
JUN SOUNDSYSTEMが影響を受けた私的名盤をうすーく語る。
主に若かりし頃に沢山聴いた音楽を紹介していきます。
Babyshambles/Down in albion ベイビー・シャンブルズ/ダウン・イン・アルビオン
待ちに待ち焦がれたex.THE LIBERTINESのピートのバンド「BABYSHAMBLES」の1stアルバム。
一曲目から1stの「Vertigo」を思い起こさせる「La Belle Et La Bete」が始まるわけですが、ここで一緒に歌っているのは、
もちろんカールではなく、元恋人のケイト・モス。幸薄そうな歌声が曲調と相まってやるせなさが漂います。
Babyshambles***La belle et la bête*(Live with Kate Moss)
それにしても全編に目立つのはピートの声のヘロヘロ化。以前から舌足らずと持ち前の投げやり歌唱法のせいか、
はっきりした発音ではなかったですが、今作は呂律回ってない酩酊ボーカル曲多し。
不祥事の情報が耳に入ってくるだけあって、変な先入観で聴いてしまうのですが、当時は薬物中毒だったようで、その影響も
少なからずあるんでしょうね。「どう考えても長生きできそうにない男」なんて一部雑誌では書かれてますが、彼を見ると、
「ロックンロールは生き様」という「自暴自棄を飾り立てた精神論」を地でいってるなぁと感じてしまうのも事実です。
Babyshambles - Pipedown (Spew It Out Your Soul clip)
自分も含めて、少なからずそういった退廃的で、危なっかしいイメージをロック・ミュージックに持ってる人も多いと思うし、
タブロイドや音楽雑誌など薬物スキャンダルを好んで報じる媒体を通じて、そのイメージこそがシーンを盛り上げてきた
ビジネス要素もあるとは思いますが、THE LIBERTINESの音楽が純粋に好きだった自分にとっては、はっきり言って
好ましくない変化です。ハッとするほど斬新な演奏もあるし、お得意のマイナー調・パンクもある。
クラッシュからの影響を強く感じる曲、ベースはパンクなのにメロディが凝ってたりと か、相変わらず音楽の懐の深さと
存在感は無二なのですが、はっきり言って「Fuck Forever」をベタ褒めできるほどの名曲だとは感じない・・・。
Babyshambles - Fuck Forever (Official Video)
受け取り方は様々かと思いますが、自分はカールそっちのけでピートの才能だけに惚れ込んでいたはずなのに、いざ望みどおり、
ピートのワンマン・バンドのアルバムを聴いた途端感じてしまう、この物足りなさと、痛々しさは何なんだろう・・・と、
はっきりいって失望してしまいました。
シングルやちょこちょこ出していた音源も採集し、聞き漁っていましたが 今作でようやくその全貌が見えてきて「一人で
やるとこうなるのか」と、大きな衝撃ではあったんですけど。 実際、舵取りのいない船のように迷走を続ける彼ですが、
その満ち足りてない心の隙間を埋めるのがTHE LIBERTINESだとしたら、カールの元に戻るほど効く薬はないんじゃないかと、
おせっかいにも思うし、変な例えだけど、彼にはまだ一人でやるよりも「信頼できる相方」が必要なんじゃないかって
このアルバムの「痛々しさ」からは思えて仕方ないです。
Babyshambles - Back From The Dead (Live At The S.E.C.C.)
バンド再結成は絶望的だったのかもしれないけど、THE LIBERTINESの3rdのために書かれたという曲が、このアルバムに
収録されているという話からも、即席なべビシャンよりリバの演奏の方が、ひょっとしたら1曲1曲 の輝きがもっと
増したんじゃないかと思います。最後に追記として日本編集盤「Fuck Forever」と、併せて買うとほぼ完璧。
このアルバムにはバンド名の由来でもある「Babyshambles」が収録されていないので注意です。
最高にかっこいいナンバー。
Babyshambles - Babyshambles (Studio Version)
天国に近い男が鳴らしたまるで廃墟のような退廃感の一枚です。嫌いになれない私的名盤。
※筆者は音楽活動をしています。以下のYou Tubeより視聴、チャンネル登録して頂けると嬉しいです!!※
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