解剖学ノート

解剖学ノートのミニコミ版

国試基本   胸郭全般

2016-03-09 16:56:05 | 解剖学ノート全編集版「筋骨編」

※ 胸 郭

胸郭は主に心臓と肺を収納する籠型をした骨格で①胸椎、②肋骨、

③胸骨、の3部の骨で構成されてされている。

 イ、胸椎--12個、 肋骨--12対、胸骨--1個である。

 


胸骨の学習

胸骨は3部分の骨で成立している扁平な骨の総称でである。

①胸骨柄と呼ばれ部分で最上部に位置し、結んだネクタイに例えると

 逆三角の上部に当たり、その頂点がV字の切れ込みがある。この切

 れ込みを頸切痕(1個ある)と呼ぶ。

②結んだネクタイの両脇にあたる部分が鎖骨切痕で左右の鎖骨と関

 節して胸鎖関節 を営む。

③次に②の胸鎖関節の直下には第一肋骨切痕があり、第1胸肋関節

 が構築される。

④胸骨柄下端と胸骨体上部が結んだ線を胸骨角と呼び第2肋骨の肋

 軟骨が付着する形でついている。

⑤体表の計測では第1肋骨は鎖骨の下に潜り込んでいるため最初に

 触知が可能なのは第2肋骨で胸骨よりで触知できる、触手の先に

 微かに触れるのが第1肋骨である。さらに胸骨上端の外側に目視

 できる隆起した骨が鎖骨で触知では太く感じる。

⑥胸骨体の両脇には第2肋骨から第7肋骨までの6個の肋骨切痕が

 用意されている。2から順に7までの胸肋関節である。(軟骨付着)

⑦剣状突起の下端は白線が直に付着し、また腹直筋の1部も停止

 している。この部位は「みぞおち」ともよび急所でもある。

 


肋骨の観察

①細長く弓を強く引いて彎曲した形状を示した骨が肋骨である。

②形状的には前端の胸骨と関節する胸肋関節側が先端となる。

③後端は肋骨頭関節側でこちらの関節は胸椎と関節するイ--肋骨

 頭関節と肋骨結節が関節する、ロ--横突肋骨関節の2基の関節

 を営み、吸気と呼気による胸郭 の膨張、収縮に対応する独特な

 関節構造を有している。さらに努力吸気と努力呼気の必要性に

 直面した際にはその機能が高まる。

※11肋骨と12肋骨はともに浮遊肋骨で胸骨側の関節は無い。

※肋骨弓--左右の第7肋骨から第10肋骨の肋軟骨が合同でつくる 

     下縁のつながりで左右で均等な弓型を呈す。

※胸骨角--左右の肋骨弓の三角形の角度(平均値70゜から80゜)

※肋骨溝--肋骨の臓側に目視できる溝がある。(肋間神経・肋間

     動脈・肋間静脈が走行する。)

 


 

※第1肋骨の構造

①第1肋骨第太く強く湾曲する胸郭上部には前斜角筋結節があり

 その結節部に前斜角筋が停止する。

②その結節が広くなった部位に同じく中斜角筋が停止している。

③斜角筋隙とは--上記の2筋が並ぶように停止している為その

 間隙を指すが臨床的には重要な部所である。(斜角筋症候群)

※斜角筋隙には腕神経叢と鎖骨下動脈が走行する。

④鎖骨下動脈溝、鎖骨下静脈溝ともに鎖骨の上面を走行する。

参考文献 ステッドマン医学大辞典・解剖学ノート編集委員会蔵書