長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

近藤史恵著【ときどき旅に出るカフェ】

2018-09-07 19:17:17 | 本と雑誌

「苺のスープ」など世界のスイーツを出すカフェ・ルーズ。
日常のちょっと苦い事件を甘く、優しく解決していく…。
張り詰めているときに優しくされると、人は糸が切れたような気分になってしまうのだ。
平凡で、この先ドラマティックなことも起こりそうにない日常。
自分で購入した1LDKのリビングとソファで得られる幸福感だって憂鬱のベールがかかっている。
そんな瑛子が近所で見つけたのは日当たりが良い一軒家のカフェ。
店主はかつての同僚・円(まどか)だった。
旅先で出会ったおいしいものを店でだしているという。
苺のスープ、ロシア風チーズケーキ、アルムドゥドラー。
メニューにあるのは、どれも初めて見るものばかり。
瑛子に降りかかる日常の小さな事件、そして円の秘密も世界のスイーツがきっかけに少しずつほぐれていく…。
読めば心満たされる”おいしい”10作の連作短編集。
第一話 苺のスープ(北欧でよく食べられるスープにまつわる話) 第二話 ロシア風チーズケーキ(ロシア風といいながら、本当はドイツのベルリンでよく食べられるケーキで、アルムドゥドラーという名は実はドイツ語、そのケーキにまつわる話) 第三話 月はどこに消えた?(中国のお菓子・月餅にまつわる話)
第四話 幾層にもなった心(オーストリア菓子のドボルシュトルタにまつわる話) 第五話 おがくずのスイーツ(セラドゥーラ・おがくずというお菓子にまつわる話) 第六話 鴛鴦茶(ユンヨンチャー・香港でよく飲まれるお茶にまつわる話)
第七話 ホイップクリームの決意(ザッハルテというウイーンのお菓子にまつわる話)
第八話 食いしん坊のコーヒー(カフェ・グルマンというフランスのデザートプレートにまつわる話)
第九話 思い出のバクラヴァ(バクラヴァはトルコのお菓子で、とても甘い。そのバクラヴァにまつわるお話)
そして最終話…。

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