◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

5月11日~5月20日

2023-05-14 15:11:11 | Weblog
5月20日(5名)

小口泰與
翡翠や小沼賑わす風の音★★★
鳥飛んで沼を囃すや夏の朝★★★
麦秋や坂東太郎水清ら★★★★

多田有花ほ
子つばめの手すりに止まる朝かな★★★★
新しき講義始める薄暑かな★★★
生垣のピンクの薔薇を切るふたり★★★

廣田洋一
雨浴びてぽとりぽとりとさつきかな★★★
若楓紅き光を零しをり★★★★
屈みけりカメラ構えて捩り花★★★

桑本栄太郎
枝しなり勝どき挙げる山法師★★★
種あまた散らす鋪道や桜の実★★★
こんなにも日射し眩しく片かげり★★★

弓削和人
更衣渚を駆ける白き犬★★★★
茅花流し隆隆とある杉林★★★
新緑の果てのにわかや湖の紺★★★★

5月19日(6名)

友田修
木洩れ日に揺れる葉陰に初夏の風★★★

多摩川の水増す初夏の白き雲(原句)
切れをいれるとよいです。(髙橋正子)
多摩川の水増す初夏や白き雲★★★★(正子添削)

揺れる薔薇ミツバチここぞと潜り込む★★★

小口泰與
他の鳥を頼るほかなし時鳥★★★
薫風や利根源流の魚の数★★★
夏の雨芝の青さの馥郁と★★★

廣田洋一
万緑の風やはらかに古寺の庭★★★
墓の前紅く燃え立つさつきかな★★★★
大銀杏の若葉そよげる九品仏★★★

桑本栄太郎
山法師雨に濡れゐて勝どきを★★★
前梅雨やテールランプの交差点★★★
飛ぶものの姿見せざる緑雨かな★★★

多田有花
群れ咲いてリズムを生みし綾目かな★★★
聖五月聖母マリアの空の色★★★★
夏の風邪保湿ティシュのありがたし★★★

弓削和人
県民の森の牡丹や朱をふくみ★★★
雨上がりサイクリングの新樹晴れ(原句)
雨上りサイクリングに新樹晴れ★★★★(正子添削)
遠山の幽かなりけり夏霞★★★
 
5月18日(3名)

廣田洋一
北へ行き西に飛び行く旅五月★★★
対面の授業始まり五月病★★★
とれたての筍香る無人店★★★

小口泰與
綿雲を頂く浅間利根の初夏★★★
涼しさや利根源流の清清し★★★★
鳥鳴くや利根の流れの初夏の色★★★

桑本栄太郎
パソコンのトラブル回避若葉晴れ★★★
午後よりは曇り筍流しかな★★★
木の陰に隠れあの娘に草矢打つ★★★

5月17日(3名)

小口泰與
頬白や庭の芝生をつんつんと★★★
山雀の手の餌にすいと森の径★★★★
川蝉の狙い定める梢かな★★★

廣田洋一
捩花何に拗ねたか青き空★★★
捩花や蜂も捩れて飛びにけり★★★
神田祭鮨を奢れる昼餉かな★★★★

桑本栄太郎
ほほえみて葵祭りの両陛下★★★
若竹の万歳したる薮の空★★★
真夏日の枝の輝く入日かな★★★

5月16日(4名)

小口泰與
滔滔と坂東太郎田植えにて★★★★
川蝉の魚咥え出づ水鏡★★★
ばら咲くや庭の木木のふっくらと★★★

廣田洋一
天を突く銀杏並木の若葉かな★★★
一畝の丸く太りて莢豌豆★★★★
実桜や川の流れに逆らはず★★★

桑本栄太郎
みどりさす窓の明かりに推敲す★★★
新緑や妻の出掛けは大丸へ★★★★
真夏日の更に明るく庭の木々★★★

弓削和人
夏風に森の静けさ増しにけり★★★
水鳥のつがい遠しや夏きざし★★★★
夏の湖憩う露天の味噌たんぽ★★★

5月15日(4名)

小口泰與
新緑に包まる沼や鳥の声★★★
躑躅咲くけふの小沼の水鏡★★★
初夏の沼水輪つくるる鯉の口★★★★

廣田洋一
松落葉色鮮やかに潦★★★
傘傾げ牡丹ひらけり池の風★★★
新緑に沸き立つ声や鴉かな★★★

桑本栄太郎
半開のバス窓茅花流し吹く★★★★
水滴の窓に卯の花腐しかな★★★
雨あがりつとに明るくみどりさす★★★

弓削和人
白亜なるホテルや山の夏霞★★★★
ふと寄りて山女魚を焼くる湖の茶屋★★★
せせらぎて澄みし浅瀬の浮葉かな★★★

5月14日(5名)

小口泰與
三艘の手漕ぎボートや初夏の風★★★
雨の中若葉かがやく楓かな★★★★
川蝉や水面を割りて飛翔せる★★★

多田有花
<平成中村座姫路城公演三句>
はつ夏の白鷺城に初歌舞伎★★★
天清和するする曳かる定式幕★★★
終幕は五月の城を借景に★★★★

友田修
切株に苔むす春の日差しかな(原句)
「春の日差しが切株に苔むす」の意味になっています。「苔むす」のは、「切株」ではないでしょうか。(髙橋正子)
苔むせし切株春の日差し受け(添削例)

春の宵人もまばらな増上寺★★★
春の日に歴史を辿る浜離宮★★★

桑本栄太郎
母の日の母はなけれど母偲ぶ★★★
峰上の雨雲竹の子流しかな★★★
雨止めば風の出でをり青嵐★★★

廣田洋一
母の日や苦労の程を思ひ知る★★★
若葉雨すぐに止みたる散歩道★★★
白き帯棚引きたるや花水木★★★

5月13日(5名)

廣田洋一
噴水やしぶきを浴びる図書館前★★★
母の日や亡母の年にまだ足らず★★★
良き風の墓原に満ち若楓(原句)
「満ち」の切れが少し弱い感じです。「若楓」を活かすために添削例をあげました。(髙橋正子)
墓原に良き風満つや若楓(添削例)

小口泰與
炎帝や醜草はやも反り返る★★★
夏浅き川の流れの穏やかに★★★
雨後の庭若葉かがやく木木の色★★★

多田有花
柿若葉朝餉の匂い流れ来る★★★
夏つばめ甍の上を飛び渡る★★★★
初夏の朝自転車でゆくセーラー服★★★★

桑本栄太郎
花袋忌のそろそろ欲しき夏ぶとん★★★★
午後からの茅花流しや雨予報★★★
新緑の庭木かんばし午後の雨★★★

弓削和人
更衣腕さすりたる降車かな(原句)
降車して腕寒かりき更衣★★★★(正子添削)

余花の朱に映えたる水面朝の湖★★★
母の日を忘れむばかり笑う母★★★

5月12日(4名)

廣田洋一
公園の坂道辿り新樹光★★★
新樹光女子高生の二人連れ★★★★
竹林に声響かせてほととぎす★★★

小口泰與
川蝉の水音高し吾子の顔★★★
醜草の反り返りける露涼し★★★
夏の色なり大利根の水のごと★★★

桑本栄太郎
リハビリの身の上話し若葉寒む★★★
薫風の蛇腹カーテン隙間より★★★
女子会の昼餉手抜きや若葉晴れ★★★

川名ますみ
春きゃべつリズム明かにざく切りす★★★
ざく切りのリズム弾ける春きゃべつ★★★★
車椅子速めに走り五月来る(原句)
五月来ぬ速めに走る車椅子★★★★(正子添削)

5月11日(5名)

小口泰與
渓流の流れ素直や初夏の色★★★★
夏川を魚遡上せり魚籠は空★★★
夏川や浅間の煙流れ行く★★★

多田有花
快晴の五月の川は翡翠色★★★
紅薔薇やすでに木陰の慕わしく★★★★
葉の下に苺熟れゆくひとつひとつ★★★

桑本栄太郎
緑蔭の天の高きや青き空★★★
歩みゆく程に匂いぬ栗の花★★★
夏日とていつか入日や嶺の奥★★★★

廣田洋一
昼食はビーフカレーの薄暑かな★★★
雨に濡れ色鮮やかに松落葉★★★★
癌一つ寛解となり風薫る★★★★

弓削和人
待ち合わせ揺るる紫苑の昼下がり
物干しの竿の影なる花茨
夏めくや動物園の園の帽
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2 コメント

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御礼 (廣田洋一)
2023-05-16 10:12:10
高橋正子先生
いつも懇切にご指導いただき有難うございます。
5月13日の「良き風の墓原に満ち若楓」を「墓原に良き風満つや若楓」と添削して頂き有難う御座います。
原句の報告文っぽさが無くなりました。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
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御礼 (友田修)
2023-05-19 12:08:52
「切株に苔むす春の日差しかな」
の添削ありがとうございます。意味のつながり等しっかり考えるという基本ができていませんでした。反省です。切株に苔がむし、そこに春の日差しがある様をそのまま記したつもりでした。仮に、「切株に苔むし春の日差しかな」としてみてはとも思いました。意味的には通じるとは思いますが、俳句としてどうかはわかりません。今後とも勉強いたしますのでよろしくご指導のほどお願いいたします。
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