解剖学ノート

解剖学ノートのミニコミ版

国試基本   下肢の関節 

2016-03-07 20:23:56 | 解剖学ノート全編集版「筋骨編」

 股関節の学習

※※大腿骨頭靭帯(関節内靭帯で触知・目視ともに不能)

股関節は大腿骨頭の球状に近い円形がその球状に大きさ

 に対応した容積を整えた寛骨臼との2者によって構築され

 ている。大腿骨頭は寛骨臼の深部にはまり込むため 周囲の

 血管からの栄養補給だけでは賄いきれず、大腿骨頭靭帯は

 それを補うため寛骨臼の下縁を走行する閉鎖動脈の枝を導

 し、骨頭への血行路を作っている。

※※大腿骨頭窩とは--

 *大腿骨頭の最上部に小さな窪みがありこの地点(寛骨臼)

  を起始部した靭帯を大腿骨頭靭帯と呼ぶ。極度の伸展等

  でも骨頭関節窩から脱落せず固定が保持される。

  同じ球関節でも肩関節とは、はるかに異なる形状を整え

  た、この関節は強靭に構築されている。

※②腸骨大腿靭帯

 股関節の関節包の表面で腸骨と大腿骨との間に張る靭帯で

 股関節の前方、と上部を補強する靭帯で靭帯線維がY状に

 張り合わされている為この名称がある。

※③恥骨大腿靭帯

 股関節関節包の表面を覆う靭帯で位置としては下部を補強

 する靭帯である。

※④坐骨大腿靭帯

 当該の関節包の表面に張る靭帯で坐骨と大腿骨間に張って

 いて股関節の直下を補強する。

※骨膜の骨学的意義

  骨膜は不意の骨折時の修復要素の役割を担い緊急対

  応前の骨膜の存在はその意義が大きい。

  成人、高齢者ては大腿骨頭の血管退化は避けがたく

  大腿頸部の骨折では骨頭壊死を招きやすい。

※膝関節

 膝関節は大腿の下端にある外側顆、内側顆と脛骨上縁

 の内側顆・外側顆がそれぞれ対峙して構築されている。

 機能的には蝶番関節的要素のある顆状関節との2者を

 合同したような関節とも言われる。

※膝蓋骨---大腿骨下端の前部に位置し膝関節関節面と

      協同するように内面(関節面)は凸部は無く

      滑走に対応した形状になっている。

 


 

膝関節の靭帯

※膝十字靭帯---脛骨上面の顆間隆起と大腿骨の間に張る

       靭帯が2本あり前十字靭帯後十字靭帯

       からなり、関節の不意の動揺を防いで

       膝関節の安定に寄与する。

※内側側副靭帯-大腿骨内側上顆と脛骨の内側縁を保護す

       る靭帯で膝関包が肥厚して発達した靭帯

       で、膝関節の安定に作用する。 

※外側側副靭帯-大腿骨外側上顆と腓骨頭との間に張る靭帯で

      目視が可能で膝関節の後外側で触知もできる。

      この靭帯は性状が本来の靭帯で内側側副靭帯

      のそれと成り立ちが違うため整形外科的な臨

      床例も少ない。

※膝蓋靭帯--この腱は大腿4頭筋の停止腱の一部で膝蓋骨

     と脛骨の間を結ぶ靭帯で膝蓋骨の安定で膝に関

     連する安定の一部を担っている。

※膝蓋下脂肪体--膝関節腔の中に滑膜に被膜された脂肪体

        が骨と骨の間を満たしている。

 


 

 

 

    

 

 

 

    

 


国試基本   自由下肢「大腿骨から足部まで」

2016-03-07 17:07:36 | 解剖学ノート全編集版「筋骨編」

由下肢の構成

大腿骨、膝蓋骨、脛骨、腓骨、足根骨、

 趾骨、

※以上--からまでの骨によって構成。

※大腿骨、

大腿骨は人体で単独では最長、最大の管状骨である。

最上部の 球状の部分が大腿骨頭で股関節の寛骨臼との

 間に股関節を形成する。

③大転子と骨頭間を大腿頸と呼称し骨折好発部位でもある。

大転子と小転子の間には前側が転子間線と呼ぶ小結節が

  あり、後側が隆起のやや大きい転子間稜がある。

⑤転子間稜の下方には大殿筋が停止する殿筋粗面がある。

⑥骨幹は大腿骨体とよばれ、かなり円形を呈した管状である。

⑦大腿骨の後面を観察すると中央部に粗い小さい粗面を縦

 長に展開する。この線を大腿骨粗線と呼ぶ。

⑧この粗線をよく観察すると縦軸に内側と外側に筋の停止

 部が確認できる。内側を内側唇外側を外側唇 と呼ぶ。 

⑨大腿骨の下端は関節構成部が大きく肥厚して左右に突出

 した部分を内側を内側上顆外側を外側上顆とよぶ。

⑩外側上顆、外側上顆は膝関節の形を整えてているが両者

 の下端が外側顆と内側顆をつくり、この2者が脛骨上面

 の関節面とで関節し、膝蓋骨を動員して膝関節を完成

 せている。

※※脛骨と腓骨の学習

⑪脛骨の下端は内果が隆起して「内くるぶし」を作る。

⑫腓骨は脛骨の外側に位置し上端は脛腓靭帯を介して脛腓

 関節をつくり、下端は脛骨との間に下脛腓関節をつくる。

⑬腓骨の太さは脛骨と比較するとかなり細くなるが、腓骨

 は前脛骨筋、長腓骨筋などの走行によって触知は可能

 が目視は不能に近い。(足部の背屈で目視・触知可能)

⑭腓骨、脛骨2者の下端は足根骨との関節(距腿関節)を形

 成し力学的には全体重から足部の重量を差し引いたほぼ

 体重に近い負荷重力を負おうことになる。


足の骨

※脛骨と腓骨、それに距骨の3骨が足関節(距腿関節)を保持 

 し、この関節から先の骨の構築は距腿関節から伝導する重

 力は踵骨また他の足根骨や趾骨に分散させていて、歩行や

 走行、跳躍、を基本に多種多様な歩行態勢を瞬時の決断に

 基ずき行わせている。

足根骨

踵骨、距骨、舟状骨、内側楔状骨、中間楔状骨,

 外側楔状骨、立方骨。合計7個。

※※距骨と距腿関節

 距骨の最上面の距骨滑車は脛骨と腓骨の最下端の関節面と

 で距腿関節を構築するが距舟関節、踵骨との距踵関節など

 複雑に足根骨間関節が交差している。

 ※※足根骨の近位骨は---距骨と踵骨の2骨である。

 ※※足根骨の遠位骨は---①舟状骨、②内側楔状骨、③中

          間楔状骨、④外側楔状骨、⑤立方骨。


 

※※足の趾骨、

 中足骨5本、基節骨5本、中節骨4本、末節骨5本。

※※趾骨1本全体の観察とそれぞれの呼称。

 ①近位端は「」・中間は「」遠位端は〔〕とよぶ。


 

 


国試基本  骨学「下肢の骨」

2016-03-07 15:12:38 | 解剖学ノート全編集版「筋骨編」

※下肢帯の構成

①下肢または下肢帯の骨は股関節を介して下肢帯が

 下肢と連結している。

股関節より上の領域を下肢帯と呼称される。

股関節より下部を自由下肢と呼ぶ。

④片側8種、31個の骨で成り立っている。

⑤下肢帯は--寛骨1個

⑥自由下肢--大腿骨-1個、膝蓋骨-1個、脛骨-1個

 腓骨-1個、足根骨-7個、中足骨-5個、足趾-14個

寛骨の学習

※寛骨は人体中最も大きい扁平骨で骨盤の左右を形成し

 思春期までは腸骨、坐骨、恥骨は軟骨で境界(分界)を

 もって分かれているが成人に達する頃にY字軟骨が骨

 して軟骨結合が完成する。


 

① 腸骨

成長で骨化が完了した寛骨の最上部の かなりの面積を

有し形状は扇状である。

※腸骨窩--腸骨前側の多くの部分を占めている。

※腸骨稜--腸骨の最上部で外側縁をなし、体表からも目

 視でき、計測線としても重要である。

※上前腸骨棘--腸骨稜の最前端で計測点として重要項目

※上後腸骨棘--腸骨稜の最後部の端にあり計測点で重要。


坐骨の学習

 坐骨は

※寛骨上部が腸骨が占めていて全体から観察すると寛骨

 下部にL字型で位置する。

※坐骨結節は寛骨全体でみると最も低位に位置し人類が

 座位をとる場合はこの坐骨結節が最も床に接地する。

坐骨結節の上部には坐骨を形成する大小の坐骨切痕が

 くねった曲線を呈していて、最も後方に突出している

 箇所が※※坐骨棘である。さらに近くにある仙骨、尾

 骨との間に仙棘靭帯を張り、仙結節靭帯と共に大坐骨

 孔、小坐骨孔を形成する。


 

恥骨の学習

※恥骨は寛骨全体から位置的な説明をすると前方の下部

 となる。性器を恥骨結合の前方と規定すると恥骨結合

 の両翼が恥骨上枝となり、恥骨結合の左右を下方に枝

 を伸ばした部位が恥骨下枝となる。

 上前腸骨棘との関連では鼠径靭帯が同側の恥骨結合の

 周辺に停止している。


 骨盤の学習「骨盤の形成と機能」

※骨盤は①左右の寛骨と仙骨・尾骨で構成される。

※前方では左右の寛骨は恥骨同士が恥骨結合して形成。

※後部では仙骨の耳状面と腸骨の耳状面が関節して

 腸関節を構成する。

骨盤仙腸関節のほか仙腸靭帯、仙棘靭帯、仙結節

 靭帯などで強靭に連結している。


 ※①骨盤上口の前後径は恥骨上縁から岬角までの計測値。

※②産科結合線--岬角から恥骨の内縁まで計測値。

※③対角結合線--岬角から恥骨下縁までの計測値。

※④骨盤前後径--骨盤下口の前後径

※ステッドマン医学大辞典、解剖学ノート編集委員会資料


 

 

 


国試基本  骨格系--骨の性状

2016-03-07 09:27:17 | 解剖学ノート全編集版「筋骨編」

※頭蓋骨、

※全身の骨数--210個---205個、(平均数 206個)とされる。

※骨の分類---長骨、短骨、扁平骨、含気骨、不規則骨

 の5種類である。以下に解説。

①長骨には次の名称を持つ骨がある。

 ※イ--大腿骨、ロ--脛骨、 ハ--腓骨、二--上腕骨、ホ--尺骨

  ホ--橈骨

②短骨は次の名称をもつ。+9

 ※イ--手根骨、ロ--足根骨

③扁平骨にはつぎの骨があげられる。

 ※頭蓋冠を構成する--イ--前頭骨、ロ--後頭骨 ハ--側頭骨

           二--頭頂骨、ホ--胸骨、へ--肩甲骨

           ト--腸骨、 チ--肋骨。など

④含気骨には次の骨が分類される。(骨自体が空気を蓄える)

 ※--前頭骨、--上顎骨、ハ--篩骨、--蝶形骨など

 ※上顎洞は上顎体の中の最大の副鼻腔とされる。

⑤不規則骨--形状が個々に全く異なる為にここに分類される。

 ※イ--椎骨、ロ--上顎骨、ハ--顔面頭蓋、二--下顎骨

   ホ--頬骨

⑥種子骨--膝関節を構成する膝蓋骨は種子骨の代表的

 骨である。


 

骨連結の学習

※骨単独の1個では機能は全くゼロであるが他の骨の連結を

 成立させて初めてその機能を発揮できる。

 

 骨結合の様に結合状態で個体をなし生理的機能を果たす骨

 以外は骨の連結部で屈伸、回外、回内、回旋などを行なえ

 るのが骨連結の正常な機能といえる。


 

線維性連結

①※靭帯結合--強靭な線維性結合組織による結合で広く膜状

  を呈した結合には*脛腓靭帯結合と前腕骨間膜がある。

②※縫合--板状、一部冠状の骨間の結合で多くの膠原線維束

  が対面する骨の結合を保持させる。

③※釘植--歯根の表面と歯槽骨との連結では結合組織性の歯

  根膜2者の結合を完成させる。


 

軟骨性の結合

軟骨結合--硝子軟骨によって結合を整えているが寛骨の結

 合が成長期には必ずあり、思春期以降に終了する。

線維性軟骨結合

※恥骨結合と脊柱の椎体間結合は密性結合組織の中に軟骨質

 が混合する線維軟骨で構成されている。

滑膜性の連結

※通常よく観察できる関節のことで①関節窩と②関節頭を有

 する2つの骨が所定の位置に収まり滑膜を緩衝として利用し

 あいながら骨の連結を営む。

※※滑膜とは--関節腔の内面に沿って存在する結合組織性の

  構造を持つ強靭な膜で骨の内面を広く覆っている。

※※滑液はこの結合組織膜で産生され泌度に対応して分泌さ

  れる。


 

関節の学習

※人間が運動する場合の大部分は1個、または2個以上の関節

 の作動により収縮や伸展を行い筋活動を行っている。

 また、多くの骨が必ず骨頭(関節凸部)と関節窩[関節凹部]を

 もち作動させる目的に沿って関節活動を営んでいる

※蝶番関節または車軸関節

 上記2つの関節は骨が特定の1軸のみを動かす1軸性関節

 である。

※楕円関節の様に直に交わる2軸を持つて関節運動を営む。

※多軸性関節は球関節の様に運動軸か3軸以上ある関節さす。

半関節は仙腸関節の様に可動性はほとんどない関節を指す。


 

 関節の種類

※球関節--球関節には肩関節、股関節の2点があるが

 肩関節の性状は凹部が浅い構造になっているが肩関節

 の方で凸部は大きな球状で可動性を重視した作りを呈

 ている。の股関節は凹部は極めて深く大腿骨頭の大半

 が関節窩にはまり込む性状で強靭な関節であるが動性

 は肩関節に及ばない


 

※蝶番関節

関節の性状として蝶番の形を作っていて1軸のみを軸に作動

する構造になっている。

※※腕尺関節や指骨と指骨を連結する指節間関節が相当する。

※※平面関節--椎骨の様に関節面に窩と頭を持たない平面

       あって関節運動は横滑りに椎間板が対応して

       て強弱を吸収し連結に関与する靭帯によって

       平衡を保持している。

※※鞍関節----互いに対向する面が馬の背上にある鞍に例えて

       この呼称がある。2軸のみの運動が特性である。

※※顆状関節--他の関節と異なって関節窩が浅く、関節頭と並

       ぶように位置し、靭帯はこの関節の運動を強く

       制限している。

※※車軸関節--上橈尺関節がこの例に適合する関節で回転軸が

       橈骨頭で関節窩は尺骨体上部に移動性を確保

       れた面積を有している。

※※楕円関節--関節頭が楕円形を呈していて長軸と短軸を回転

       軸とする2軸性で回旋は出来ない。

      ※参考文献 ステッドマン医学大辞典、資料-解剖学ノート編集委員会蔵