たぶん昨年から読んでいたのだと思うのですが、今日病院で読み終えました。
病院とか美容院とかで読むこと多いです。待ち時間長いからね~。
面白かったです。
すごいな~、激しいなあって思いました。
うまく言い表わせないんですが、「そこ~?」って言うか「そんなところが引っかかるの~?」みたいなセリフが多くて、衝撃的でした。
たとえば、「女の子の卵子って言うのはお母さんのおなかの中にいるときからすでに自分のおなかにあって、自分が生まれる前から卵がある」って言うのを、登場人物の中学生の女の子、緑子が考えているの。
この緑子はどうしたことだか、しゃべらなくなって(しゃべれないわけではなくて)、筆談で会話する。
登場人物は、主人公と主人公の姉巻子、その娘緑子の3人だけで、大阪(だったかな?)から東京に住む妹(主人公)のところ巻子親子が訪れる数日間のお話なんだけど、この上京の目的が巻子の豊胸手術で。
なんとしても、胸を取り戻したいと思う巻子は、子供を産んだことで、おっぱいから、というか身体から出たものは何処へ行ったのか?という喪失感に襲われていて。
決して娘のせいで、とは思っていなくても、娘は自分のせいでと思っているふしがあって、かみ合わなくなった親子の気持が最後には爆発するのですが、ここでなんだか涙しちゃいました。
たぶん、娘のせいではなくて、歳をとることで失なわれるものが多くて、それを、空白になってしまった何かを豊胸手術によって埋めようとしたのだなあと思ったら、切なくて泣けました。
そして娘は思春期独特の自分の性に対する嫌悪感を、ノートに書くことしかできなくて。
会話は関西弁で書かれているので、好き嫌いはあると思いますが、すごい本だと思いました。
面白かったです。