企業再生請負人/技術戦略コンサルタント、田中 純の「経営・技術戦略実践講座」

イノベーションによる企業再生、経営・技術戦略、ドラッカー理論を一緒に考えていきましょう!

◆経営は「学習」できない? ならばドラッカー理論とは・・・

2012年02月18日 | 戦略請負人のつれづれ日記
※田中とお付き合い頂いている経営者の皆さまの一部です。

・・・いずれも何かを成し遂げたり創り上げてきた方々、大きな責任を負っている方々です。
写真左上:セブン&アイホールディングスの伊藤雅俊名誉会長、左下:プレジデント社社長の藤原昭広さん、右上:日本郵政(JP)副社長の高井俊成さん、右下:創薬ベンチャーの雄、アリジェン製薬社長の所源亮さん、中央:横浜スマートコミュニティの代表で、dSPACE-Japan社長の有馬仁志さん。
(有馬さんは、携帯電話などで50%近いシェアを持つ「組込みLinux-OS」の市場を日本で創造した「産業用OSのビル・ゲイツ」みたいな方で、特に親しい経営者です)

・・・はたして彼らは経営を“学習”したから、成功を勝ち得たのでしょうか。


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 2月も後半に突入しましたね。まだまだ寒い日が続くようです。
さて、本日のコラムに参りましょう。


 先日、大手家電メーカーの人事教育担当部長にお会いしました。

その会社では、現在、一大教育体系を構築中とのことです。

中でも目玉は、経営を体系的に学ばせるためのカリキュラムだそうで、戦略、組織、マーケティング、人的資源、生産、会計などの領域における主要理論をすべて学習させ、それぞれの知識を覚えたあとにテストを施すやり方で学習を促進させるとのことです。

正直な話、これには、大きな違和感を持ちました。

リアルな経営の場における学習とは、他人が著したものについての知識量を増やすことではありません。

知識の学習は、過程であり、ひとつの方法にすぎません。

むしろ、自分なりに創意工夫しながら、知識や自らのアイデアを実践に投入し、一定の責任の下での失敗や成功を積み重ね、そこから学ぶこと、これこそが経営の現場における学習の本質なのです。

 ちなみに、ドラッカーの名著『マネジメント』の副題は、「課題、責任、実践」とあります。また、ドラッカーの理論は、よく「具体的(ハウツー的)ではない」といわれます。

これは、ドラッカー流の表現、ということもありますが、一方で、経営における理論や知識は、すべて責任を持って実践しなければ本物とはならない(具体策やハウツーは、自らがつかみ取らねばならない)、ということをドラッカーが示唆している証左だとも思うのです。

だからこそ、「具体的」ではないけれども、自らがやるべきことの「方向性」や「チャレンジの機会」を示してくれるドラッカー理論は、「リスクを取り、自らの力でことを成し遂げようとする以外に成功につながる道は存在しない」ことをわかっている「ホンモノ」の人たちに愛され続けるのだと思います。


●関連コラム:
ドラッカーを知識として身につけるだけでは大して意味はないのです【柳井 正】


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ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所
代表  田 中  純 (Kiyoshi Tanaka)

◇(独)産業技術総合研究所(AIST)/招聘研究員
◇淑徳大学オープンカレッジ講師
◇ドラッカー学会企画委員

〒105-0003
東京都港区西新橋1-2-9日比谷セントラルビル14階
TEL:03-3975-8171  FAX:03-3975-8171
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