
JUN SOUNDSYSTEMが影響を受けた私的名盤をうすーく語る。
主に若かりし頃に沢山聴いた音楽を紹介していきます。
中期ビートルズを思わせる楽曲と儚い歌声。Elliott smith/Figure8 エリオット・スミス/フィギュアエイト
エリオット・スミス生前最後のリリースとなったメジャー2作目。音使いは前作よりアコースティックで
メロディを聞かせるタイプの作り。ギター、ストリングス、そしてピアノにリズム隊。一見より地味になったような
書き方をしていますが、前作同様、多重録音の綺麗なコーラスが他のどんな楽器よりも素晴らしい。
やや線の細いボーカルも、いくつもの自分の声に後押しされるように淡々と、かつ感傷的に一曲一曲を歌い上げて
いきます。
Easy Way Out
Elliott Smith - Everything Means Nothing to Me [Live Performance on the Jon Brion Show]
時おり入るラウドなギターサウンド(往年の彼はノイズ・サウンドにも興味があったようです。) も、押し殺した感情を
代弁するかのように響き、終始静かになりがちなムードをピリッと引き締めて良いと思います。それと、最期を思わせる
退廃感だったりとか悲壮感といった印象は受けませんでした。
曲のタイトルこそ「キャント・メイク・ア・サウンド」や輸入盤ではラストの「バーイ」など出来すぎ!と思うようなお膳立てが
ありますが、個人的には「相変わらず苦悩していそうな音だ」と思ったぐらいです。だけど、まだまだその先に光のある苦悩。
そうでもなきゃもっと後味悪いアルバムになったはずです。実際、死後アルバム一枚リリース出来るぐらいの音源を残し、
素晴らしい才能を持ち合わせた彼ですから、この段階では遺作になるなんて思っていなかったことを願いたいです。
elliott smith - can't make a sound
Elliott Smith - Bye
と、ついついその後の彼の不幸を前提にしたレビューになってしまったかもしれませんが、そういう衝撃的事実を
抜きにしても、どこか影のある素晴らしい作品であるのは間違いないし、本当に惜しい人を亡くしたという残念さは
より強くなる一方です。そうそう、「サン・オブ・サム」は、ひたすらエリオットが赤い風船を街中で追いかけるという作りの
プロモなのですが彼にとってあの「赤い風船は」何を意味したんだろうなぁとふと思いました。
Elliott Smith - Son Of Sam
彼が追いかけた風船は最後に割れてしまいます。それが何を示すのか今となっては複雑な思いがあります。
※筆者は音楽活動をしています。以下のYou Tubeより視聴、チャンネル登録して頂けると嬉しいです!!※
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