出て行かないでくれと親に泣きつかれる

我が家はバブル絶頂期に家を１軒建て直し、１軒買ったんで（共にローンで）、
支払いがバカみたいに多く、毎月ふうふう言いながら支払ってる家でして、
私が家を出づらかったのは、私が毎月家に入れているお金を親が結構あてに
しているということがあったんです。そして今朝母親から
「出て行かないでくれ」と言われまして、言い分を聞くと、
「家賃でお金使うくらいなら親を助けてくれ」というのと、
「心配や寂しい」
というのがあるみたいで、特に父親が寂しいみたいです。
お金のことは、家を出てからも額は少なくなりますが、多少は入れるつもりやし、
私のお金がなくてもなんとかやっていけはするはずなんですよ。
要するに、うちの親は全然子離れできてない親なんです

で、仕事中いろいろ考えて、やっぱり家を出よう、と。
私は自分の親に、自分があるんだかないんだか、子供に精神的に頼り切って
亡霊みたいにしがみついて生きていて欲しくない。
そういうのって、一人の人間としてどうよ　と思うし。
自分の人生を生きて欲しいし、うちの両親はあまり仲が良くないんですが、
結局夫婦二人で生きていくわけやし、ここらでお互いをよく見直して、
離婚するなり（母親は離婚するすると常々言ってるけど）、お互いを労わりあう
なりして、自分の人生をよくよく掴みなおして欲しい。
そのためには、私は家を出たほうがいいだろうなぁと思うわけです。

子供が親に求めることは時代によって違うんだろうなぁと思う。
私の世代は親に自分の人生を生きることを求める世代なんだろうと思う。
でも、私の親の世代は自分の親にそんなこと求めなかっただろうな。
物質的に満たすこと、苦労させないことを求めたんだろうと思う。
だから私の親世代は必死になって働いて、物質的な豊かさを求めると同時に、
子供には苦労させないように、いろんなことを回避させるべく頑張ってきた
んやろうなぁ（結果的にそれは経験不足、我慢不足になる訳ですが）。
そうやって考えた時、私の「自分の人生を生きて欲しい」という願いも、
親を思いやったものではなく、私の我がままにすぎんねんなぁと思う。
我がままどころか、「自分の人生」というものがピンとこない人からすれば、
過酷な要求やろうなぁと。
それでも私は、親の精神的依存の対象であるのはもういややし、やっぱりやっぱり
家を出ようと。
依存対象がなくなれば、親も自分の人生を掴みなおせるやろうと。
そしてきっとまた、新しい家族の意味を作り出せる、と思ったんです。

ところが、家に帰ってきたら、父親母親二人で
「出ていかんといてくれ。」
といろいろ頼み込まれて、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、
親は本当に歳を取った
しょんぼり、おろおろしてる親を見るのは本当に悲しい
私も30を超えて、歳を取るといろいろ弱気になるのを身をもって分かりますが、
それにしても、なんという歳の取りよう
私は全然親を見捨てるつもりはないし、今回家を出るのも、親を見捨てると
いうよりはむしろ、親の人生、家族の意味の再生を願ってのことやけど
（もちろん、自分の「家を出たい」という純粋な思いもある）、でも
ここまで弱ってる親の願いを無視して家をでるのはどうか　と
心が揺れる。

今日の親を見てると、もう決定的に自我の構造が違う、若い頃と。
なんていうんだろ、何かを失うことにものすごく臆病になってて、
「失えばその代わりに何かを得る」
という当たり前のことが全然機能しなくなってるというか、
人生の新陳代謝が全然落ちてしまってるんやね、自分の中で。
とにかく、さみしぃーーーーーーーい感じがひしひし伝わってきてやりきれん。
私が結婚して家を出るなら、それは正当な家の出方なんで、納得できる
みたいやけど、喧嘩して家を出られる、というのはたまらんみたい。

ああーーーーーーー、どうしよう
もう手付けはうってあるのに。
本当は今日保証金等の入金日やったんを、とりあえず１日ずらしてもらって
明日にしたんですが、本当にどうしよう
私が家を出たらどうなるんやろう、と心配や。
（親は親で私のことが心配でたまらんみたいですが。）
家を出る気満々やったのに、ゆれに揺れてます