解剖学ノート

解剖学ノートのミニコミ版

国試基本  骨の発生と成長・血液「リンパ球など」

2016-03-14 14:32:39 | 解剖学ノート全編集版「筋骨編」

※骨の発生とその成長「骨の発生には次の骨学理論が通説であるが①軟骨内骨化と②膜内骨化

 の2通りの様式がある。

 1「軟骨内骨化」

 人体の大半の骨は「軟骨内骨化」が最初につくられ、この過程は①軟骨で骨の原型が作られ

 ②つぎに骨の原型になる骨幹部に相当する軟骨膜の細胞が③「骨芽細胞」に変わり、内側に向

  かって骨化作業をはじめる。その結果骨の鞘が完成し、鞘に囲まれた中央部の軟骨は変性・ 

  膨化し、石灰化を経て、④一次骨化点となり、ここに骨髄からの血管が繁茂し⑤原始骨髄が

  形成される。前後して骨端の軟骨は変性・骨化が進み⑥二次点が生じ骨端軟骨として思春期

  を迎え下垂体前葉のからの成長ホルモン分泌が減少するまで、生後から軟骨の分裂増殖をつ

  づけてきた骨化は終わり、⑦置換骨となって終わりを迎える。


 

 2 「膜内骨化」

  骨の中心部では骨の膜内骨化が進み、①外側から骨質が付加されて骨自体の直径が太くなる。

  また②頭蓋骨のなどは骨も膜内骨化でつくられ脳や臓器を外部から守ることから、付加骨(被

  蓋骨)となずけられている。


※※ 関節の学習

関節では骨と骨が関節腔で相対し連結をもって可動を確保する。①2個の骨の骨膜は相互に関節

の構成に参加して、関節包をつくる。②関節包の内部は滑液で満たされる。

1・関節軟骨

 関節内では骨表面は①薄い軟骨膜でつくられこれが関節軟骨である。この軟骨は②硝子軟骨で

 あるが軟骨膜を持たず③直接滑液の恩恵に浴する。

 ④浅層の形成は軟骨細胞は扁平で膠原繊維は垂直に骨質に結ぶ。


※※関節包の学習

 強靭な膠原線維で構築される関節包は①線維膜と②疎性結合組織の滑膜とでつくられる。

※滑膜細胞にはA型とB型が存在し③A型細胞は活発な食作用を示し関節腔内の組織の断片などの除

 去を行う。

※B型細胞は線維芽細胞で滑液の分泌を主作業とし、滑膜細胞の近くでは毛細血管が発達し、たんぱく

 質や糖質の能率的な交換が行われ、滑液との新陳代謝を行い関節軟骨に栄養の補給を行う。


 

※※関節の異常

イ、脱臼の定義

①ある器官またはある部位から転位すること、②骨同志の正常な位置関係がが障害され平常な活動

 が不能になった状態。③脱臼の方向はかんせつを形成する遠位側骨の位置によって決められる。

ロ、捻挫の定義

①、「足を挫く」は典型的な捻挫で当該関節の靭帯が不可抗力的に過伸展しすぎた結果生じる。

  「突き指」同じく強い外力が局所に加わり、一部が断裂に近い状態に過伸展、過屈曲に陥った状態。


※血液とリンパ球、

※血液の細胞要素は①血球で、②基質に該当するのが血漿である。

①血球の99%は赤血球が占め、②残った1%が白血球と血小板の割合になっている。

※赤血球

赤血球は①血液1㍈(mm³)中に500万個、(②女子は450万個)か含まれ、③直径は7㍈

 の円盤状で③中央にへこみがある。※赤血球には無核である。

④赤血球の主作業は酸素で運搬はヘモグロビンによって行われる。


 

※白血球

白血球は無色であるが核を有していてサイズは赤血球より、やや大きい、形状は

円形であり、①アメーバー運動をしながら血管膜を通過し、かつ出入りもする。

②1㍈ℓ中4000-9000個を含有する。更に白血球には③好酸球・好塩基球・

好中球・リンパ球・単球の5種類のがあり、④最大群は好中球で、次にリンパ球

が続く、外部から病原菌が侵入すると好中球が大量に攻撃に参加し分解処理を行

なう。感染症に侵されると白血球が増加するのはこのためである。

⑤リンパ球は免疫を担当する。⑥単球は旺盛な食作用をもち、血管の外部に出て

て大食細胞(マクロハージ)として活動する。


 

※血小板

血小板は直径が①2--3㍈の小型の円盤状の小体で骨髄にある巨核球と呼ばれる細胞

核が何らかの事由で細かくちぎられて出来たもので②血液1㍈ℓ中に25万個から40

万個あり、血管の損傷、組織の欠損時に当該部に血栓ををつくり、損傷個所を修

復するとともに血液を凝固させる。


 

※ 血漿

血漿には血漿タンパクが8%含まれ、全身へのタンパク質の供給・補給を行い、血液

凝固などに関与する。


 

※ 医・歯・薬出版刊「解剖学」   解剖学ノート「骨学編」

※ ステッドマン医学大辞典   解剖学ノート編集委員会蔵書

 


国試基本  軟骨組織・骨組織

2016-03-14 09:19:40 | 解剖学ノート全編集版「筋骨編」

軟骨組織の学習

主に人体においては関節部に多用され①軟骨細胞と、②軟骨基質があげられるが、基本的

には分類上線維性結合組織で軟骨として完成するまでに、一定の特殊化したものと考えら

れる。③軟骨の表面は密性結合組織の周囲を包まれ、深部では膠原繊維の間隙を埋める。

コンドロイチン硫酸の含有量が増加し、軟骨特有の弾力性が付いてくる。軟骨は軟骨基質

種類により①硝子軟骨・②弾性軟骨・③線維軟骨に分類される。

①この硝子軟骨はその基質の中の膠原繊維を蓄え、コンドロイチンによって半透明の色調

 を呈し関節軟骨、肋軟骨、気管軟骨がその例である。


 

②弾性軟骨

 骨の基質を構成する軟骨は弾性繊維が30%も含み、特に弾力性に富んでいる。透明性

 に優れていて淡黄色に帯び、耳介軟骨や鼻軟骨に多く分布する。


 

③線維軟骨

 膠原繊維が大量に癒合したような形で束を作っり、束を作った線維間に軟骨細胞が接着を 

 強化している。軟骨の中でも最も強靭であるとされる。

 イ・椎間円板・ ロ・骨盤の恥骨結合、ハ・膝関節の半月板などにみられる。


骨組織 

骨組織は①骨細胞と ②骨基質とで構成される。

イ・骨の細胞--骨組織として1度構築された骨体でも破骨細胞によって内部破骨が生じ、つねに

  改築が実施されている。この組織には、1・骨芽細胞、2・骨細胞、3・破骨細胞の3つの活

  動体が常に基質のモデリングを行っている。

ロ・骨基質

  骨基質は豊富な膠原線維をもとに、その線維間にリン酸カルシュウムなどの沈着結晶が見え

  線維性結合が成立している。60--70%の無機質は骨組織特有の硬質化を維持している。

二・骨芽細胞。

  ※この細胞は骨そのものを構築する細胞で自らが作った基質の中に入ったままに成っている。

  ※本骨細胞は細長い突起を伸ばして、他の突起と連絡し合って骨情報を取り合い、骨付加が

   異常に多い箇所に情報を骨細胞につたえ基材を搬入させる。

ハ・破骨細胞

  骨表面にあって大型の細胞で多数の核を所有する。細胞にはミトコンドリアとリソソームを

  大量に保存している。この細胞の周辺にはアクチンフライメンの豊富な箇所があり骨と密着

  して、骨との間に閉鎖孔をつくり何段かの処理機構を経て破骨細胞としての責を果たす。


 骨の構造の概略

※骨の形状--骨には活動する箇所に適合した形状をしていて適所、適材が原則になっている。

※骨の表面は強固で硬い骨質で構成されや局所圧、外的衝撃に対応した構造を有す。

※内部には造血を司る骨髄腔があり、生命維持には不可欠である。

※頭蓋骨のように骨の中に空気(酸素)を蓄える空間を持った骨もある。(副鼻腔など)


 

 骨の構造  「1--海綿質」

①脊柱構成する椎骨などの多くの骨の内腔は薄い板状の板が立体的に構築されていて、スポン

  ジ状の部分を イ・海綿質とよび、骨質の薄板の部分を ロ・骨梁と呼称する。

 ②骨梁の空間には骨髄組織がぎっしりと詰まっている。


 

 骨の構造  「2--緻密質」

※骨表面の近くの骨組織だけで作られている部位を①「緻密質」と呼び、おなじ骨体でも腱

 や靱帯の付着する部位では部厚く構造を変える。②上肢、下肢の長管状骨では両端を骨端

 と呼び、③中間を骨幹とする。

 骨幹部は厚い緻密質で覆われ、この中には骨髄を内蔵する。骨髄は造血作用を営み、高齢者

 では逆に脂肪組織に置換している。

※骨端部では--緻密質がが薄く、海綿質が多く組織されている。


 

骨の構造  「3-骨膜」

骨頭は関節部分は関節軟骨作られるが、①関節の部分には骨膜は存在しない。従って骨本体には

には厚い骨膜によって守られている。②骨膜は線維性の密生結合組織でシャーピイ線維が骨質に

90゜の直角で入り込み、骨膜を骨表面に定着させる働きをしている。

③関節 周囲を起点とする靱帯ゃ靱帯の付着部位には骨膜は厚い性状を呈している。

④この関節 周囲の骨膜には豊富に血管や神経が発達していて痛覚には敏感に反応する。


骨の構造  「骨層板」

①骨質の中には多くの血管が網羅し神経も広く分布している。②中心の血管腔をハバース管と呼び

 同心円状の骨層板を③ハバース層板と呼ぶ。

④骨の表面に近い部位にある基礎層を貫く血管腔をフォルクマン管と呼び骨表面にし⑤栄養孔が開く。

⑥膠原繊維は両方への引っ張りに抗力を示し、⑦リン、カルシュウムの結晶は重力圧に反発する。

※※辞書では「置換」を4通りの解説を試みているが、解剖学的回答は「置き換え--正常な位置から

  の移動」とある。しかし細胞学の領域についての見解は記述ないが、文例に該当する見解は「置

  き換え」とするのが適宜とおもわれる。

参考文献・・ステッドマン医学大辞典。解剖学ノート編集委員会蔵書

医・歯・薬出版「解剖学」