長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

太田忠司著【虹とノストラダムス】

2021-06-02 22:10:22 | 本と雑誌


一九九九年、七の月
空から恐怖の大王が降ってくるだろう
アンゴルモワの大王を蘇らせる(復活させる)ために
その前後の期間、マルスは幸福の名のもとに支配するだろう(マルスの前後に首尾よく支配するために)
ノストラダムスの大予言…。
今更ノストラダムスでもないのだが、何故かこの本を手に取ってしまった。
懐かしさもあったかもしれない。

一九九九年七月に人類は滅びてしまう…。
四人の高校生(1年生)が、この「ノストラダムスの予言」を知ってしまった…。
あと25年程で、人類は滅亡する!!
上岡史生(かみおか ふみお)は:そのときが来るまで、誠実に生きよう。
高田仁志(たかだ ひとし)は:どうせ死ぬんだから、やりたいことをする。
新海恵津子(しんかい えつこ)は:何をしても意味はないの、わたしたちは滅びるのよ。
転校生・宮坂鶴文(みやさか つるふみ)は:人間なんか、今すぐ滅びてほしい。
いずれが正しいとも言えないが…。
この作品の主人公ともいえる上岡史生は、八歳の折自転車に乗っていて、トラックと衝突し死にかけた。
その時、虹の橋を見、そこに自分と同じくらいの子供が、途中に立っていた。
白い服を着て白い長靴を履いている。おかっぱ頭に白い帽子を被っていた。
顔つきだけだと男の子か女の子か、わからない。
だが、この橋を渡ると、死に向かってしまう…。
以後実際に虹を見ると史生の周りには、何か異変が起こるようなのだ。
そんな中、何故か新海恵津子が自殺未遂をした。
その後社会的には公害が話題に上る…。(恐怖の大王?)
そして、史生はやがて社会人として活動する。
自動車部品の製造販売の会社の営業マンとして、多忙な毎日であった。
高田仁志は、大学を辞めて、イタリアで料理の修行をするという。
恵津子は占い師として変貌した。
史生はSF小説の新人公募に応募するべく、せっせと書き始めた…。
しかし、落選し、なんとSF新人賞には、宮坂鶴文が受賞していた。
完璧な敗退である…。
やがて月日が経ち、史生は家族を持った、三十七歳になった。
恵津子は新興宗教を立ち上げていたが、折悪しオーム事件で、カルト集団と近隣の住民から忌み嫌われ、辛い立場に立っていた。
最後には解散せざるを得なくなってしまう。
史生も巻き込まれてしまった…。

さて、そして2011年になり、史生は五十の坂を越えた。
一九九九年七の月は何も起こらなく、普通に過ぎて行った。
再びそれぞれに苦い人生を過ごしていた、仁志・恵津子・鶴文との再会を、実に平和に果たすのだった…。

ノストラダムスの大予言については、諸説ありますのでそれを参考にして下さい。
まぁマヤ文明の残した2012年12月22日の、世界の滅亡予言もスルーしましたしね。
ただ今回のコロナウイルスの蔓延は、近代人類にとって最高の試練だとは思います。




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