※戦略立案には、決まりきったフレームワークはない。むしろ、これらの基本的な分析ステップを、豊かな洞察力や想像力をもって着実に消化し「説得性のあるファクトの連鎖による文脈」を導き出すことのほうが重要である...
◆大前さんの気になるひとこと◆
---製品・市場戦略は、最終的には美しい一つの文章として記述できるところまで昇華しなくては、本当の味わいが出てこない---
~大前研一 『続・企業参謀』
◆コメント◆
経営コンサルタントの大前研一氏は、かつてマッキンゼー社の第一線のコンサルタントとして活躍されていた時代に、事業戦略(製品・市場戦略:Product Market Srtategy)は、以下の設問の流れにしっかりと応え得る文脈を持つまでに昇華させなければならない、と主張されている。
(1)世の中の動きと構成に対し、自社がどのように対処してきたか
↓
(2)今後この趨勢が続けばどのようになるか
↓
(3)これを抜本的に変革させるにはどのような打ち手があるか
↓
(4)自社の得手・不得手、強み・弱み、緊急度などを勘案し、どの打ち手が
現状に最も適しているか
↓
(5)たとえばその打ち手が失敗したとき、どのように対処したらよいか
↓
(6)実施後の期待成果はどのようなものか
↓
(7)誰が、いつ、どのようなプログラムを実行すれば全体として所期の成果があがるか
これは、本ブログでも紹介しているベストセラー経営書『ストーリーとしての競争戦略』でも述べられていることだが、私の経験でも、力強さや個性、バランス感覚や実現可能性を感じさせる戦略は、ひとつのわかりやすく美しい文脈を持っていることが多いと思う。いわば戦略の機能美とでも言えようか。
★参照:
「◆ベストセラー『ストーリーとしての競争戦略』で、最もストーリーが面白いと言われた事業家は誰でしょう?」
http://blog.goo.ne.jp/jtmtanaka/e/baced9a1b03748327608abfa027535be
考えてみれば、戦略は、企業という“生き物”が市場に働きかける際の一貫した立ち居振る舞いを表現するものである。そこに、ある種の美しさや力強さ、バランスの良さなどが感じられなければ、ムリやムダ、あるいは歪みが潜んでいる、ということであり、事業活動がギクシャクするのは道理であろう。
さらに氏は続ける。
「戦略の立案というのは、生活態度の表明であり、平素の思考を論理的に記述したものにすぎない」と。
これも同感である。たしかに巷間言われているように、戦略立案のための技術(分析スキルや論理思考)は重要であり、しっかりとマスターする必要がある。しかし、ある一時期だけ、分析技術を使うだけでは、いざというときに十分に使いこなせないと思う。
要は、日頃の思考形態やものの見方・考え方が大きく影響する、ということであり、日常の業務においても、論理的な思考や豊かなマインドを持って仕事に取り組むことが大切であるということを指摘されているのだと思うのである。
当時、マッキンゼー社のコンサルタントとして、戦略立案の最前線で活躍していた氏の言葉には、今も変わらぬ説得力が感じられる。
※本記事は、好評につき、2010年7月の記事を改訂して再録したものです。
*****************************************************
・ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所 代表
・独立行政法人 産業技術総合研究所 研究参与
田 中 純 (Kiyoshi Tanaka)
(淑徳大学オープンカレッジ講師)
〒105-0003
東京都港区西新橋1-2-9日比谷セントラルビル14階
TEL: 03-3975-8171 FAX:03-3975-8171
http://www.jtm-tanaka.com/
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この記事の一部またはすべての転載を固くお断りいたします。
Copyright (C) 2014 Kiyoshi Tanaka All Rights Reserved
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◆大前さんの気になるひとこと◆
---製品・市場戦略は、最終的には美しい一つの文章として記述できるところまで昇華しなくては、本当の味わいが出てこない---
~大前研一 『続・企業参謀』
◆コメント◆
経営コンサルタントの大前研一氏は、かつてマッキンゼー社の第一線のコンサルタントとして活躍されていた時代に、事業戦略(製品・市場戦略:Product Market Srtategy)は、以下の設問の流れにしっかりと応え得る文脈を持つまでに昇華させなければならない、と主張されている。
(1)世の中の動きと構成に対し、自社がどのように対処してきたか
↓
(2)今後この趨勢が続けばどのようになるか
↓
(3)これを抜本的に変革させるにはどのような打ち手があるか
↓
(4)自社の得手・不得手、強み・弱み、緊急度などを勘案し、どの打ち手が
現状に最も適しているか
↓
(5)たとえばその打ち手が失敗したとき、どのように対処したらよいか
↓
(6)実施後の期待成果はどのようなものか
↓
(7)誰が、いつ、どのようなプログラムを実行すれば全体として所期の成果があがるか
これは、本ブログでも紹介しているベストセラー経営書『ストーリーとしての競争戦略』でも述べられていることだが、私の経験でも、力強さや個性、バランス感覚や実現可能性を感じさせる戦略は、ひとつのわかりやすく美しい文脈を持っていることが多いと思う。いわば戦略の機能美とでも言えようか。
★参照:
「◆ベストセラー『ストーリーとしての競争戦略』で、最もストーリーが面白いと言われた事業家は誰でしょう?」
http://blog.goo.ne.jp/jtmtanaka/e/baced9a1b03748327608abfa027535be
考えてみれば、戦略は、企業という“生き物”が市場に働きかける際の一貫した立ち居振る舞いを表現するものである。そこに、ある種の美しさや力強さ、バランスの良さなどが感じられなければ、ムリやムダ、あるいは歪みが潜んでいる、ということであり、事業活動がギクシャクするのは道理であろう。
さらに氏は続ける。
「戦略の立案というのは、生活態度の表明であり、平素の思考を論理的に記述したものにすぎない」と。
これも同感である。たしかに巷間言われているように、戦略立案のための技術(分析スキルや論理思考)は重要であり、しっかりとマスターする必要がある。しかし、ある一時期だけ、分析技術を使うだけでは、いざというときに十分に使いこなせないと思う。
要は、日頃の思考形態やものの見方・考え方が大きく影響する、ということであり、日常の業務においても、論理的な思考や豊かなマインドを持って仕事に取り組むことが大切であるということを指摘されているのだと思うのである。
当時、マッキンゼー社のコンサルタントとして、戦略立案の最前線で活躍していた氏の言葉には、今も変わらぬ説得力が感じられる。
※本記事は、好評につき、2010年7月の記事を改訂して再録したものです。
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・ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所 代表
・独立行政法人 産業技術総合研究所 研究参与
田 中 純 (Kiyoshi Tanaka)
(淑徳大学オープンカレッジ講師)
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TEL: 03-3975-8171 FAX:03-3975-8171
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