臨時国会を閉じた途端、防衛費の話題が急浮上、連日その財源を巡ってあーでもないこーでもないと、国民そっちのけで、与党内で議論が沸騰しています。


そんな高市氏が今回のキッシーが打ち出した防衛費の財源としての増税に対して、一閣僚として異を唱えたことには、少し驚いた反面、そうだよな、キッシーは何を血迷ったのかあまりに性急過ぎだよ。と高市氏の一連の発言は評価しています。
旧統一教会問題で大人しくしていたかと思ったらすぐこれですからね。呆れてものも言えません。
ウクライナ情勢やミサイル発射を繰り返す北朝鮮、台湾有事など、厳しい日本の安全保障環境を見れば、防衛費の増額はある程度やむを得ないとは思いますが、それにしても即増税論議とは。なんだかな~
そんな折、キッシーこと岸田内閣の高市早苗経済安全保障担当大臣が今回のキッシーが打ち出した防衛費の財源としての増税に対して、「増税することに理解できない」また「閣僚も国家安全保障政略の全文を見せて貰えず、内容不明のまま財源論を聞いたので、唐突に感じた」などとツイッターで投稿しました。罷免は覚悟の上だそうです。
昨年の自民党総裁選では、キッシーこと岸田首相と争いましたが、その後自民党政調会長、そして改造閣内に取り込まれしまい。加えて後ろだてだった故安倍元総理を失い一時傷心していたとも言われていました。
今回の一連の異例ともいえる一連の発言を聞き、サナエの乱勃発かと一瞬思いました。だったら良しなのですが。

それはともかく、昨年9月に行われた自由民主党総裁選挙の候補者の一人で現・岸田内閣の経済安全保障担当大臣の高市早苗氏の著書『美しく、強く、成長する国へ。ー「私の経済強靭化計画」―』(kindle版)を改めて読み返しました。
序章の見出しは「日本よ、美しく、強く、成長する国であれ!」。
著者の高市早苗氏は、昭和36年3月7日、奈良県のメーカー勤務の父親と奈良県警勤務の母親の、ごく平凡な共働きの家庭で生まれた、と言う生い立ちから始まり、現在の日本が直面する様々なリスクや課題に持論を展開していきます。
第一章で著書の副題にある「私の『日本経済強靭化計画』とはー「サナエノミクス」の提案」として、
私は、国の究極の使命は、「国民の皆様の生命と財産を守ること」「領土・領海・領空・資源を守り抜くこと」「国家の主権と名誉を守り抜くこと」だと考えている。
この著者の国家観に関する記述は、昨年9月8日の総裁選出馬会見の冒頭での発言そのままで、前回の衆議院選挙期間中の応援演説でもよく使っていらっしゃいました。著者は、自らPCを駆使して、この本をお書きになったそうです。まだ原稿がPCに残っていたのでいつもこのフレーズを使っていたそうです。
そして、著者の高市氏がこの本で提案する『日本経済強靭化計画』を総裁選出馬会見では「サナエノミクス」と称していましたが、そのように称すると、ご本人的には、間抜けな響きで少し残念だそうです。基本路線は『ニュー・アベノミクス」。
第一の矢は「金融緩和」、第二の矢は「機動的な財政出動」、そして第三の矢は「大胆な危機管理投資・成長戦略」とし、これらを総動員して物価安定目標であるインフレ率2%の達成を目指す、そしてこのインフレ率2%を達成まで、時限的に「PB(ブライマリー・バランス=基礎的財政収支)黒字化目標」は凍結すると書いています。
なお、「アベノミクス」については、肝心の安倍元総理が亡くなった今は過去の歴史の言葉になってしまいました。
その、第三の矢「危機管理投資」「成長投資」について、
「危機管理投資」とは、
自然災害や疾病、サイバー攻撃や機微技術流出を含む経済安全保障上の課題、テロ、国防上の脅威など様々な「リスクの最小化」に資する研究開発の強化、人材育成、安全と安心を担保できる製品・サービスの開発や社会実装、重要物資の調達などに資する財政出動や税制措置を行うことだ。
また、「成長投資」とは、
日本に強みがある技術分野を更に強化し、新分野も含めて、研究成果の有効活用国際競争力の強化に向けた戦略的支援を行うことだ。
とそれぞれを定義し優先して取り組むとしています。
その他にも感染症対策、外交・安全保障、サイバーセキュリティの問題、電力エネルギー政策そして憲法改正まで幅広いジャンルでの課題にも、言及されています。
また、著者高市氏自身、総務大臣の時、介護が必要な方への「ゴミ出し支援」の特別交付税新設、豪雪地帯での「高齢者等の雪下ろし支援」の特別交付税新設、更に「防災行政無線の個別受信機の普及」など、地方が抱える様々な課題にも生活者の視点から挑戦し、実現した経験を生かし、さらなる対策強化を訴えています。
衆議院選挙が始まると、自民党政調会長として応援演説の弁士として引っ張りだこでした。地上波のテレビ局は一切報じませんでしたが、youtubeには、全国各地での応援演説風景があがっていたのでよく見ました。
それにしても、本当に弁の立つ方で、各候補者ごとに話題を変え、この本に書かれた内容を上手く織り込んで演説されていました。応援した候補者の多くが当選したのではないでしょうか。
そして、この本で、今の日本には知らなかった多くの課題があることがわかりました。
高市氏は、総裁選出馬当初は、タカ派だ右翼だなどと一部のメディアからレッテルを貼られていましたが、この本を読む限り、様々な分野のことをよく勉強されていて、極々普通の、寧ろ極めて真っ当な政治家だと思います。
そして、今まで知らなかった高市早苗という政治家を知り、この人は、近い将来、日本のリーダーになるかもしれないなぁ、と、そんな期待も感じていました。

そんな高市氏が今回のキッシーが打ち出した防衛費の財源としての増税に対して、一閣僚として異を唱えたことには、少し驚いた反面、そうだよな、キッシーは何を血迷ったのかあまりに性急過ぎだよ。と高市氏の一連の発言は評価しています。
その後、岸田首相と直接会談し、一応納得はしたようですが、「大臣の罷免も止むなし」と言っていますので、どうなるか注目です。罷免は無いかもしれませんが、次の内閣改造では外されるのは間違いありません。
だとすれば、思いきって新たな保守新党でも創るのもありかもしれません。旧統一教会と無関係で、金にきれいな政治家(いないかなぁ)と一緒に閉塞した日本を何とかして欲しいですね。応援しますよ。
なお、高市早苗氏の尊敬する人物は、あの鉄の女と呼ばれたマーガレット・サッチャー元英国首相だそうです。なので、翁は、以後、高市氏をサナッチーと呼ぶことにします。
いつもの翁の戯言です。ご放念ください。
終わり
ご参考に