※形や大きさではなく、心から相手に貢献したい、気持ちを分かち合いたい、と願うとき、例えそれがささやかであっても、人は変わる方向へと、一歩を踏み出せるのではないでしょうか。
● ● ●
10月も半ばとなりました。夏の匂いもすっかり消えてしまい、ホームセンターなどでは、クリスマスツリーが店頭に並び始めました。毎年のことながら「1年が経つのは早いなあ」とタメ息が出てしまいます。
...さてさて、気を取りなおして??本日の記事に参りましょう。
「人間は変わりうる」という言葉を残したのは、かつて「行革の鬼」といわれた土光敏夫さん(※)です。
土光さんいわく、以下のようなメッセージを残されています。
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●『人に対する評定を行うときに、五年も十年も昔のことを引き合いに出して「あの人は前にこんな失敗をした、あんな不行跡があった、だから見合わせよう」と言う。
ひとたび、才能はコレコレ、性格はシカジカと評価してしまうと、終生それがついてまわるのである。
(いまのダメな経営者や指導者は)人間は変わりうるというという信念を欠いている点が重大だ。人によっては、失敗や不行跡を契機として転身することもあるし、旧弊をかなぐりすてて翻然と悟ることだってある。
とにかく、人間はかわるという一事を忘れてはならない』
(『経営の行動指針-土光語録』土光敏夫、1987年、2009年[新版]、産能出版)
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
...私は、人間がそう簡単に変わるとは思えません。むしろ、多くの人が言っているように、性格が大きく変わる、というようなことは、きわめてまれだと思います。
ただ、人間は、自分の気持ちの内側ではなく、外側に、たとえば、自分のことを深く理解してくれている人の存在を確信したり、本当に心を許せる人の存在を心から受け止めたいと感じたとき、気持ちは、自分の枠組みを抜け出して外へと向かい始めると思うのです。
つまり、自分の価値観や考え方をふまえながらも、あえてそれを離れて、相手の人の価値観や大事と考えるものを受け入れる方向へと、心が歩み寄っていくようになると思うのです。
拙い自分の経験からですが、これは、十分にあり得るのではないかと思います。
それは、その人の行動や判断の基準が変わる、ということであり、上位へと進化する(成長する)ということであり、これが、土光さんがおっしゃられた「人間は変わりうる」ということだと思います。
すなわち、個人も事業体も、自分のためだけではなく、大切な人のために役に立ちたい、喜びを分かち合いたい、貢献したい、と強く願うとき、
言い換えると、
「私心や自己中心的な考え方から(自然に、あるいは確信をもって)離れることができ、
心底から人を思いやり、感謝の気持ちを持つことができるようになったとき」
人は変わる方向へと、一歩を踏み出すことができると思うのですが、いかがでしょう。
★直子夫人と夕食をとる、ありし日の土光敏夫さん。生活は質素そのもので、この日の
夕食はメザシと青菜、みそ汁の三品のみ。この場面から“メザシの土光さん”の
愛称が生まれました。交わす言葉は多くないのですが、お互いを思いやる気持ちが
伝わってくる素敵なご夫婦でした。
引退後は、老夫婦で日本をてくてくと歩いて回ることを希望されていましたが、
それはかないませんでした。時代は土光さんの引退を許さず、85歳で第二臨調の
会長に就任し、91歳で逝去される直前まで、国のため、国民のために、
命を燃やし続けられたのです。
(NHK特集『85歳の執念 行革の顔 土光敏夫』1982年、より)
★今年の8月に出版された『清貧と復興-土光敏夫100の言葉』と、バリバリご活躍されていた頃の土光さん。
※土光敏夫さんの詳細については、1つ前の記事「◆日本郵政、高井俊成副社長のメッセージ~「おもしろく、楽しく仕事をすることが日本活性化のカギ」をご覧ください。
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この記事の一部またはすべての転載を固くお断りいたします。
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10月も半ばとなりました。夏の匂いもすっかり消えてしまい、ホームセンターなどでは、クリスマスツリーが店頭に並び始めました。毎年のことながら「1年が経つのは早いなあ」とタメ息が出てしまいます。
...さてさて、気を取りなおして??本日の記事に参りましょう。
「人間は変わりうる」という言葉を残したのは、かつて「行革の鬼」といわれた土光敏夫さん(※)です。
土光さんいわく、以下のようなメッセージを残されています。
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●『人に対する評定を行うときに、五年も十年も昔のことを引き合いに出して「あの人は前にこんな失敗をした、あんな不行跡があった、だから見合わせよう」と言う。
ひとたび、才能はコレコレ、性格はシカジカと評価してしまうと、終生それがついてまわるのである。
(いまのダメな経営者や指導者は)人間は変わりうるというという信念を欠いている点が重大だ。人によっては、失敗や不行跡を契機として転身することもあるし、旧弊をかなぐりすてて翻然と悟ることだってある。
とにかく、人間はかわるという一事を忘れてはならない』
(『経営の行動指針-土光語録』土光敏夫、1987年、2009年[新版]、産能出版)
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...私は、人間がそう簡単に変わるとは思えません。むしろ、多くの人が言っているように、性格が大きく変わる、というようなことは、きわめてまれだと思います。
ただ、人間は、自分の気持ちの内側ではなく、外側に、たとえば、自分のことを深く理解してくれている人の存在を確信したり、本当に心を許せる人の存在を心から受け止めたいと感じたとき、気持ちは、自分の枠組みを抜け出して外へと向かい始めると思うのです。
つまり、自分の価値観や考え方をふまえながらも、あえてそれを離れて、相手の人の価値観や大事と考えるものを受け入れる方向へと、心が歩み寄っていくようになると思うのです。
拙い自分の経験からですが、これは、十分にあり得るのではないかと思います。
それは、その人の行動や判断の基準が変わる、ということであり、上位へと進化する(成長する)ということであり、これが、土光さんがおっしゃられた「人間は変わりうる」ということだと思います。
すなわち、個人も事業体も、自分のためだけではなく、大切な人のために役に立ちたい、喜びを分かち合いたい、貢献したい、と強く願うとき、
言い換えると、
「私心や自己中心的な考え方から(自然に、あるいは確信をもって)離れることができ、
心底から人を思いやり、感謝の気持ちを持つことができるようになったとき」
人は変わる方向へと、一歩を踏み出すことができると思うのですが、いかがでしょう。
★直子夫人と夕食をとる、ありし日の土光敏夫さん。生活は質素そのもので、この日の
夕食はメザシと青菜、みそ汁の三品のみ。この場面から“メザシの土光さん”の
愛称が生まれました。交わす言葉は多くないのですが、お互いを思いやる気持ちが
伝わってくる素敵なご夫婦でした。
引退後は、老夫婦で日本をてくてくと歩いて回ることを希望されていましたが、
それはかないませんでした。時代は土光さんの引退を許さず、85歳で第二臨調の
会長に就任し、91歳で逝去される直前まで、国のため、国民のために、
命を燃やし続けられたのです。
(NHK特集『85歳の執念 行革の顔 土光敏夫』1982年、より)
★今年の8月に出版された『清貧と復興-土光敏夫100の言葉』と、バリバリご活躍されていた頃の土光さん。
※土光敏夫さんの詳細については、1つ前の記事「◆日本郵政、高井俊成副社長のメッセージ~「おもしろく、楽しく仕事をすることが日本活性化のカギ」をご覧ください。
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