※ 胸 郭
胸郭は主に心臓と肺を収納する籠型をした骨格で①胸椎、②肋骨、
③胸骨、の3部の骨で構成されてされている。
イ、胸椎--12個、 肋骨--12対、胸骨--1個である。
胸骨の学習
胸骨は3部分の骨で成立している扁平な骨の総称でである。
①胸骨柄と呼ばれ部分で最上部に位置し、結んだネクタイに例えると
逆三角の上部に当たり、その頂点がV字の切れ込みがある。この切
れ込みを頸切痕(1個ある)と呼ぶ。
②結んだネクタイの両脇にあたる部分が鎖骨切痕で左右の鎖骨と関
節して胸鎖関節 を営む。
③次に②の胸鎖関節の直下には第一肋骨切痕があり、第1胸肋関節
が構築される。
④胸骨柄下端と胸骨体上部が結んだ線を胸骨角と呼び第2肋骨の肋
軟骨が付着する形でついている。
⑤体表の計測では第1肋骨は鎖骨の下に潜り込んでいるため最初に
触知が可能なのは第2肋骨で胸骨よりで触知できる、触手の先に
微かに触れるのが第1肋骨である。さらに胸骨上端の外側に目視
できる隆起した骨が鎖骨で触知では太く感じる。
⑥胸骨体の両脇には第2肋骨から第7肋骨までの6個の肋骨切痕が
用意されている。2から順に7までの胸肋関節である。(軟骨付着)
⑦剣状突起の下端は白線が直に付着し、また腹直筋の1部も停止
している。この部位は「みぞおち」ともよび急所でもある。
肋骨の観察
①細長く弓を強く引いて彎曲した形状を示した骨が肋骨である。
②形状的には前端の胸骨と関節する胸肋関節側が先端となる。
③後端は肋骨頭関節側でこちらの関節は胸椎と関節するイ--肋骨
頭関節と肋骨結節が関節する、ロ--横突肋骨関節の2基の関節
を営み、吸気と呼気による胸郭 の膨張、収縮に対応する独特な
関節構造を有している。さらに努力吸気と努力呼気の必要性に
直面した際にはその機能が高まる。
※11肋骨と12肋骨はともに浮遊肋骨で胸骨側の関節は無い。
※肋骨弓--左右の第7肋骨から第10肋骨の肋軟骨が合同でつくる
下縁のつながりで左右で均等な弓型を呈す。
※胸骨角--左右の肋骨弓の三角形の角度(平均値70゜から80゜)
※肋骨溝--肋骨の臓側に目視できる溝がある。(肋間神経・肋間
動脈・肋間静脈が走行する。)
※第1肋骨の構造
①第1肋骨第太く強く湾曲する胸郭上部には前斜角筋結節があり
その結節部に前斜角筋が停止する。
②その結節が広くなった部位に同じく中斜角筋が停止している。
③斜角筋隙とは--上記の2筋が並ぶように停止している為その
間隙を指すが臨床的には重要な部所である。(斜角筋症候群)
※斜角筋隙には腕神経叢と鎖骨下動脈が走行する。
④鎖骨下動脈溝、鎖骨下静脈溝ともに鎖骨の上面を走行する。
参考文献 ステッドマン医学大辞典・解剖学ノート編集委員会蔵書