春近し★★★
みぞれ止み遥か遠嶺の白きかな★★★

1月16日(4名)

小口泰與
山風の強き朝や太氷柱★★★

ほうとうの賜わる宿や枯木山(原句)
「ほうとうの賜る」の「の」の使い方について。長く俳句を作っていると「の」をつい使ってしまう方が結構おられます。気を付けて使ってください。この句の場合は意味がとれません。(髙橋正子)
ほうとうを賜わる宿や枯木山(正子添削)

売出しの目玉は鮪十日市★★★

多田有花
松納静かな雨が屋根濡らす★★★★
北の山は雲に隠れて寒波急★★★
湯たんぽのぬくもりに触れ眠りおり★★★★

桑本栄太郎
あおぞらの驚くばかり寒晴るる★★★★
雲の間の日差しまぶしく春隣る★★★
黄をきわめ狭庭明るき柚子橙★★★

上島祥子
夜を越して無事を喜ぶ雪だるま★★★★
互選終え大きく息吐く初句会★★★
寒水に浸して榊生き生きと★★★★

1月15日(3名)

小口泰與
早朝の冬山雀の声高き★★★
赤赤と冬日すなおや利根川原★★★★
雪催い赤城ははやも雲の中★★★

廣田洋一
少しずつ膨らみきたり冬芽かな★★★★
桜冬芽赤み増したり並木道★★★
星一つ上に控えて寒の月★★★★

桑本栄太郎
太陽の明るく滲み時雨止む★★★★
いそいそと妻の出掛けやどんど焼き★★★
しぐれ止む遠嶺の白くあらわるる(原句)
俳句の基本としては「切れ」は一か所にします。(髙橋正子)
しぐれ止み遠嶺の白くあらわるる(正子添削①)
しぐれ止む遠嶺の白くあらわれて(正子添削②)

1月14日(3名)

小口泰與
電線に並ぶ雀や冬ざるる★★★
木を叩くコゲラの嘴や森の朝★★★

風花の舞うや鳥声短きや(原句)
風花の舞うや短き鳥の声(正子添削)

廣田洋一
日を浴びて葉牡丹の渦広がりぬ★★★★
日を浴びて白々光る枯野かな★★★
大枯野ランナーたちの駆け抜けて★★★

桑本栄太郎
風なくば日差し明るく冬ぬくし★★★
葉牡丹の渦のむらさき更に濃く★★★
山茶花の紅白混じる垣根かな★★★

1月13日(3名)

小口泰與
しとしとと寒の雨かや朝まだき★★★

蘇る雪の浅間へ朝日かな(原句)
蘇るや雪の浅間へ朝日差し(正子添削)

上州は四方山充つ空っ風 ★★★

廣田洋一
松過ぎて庭の草々刈取りぬ★★★
初夢や巳年の主は現れず★★★
成人の日ミッキーマウスも祝いけり★★★

桑本栄太郎
連休の静寂なりぬ成人日★★★
季(とき)を待つ桜冬芽の並木かな★★★★
風花やみずいろ空の雲の間に★★★

1月12日(1名)

廣田洋一
人日の赤き実たわわ古き家★★★
通行人松の名問いて鳥総松★★★
寒餅や軒に吊るせし昭和の日★★★★

1月11日(3名)

小口泰與
赤城より風騒ぎたつ冬の雷★★★
湖へ竿出す老や冬の凪★★★ 
揺ぎ無き母と居りけり受験の子★★★★

桑本栄太郎
雲の間のみずいろ空や寒晴るる★★★
一木のくぬぎ枯葉を纏うまま★★★★
寒菊のうす紫の小菊かな★★★

弓削和人
白鳥の今年も降りぬ年新た★★★
足跡のうえを踏むなり雪の原★★★
夕暮や氷柱を降りて買い出しに
「氷柱を降りて」の情景がわかりにくいです。(髙橋正子)
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自由な投句箱/1月1日~1月10日/2025年

2025-01-01 18:34:01 | Weblog
※当季雑詠3句(新年・冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。 
    
     🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊
      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
 右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
     名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句

1月10日
★乗鞍の雪嶺青くオリオン座       堀  幹夫(ほり みきお)
1月9日
★雪明かり牛まっくろに立ち止まる    志賀 たいじ(しが たいじ)
1月8日
★歌かるた読みつぎてゆく減らしゆく   橋本 多佳子(はしもと たかこ)
1月7日
★雪すべて降らせて戻る空の青      戸原 琴(とはら こと)🌸
1月6日
★林泉(しま)明るくところどころに石抱く雪 川本 征矢(かわもと せいし)🌸
1月5日
★獅子舞や蜑(あま)が門辺に笛吹ける   水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし)
1月4日
★ねんごろな伝言とどき初句会     中村 汀女(なかむら ていじょ)
1月3日
★誕生日正月三日の眉月に       髙橋 正子(たかはし まさこ)🌸
1月2日
★初明かりしたまひて慈母観音像    川本 臥風(かわもと がふう) 🍁
1月1日
★去年今年貫く棒の如きもの      高浜 虚子(たかはま きょし)

コメント (43)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の秀句/1月1日~1月10日/2025年

2025-01-01 18:32:53 | Weblog
1月10日

※該当句無し

1月9日(2句)

★行きゆきて深雪の山の鳥にあう/小口泰與
雪の山を奥深く進んでゆくと、雪の中の鳥に出会った。雪の中の別世界の鳥に出会った感嘆の気持ち読み取れる。(髙橋正子)

★白菜に刃が入る音のさっぱりと/川名ますみ
白菜のもつ清冽な印象が、さっぱりした音として捉えられている。冬野菜の代表の一つの白菜が野菜としてだけでなく、冬と言う季節のもつ清潔感ともつながっている。(髙橋正子)

1月8日(2句)
★投函の賀状に添いぬ雪の粉/弓削和人
牡丹雪でなくさらさらした粉雪も雪国の雪を想像させる。賀状を投函しようとすると、その間も粉雪が降り込んでくる。投函の様子が生き生きと伝わる。(髙橋正子)

★雪模様紅茶旨しと声になる/上島祥子
雪がいまにも降りそうな寒々とした天気。熱い紅茶を淹れると自分で淹れて自分で思わず「おいしい」と声に出してしまった。寒い時の紅茶のうまさがリアルに伝わってくる。(髙橋正子)

1月7日(1句)

★初日さし湖の昏さを破りけり/弓削和人
初日が射すまでの湖の昏さは、それが北の国であればあるほど、その対比が明らかだと思える。湖の昏さを明るさに変える初日の力強さが「破りけり」に読み取れる。(髙橋正子)

1月6日(1句)

★すずめ等のふつくら並び寒に入る/桑本栄太郎
すずめ等も寒いのだろう。丸く羽を膨らませ、身を寄せ合って並んでいる。寒中にもかかわらず、かわいらしい姿を見せてくれる。(髙橋正子)

1月5日(1句)

★初春の雪の山見ゆ滑走路/多田有花
滑走路は3000mから4000mの距離が必要とされる。そのため広大な土地に設置されているので、見通しはよい。雪山も新年ならば、すがすがしい「初春」の趣である。(髙橋正子)


1月4日(1句)

★水鳥や夕日沈みし山の端へ/小口泰與
この俳句は非常に美しい情景を描いています。夕日が沈みつつある山の端へと、水鳥が飛んでいく様子を詠んでいます。ここで、夕日と山の間に広がる静寂な自然の風景が目に浮かびます。水鳥は自由に飛び回り、その一方で夕日の沈む様子は一日の終わりを象徴しています。詩的で静かな美しさが感じられる作品ですね。(生成AIによるコメント/記事引用髙橋正子)

1月3日(1句)

★何となくきのうと違う初山河/桑本栄太郎
新年が明けてみれば、山河が昨日と違って見える。晴れやかに横たわる山河に、「きのうと違う」ものを感じた。それも言葉で言えない「何となく」なのだ。(髙橋正子)

1月2日(2句)

★降る雪が包む鳴子の年の夜/多田有花
年末から正月にかけて鳴子温泉に宿泊されたようだ。おりしも年の夜、降る雪にすっぽりと包まれた鳴子の情緒が偲ばれる。(髙橋正子)

  地元大原野神社
★神苑の高き木立や淑気満つ/桑本栄太郎
神苑の木立の高さには緊張感があり、それが淑気と感じられる。新年の清々しい気持ちがよく伝わる。(髙橋正子)

1月1日(1句)

★連弾の聞こゆる路地や年はじめ/小口泰與
年のはじめに路地に、連弾のピアノの音が聞こえる。仲むつまじい連弾の音色に心温まる新年となった。(髙橋正子)
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1月1日~1月10日/2025年

2025-01-01 18:30:26 | Weblog
1月10日(2名)

小口泰與
雪もよい洗濯物は三山あり★★★
行く方は常に同じや冬木の芽★★★
ゆくりなく森であいたる二羽の鴛鴦★★★

小口泰與
夕影の欄間へ伸びる冬日かな★★★
夕星や榛名に鳥の帰りける★★★
冬の沼夕映え長く映しける★★★

桑本栄太郎
冬晴れの水色天の被いけり(原句)
「天の」の「の」は「天が」となる主格の「の」です。天が何を被うのか、ということになります。(髙橋正子)
冬晴れの水色天被いけり(正子添削)

降り居れど日差し明るく雪催い★★★
落葉松の枯木となりて青空に★★★

1月9日(5名)

小口泰與
大雪をやり過ごしたる峠かな★★★
冬の虹行き交う子等の顔硬き★★★
行きゆきて深雪の山の鳥にあう★★★★

桑本栄太郎
寒晴れや鉄塔三基嶺の端に★★★
寒風の嶺の端白くなりにけり★★★
あおぞらに伸びる梢の冬芽かな★★★★

廣田洋一
眠らざる黒熊出でし北の町★★★ 
晴れやかに笑顔を見せし初句会★★★
松過ぎのコーヒー喫す朝かな ★★★

川名ますみ
年越や棚の奥まで拭きあげる★★★
猫亡くて猫のくすしの賀状来ぬ★★★
白菜に刃が入る音のさっぱりと★★★★

弓削和人
賀客来てまだ来ぬ明日の話題かな★★★
食積や湖の碧さも詰めたなら★★★
たましいを潤し浸かる初湯かな★★★★

1月8日(6名)
小口泰與
冬の日の沼に差したる光かな★★★
オルガンの寒林の中より聞こゆ★★★
餌求め冬翡翠の行くやらん★★★

多田有花
銀杏落葉鼠小僧の墓に降る★★★
冬の夕あんかけ焼きそばを食す★★★
冬空に聳える櫓太鼓かな★★★

廣田洋一
結びたる俳縁深め去年今年★★★
寿ぎの気分を残し鳥総松★★★
寒餅や罅に覆われ水の中★★★

弓削和人
こぞの息吐ききり今年は新たなり★★★
淑気いま過ぎ去るなかれ朝の湖★★★
投函の賀状に添えし雪の粉(原句)
投函の賀状に添いぬ雪の粉(正子添削)

桑本栄太郎
寒風に骨の錆つき軋み居り★★★
落葉松の枯木となりて青き空★★★
寒晴れや鉄塔三基嶺の端に★★★

上島祥子
傘の花爪先冷えし初仕事
「傘の花」と「爪先冷えし初仕事」の関係がよくわかりません。

雪模様紅茶旨しと声になる★★★★
朱塗り椀箱に収めし四日の朝 ★★★

1月7日(6名)

小口泰與
らんらんと光る三國の雪の嶺★★★
降る雪に身を包まれし山の寺★★★
雪浅間のぞみて祈る朝かな★★★

土橋みよ
坂道を登りし先に大中寺(原句)
季語を入れるほうが、句に広がりがでますので、例えば「新年」の季語をいれました。(髙橋正子)
新年の坂を登れば大中寺(正子添削)

ツキ直しし餅ありがたや大中寺★★★
蝋梅の香に目をつむる大中寺★★★

廣田洋一
凍てし道きらきら光る朝かな★★★
新鮮な野菜を揃え七草粥★★★
ちりちりと破魔矢の鈴とすれ違い(原句)
「ちりちりと」は「すれ違い」に係って(修飾して)いますので、意味として不自然になっています。(髙橋正子)
ちりちり鳴る破魔矢の鈴とすれ違い(正子添削)

多田有花
吉良邸の跡に山茶花咲きにけり★★★
裸木の桜や海舟生誕地★★★
冬晴に粋な墓石回向院★★★

桑本栄太郎
人の日の待合込みて席もなし★★★
みずいろの空どこ迄も寒晴るる★★★
木枯や寄る辺なき世の厳しさに★★★

弓削和人
眠りから醒めてまどろむ去年今年★★★
元日に厚き手袋はめりけり★★★
初日さし湖の昏さを破りけり★★★★

1月6日(3名)

廣田洋一
小吉の籤をひきたる四日かな★★★
甥子らの畏まりたる御慶かな★★★
汚れたる台所拭く六日かな★★★

桑本栄太郎
すすき枯れ中洲占め居り桂川★★★
戸を開けてうそぶくように冬の雨★★★
すずめ等のふつくら並び寒に入る★★★★

多田有花
上空より新春の富士を寿ぎぬ★★★
初富士に続き眼下に南アルプス★★★
迎春の旅路を思う萩の月 ★★★

1月5日(4名)

小口泰與
鴛鴦の二羽にて発つや沼の夕★★★
寒菊へ耐へよと風の当たりけり★★★
雪催いまこと赤城は雲の中★★★

廣田洋一
友来たりこれ幸いと年酒酌む★★★
読初めや一日一句を開きたる★★★
小寒の日はうすうすと散歩道★★★★

多田有花
夜の風に少し傾いで注連飾り★★★★
元日の雪の鳴子を後にする★★★
初春の雪の山見ゆ滑走路★★★★

桑本栄太郎
<京都四条大橋界隈>
鴨川の河畔明るき淑気かな★★★
見渡せば遥か北山冬かすみ★★★
せせらぎに沿いて冬芽や高瀬川★★★★

1月4日(4名)

小口泰與
枝枝へ雪の帽子や朝まだき★★★
山風に落葉連れられ消え去りし★★★
水鳥や夕日沈みし山の端へ★★★★

多田有花
ロビーにもレストランにも鏡餅★★★
栗きんとん黒豆伊達巻ずんだ餅★★★
紅白のテーブルで供す節料理★★★

廣田洋一
年酒酌む母はお燗に大忙し★★★
初夢や大金運ぶ白き蛇★★★
オリオンを見上げる家路凍てつきぬ★★★

桑本栄太郎
駅伝と映画に過ぎる三が日★★★
あはあはと鴉の笑ふ御慶かな★★★
四日はやエンジン噴かす駐車場★★★
 
1月3日(4名)

小口泰與
風も無き群馬の山河三日かな★★★
三日はや孫は上京致しける★★★
上州の地より見ゆるぞ初富士よ★★★

多田有花
去年今年ともに湯にあり健やかに★★★
新年のあいさつ鳴子こけしにも★★★
朝の雪やみて初日がさしにけり★★★

桑本栄太郎
何となくきのうと違う初山河★★★★
ボール蹴る子等公園に初御空★★★
バス降りて家族そろいぬ正月会★★★

弓削和人
大雪は農村一過覆いけり★★★
菜園の灯籠雪におぼろかな★★★
見送りて雪の刹那に暮れにけり★★★

1月2日(4名)
多田有花
年の夜の料理を目にも楽しみぬ★★★
かき揚げを載せて鳴子の年越蕎麦★★★
降る雪が包む鳴子の年の夜★★★★

桑本栄太郎
<地元大原野神社へ初詣>
朱の鳥居拝礼したる初詣★★★
神獣の鹿と云うとや初参★★★
神苑の高き木立や淑気満つ★★★★

上島祥子
シリウスの光は確か去年今年★★★★
定年の挨拶手書きで年男★★★
謹賀新年深夜に送るスマートフォン★★★

弓削和人
すき焼きや箸を短くしてつつき★★★
霜やけや風呂をあたため血は巡り★★★

1月1日(3名)

小口泰與
年かわる時やひと風呂阿鼻にける★★★
連弾の聞こゆる露地や年はじめ★★★★
「露地」は茶庭、あるいは露地栽培と言う場合に使います。「路地」は庭の通路、家と家の狭い路に使います。句意は「路地」に読み取れますが、どちらでしょうか。(髙橋正子)
早きかなああお正月お正月★★★

廣田洋一
ビルの窓燦と光りて初日の出★★★★
白き富士凛然として淑気満つ★★★
老いたれば一つで良しと雑煮餅★★★

多田有花
大晦日北の国への列車に乗る★★★
大歳の駅に降り立てば硫黄の香★★★
除夜に降る雪眺めつつ露天の湯★★★★
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする