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『山歩き山暮し』 西丸震哉

2018年06月29日 21時33分00秒 | ■読書
「西丸震哉」の登山に関するエッセイ集『山歩き山暮し』を読みました。


アウトドアに関する作品は、先日読んだ「斉藤政喜」シェルパ斉藤の犬と旅に出よう以来ですね。

-----story-------------
大賑わいの登山コースには見向きもせずに、何やら怪し気な山々を探し出しては踏みこんでゆく西丸式登山術。
山中滞在のさまざまな創意が人生の知恵にもつながるユニークな山のエッセイ。
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1974年(昭和49年)に刊行されたエッセイなので、40年以上も前に描かれた作品なのですが、意外と共感できる部分が多く愉しく読めました。

 ■山のノオトから
  ・山小屋逃避行
  ・遭難者のいる谷間
  ・オーサム、コーサム山探検
  ・マイナスの山頂
  ・下駄ばきの温泉
  ・大草原のある山頂
  ・只見川源流をさぐる
  ・古い記憶から
  ・夏山と虫のはなし
  ・山の怪
 ■山歩きのヒント
  ・探検するこころ
  ・仕事と山登り
  ・冒険ぎらい
  ・旅ゆけば………
  ・インスタント山登り
  ・遭難の正体
  ・山で何を食べるか
  ・遠征食糧について
  ・アラスカでの飢餓実験日記
 ■あとがき
 ■解説 串田孫一



本作品で特に印象的だったのは後半の『山歩きのヒント』ですね、、、

「だれも知らないところへ行きたいという欲望が、
 本質的には心の底にあるはずなのに、
 秘境ブームに乗って、どんな秘境に行くのかと思うと、
 駅のポスターにある、バスの通っている秘境へ押すな押すなというありさま。
 茶店やホテルまでできている秘境とやらで満足していられる太い神経には、
 ホトホト感心してしまう。
 自分でさがし、人の知らないところはないかと調べまくって、
 人のあとからではなく飛びこんでいって知識を吸収し、
 開拓していく気のない人間は、文明の進歩のにない手ではなく、
 ただの消費者にすぎない」


 『旅ゆけば………』


「探検にあたっては、プランを立てる期間が最も重要で、
 ひとつしかない命を大切にするために、あらゆる障害の可能性をチェックする。
 そのおかげで、いつも起こり得ることばかりおこるだけ」


 『探検するこころ』


「日ごろ、私は遠征登山隊が、
 さもあたりまえの顔をして寄付金を集めてまわるのを苦々しく思い、
 その態度を非難し続けてきた。
 だいたい登山というのは、個人の趣味以外の何物でもないはずだ。
 自分の趣味に生きようというときに、
 他人のフトコロをあてにしてそれをやろうというのは、
 少なくとも高尚な趣味人のとるべき態度ではないはずだ。
 もし、登山を高尚な行為だと思うのならば、
 なおさらすべての費用は自分で負うのが当然だ」


 『アラスカでの飢餓実験日記』


等々… なかなか辛辣ですが、なるほどと思わせる内容が盛りだくさんでしたね。

自然の中を彷徨いたくなりましたねぇ… 久しく自然の中に身を置いてないよなぁ。







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