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西岡参院議長 【急流で馬を乗り換える】  (続き) 批判も次々 

2011-05-21 10:54:57 | 政治
2011年5月21日(土)

 一昨日の西岡参議院議長の「三権の長」としての 『菅総理退陣要求』 

に対して、私もおとといのブログで疑問を呈したが

閣僚や政治家やマスコミからさへ批判が次々と上がっているようである。

 読売新聞は、【寄稿】を『独占』掲載した立場から

『西岡参院議長 首相「退陣勧告」の意味は重い』と擁護しているが、

朝日新聞は、『参院議長発言―危機の中で「倒閣」の愚』と批判している。

 私の思うには、「三権の長」としての西岡氏の立場から言うべきこと

ではなく、「僭越であった」 と断ぜざるを得ない。

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「中立であるべき」…西岡議長を閣僚が批判
 (読売新聞) - 2011年5月20日(金)12:32


西岡参院議長へ閣僚から批判続々 退陣要求発言に対し
 (朝日新聞) - 2011年5月20日(金)12:37


西岡氏の首相退陣要求、与野党内に波紋広げる
 (読売新聞) - 2011年5月20日(金)22:35


近聞遠見:「急流の馬」の資格あるか=岩見隆夫
 (毎日新聞) - 2011年5月14日(土)


西岡参院議長 首相「退陣勧告」の意味は重い

 
(5月20日付・読売社説)
 西岡参院議長が読売新聞への寄稿の形で、菅首相に対して「即時辞任」を要求した。19日の記者会見でも、同様の主張を繰り返した。

 東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所事故への首相の対応を批判してのことである。

 これに対し、菅首相は、「現時点で退陣などの選択肢は全く考えていない」と受け流す構えだ。

 だが、西岡氏は、党籍は離れているとはいえ、民主党に推挙されて就任した参院議長だ。ねじれ国会で、法案の生殺与奪の力を持つ議長が、首相に「退陣勧告」したことの意味は重い。

 西岡氏は、菅首相が震災発生以来、首相としての責務を果たしていないと指摘している。多くの会議を作り、指揮命令系統を混乱させたことや、原発事故の情報開示のあり方などを問題視した。

 その上で、「すべてが後手後手にならないうちに、一刻も早く、首相の職を辞されることを重ねて強く求める」と主張した。

 おおむね妥当な見解である。

 多くの国民の声を代弁するものとも言えよう。

 主要メディアの世論調査を見ても、菅内閣に対しては、不支持が支持のほぼ2倍を占める。国民の大半が首相の指導力不足に不満を募らせている。

 ただ、首相交代の時期は、震災対応が一段落した後という見方が多い。当面、内政の混乱を避けてほしいという思いからだろう。

 菅政権は、本格復興のための第2次補正予算案の国会提出を8月以降に先送りし、通常国会の会期延長を避けようとしている。だが、そんな悠長な対応では、野党に「震災対策より政権延命優先だ」と批判されても仕方があるまい。

 第2次補正予算案を迅速に提出し、必要な立法措置を具体化すべきだ。そのために、菅政権が十分機能しないのであれば、新たな政治体制を模索する必要がある。

 民主党と自民党が政策で合意し、連立して震災対策を進めるべきだとの声も少なくない。読売新聞の世論調査では、56%が大連立を支持している。

 与野党には、菅首相の退陣を前提に、新首相のもとで大連立を行う構想も浮上している。

 与野党は、これ以上国政を滞らせてはならない。様々な震災対策を立案し、機動的に執行することを最優先にする政治体制を、真剣に協議する時である。

(2011年5月20日01時41分 読売新聞)
 




 朝日新聞社説 2011年5月21日(土)
 参院議長発言―危機の中で「倒閣」の愚
 

 政治家が気に入らない相手に辞めてしまえ、という。それはご勝手にどうぞ、である。

 だが、三権の長の一人が、もう一人の長に退陣を迫るというのであれば話は違う。乱暴すぎる異様な光景と言うしかない。

 西岡武夫参院議長が菅直人首相に「即刻、辞任すべきだ」とする書簡を送った。記者会見や読売新聞への寄稿でも同じ趣旨の主張を繰り返している。

 理由は東日本大震災や、原発事故での対応のまずさだという。辞めないなら、26日からの主要国首脳会議(G8サミット)の前に「野党が衆院に内閣不信任決議案を出す以外に道はない」とまで言い切っている。

 確かに、菅政権の震災対応の遅れや原発事故の情報公開の不十分さに、人々は日に日に不信感を募らせている。国会でも批判が高まるのは無理からぬところもある。

 しかし、立法府の代表が院としての決定もないのに、行政府の長である首相の進退を口にするのは看過できない。議長は公正中立を旨とし、わざわざ会派を離脱する慣例がある。そんな議長ののりを越えている。

 しかも、西岡氏は参院の議長である。首相指名は衆院の決定が優越し、内閣不信任決議も衆院だけに許されている。参院は権力争いから距離を置く、「良識の府」としての役割を求められているのだ。なのに、議長が公然と首相退陣を唱えるのでは、まるで「権力の府」そのものではないか。

 それに、そもそもいま首相の進退を論じている場合なのか。危機のさなかには、足を引っ張るのではなく、力を合わせる。そんな当たり前のことができない政治のありさまには、うんざりしてしまう。

 西岡氏は「急流で馬を乗り換えるな」という言葉を引いたうえで、首相には激流に立ち向かう決意もすべもないとし、「乗り換える危険よりも、現状の危険が大きい」と切り捨てる。

 こんな物言いに、民主党内の「反菅」勢力が呼応する構えも見せている。野党が不信任案を出したとき、小沢一郎元代表のグループなどが賛成に回り、可決される展開もありうるかもしれない。

 だが子ども手当などの施策を撤回せよという自民党と、固守を唱える小沢氏らが倒閣だけで一致した先に、政権の展望は開けない。あるのは、さらなる混迷に違いない。

 急流を乗り切るまでは、馬を叱咤(しった)し、激励し、前に進ませるしかない。進退を論じるのは、そのあとでいい。
 



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