
※ストラテジック・ラグ分析表のイメージ(実際のものは、さらに詳細なフォーマットになります)
◆気になるひとこと◆
---『ストラテジック・ラグ分析』・・・戦略においては、真のKFSを押さえ、資源を徹底投入することはもちろんである。しかし、実務の世界では、それ以外のサブKFS群に対しても、体系的に把握し、備えておく必要がある---
~小林 裕 『ストラテジック・ラグ』
◆コメント◆
きょうは、あまり知られていない手法を紹介しましょう。JMAC(日本能率協会コンサルティング)から米国A.T.カーニー社の日本代表を経て、現在は独立して活躍されている小林裕(こばやしゆたか)氏が提唱される「ストラテジック・ラグ」という考え方です。
一般的に、戦略立案の際、KFS(=Key Factors for Success/成功の鍵)を徹底的に押さえなければならないということはよく知られています。
しかし、その具体的な分析方法については、意外にも統一的な考え方はなく、多くの場合、KFSと思われるひとつの領域を特定し、定量チェックを加えながらその領域への接近方法をあれこれと考える、といったレベルで終わっているケースが多いようです。
それに対し、小林氏は、実戦的な戦略立案においては、単に1つのKFSを特定して終わるのではダメで、真のKFSとサブKFS群を体系的に分解し、強いものと弱いものを見きわめ、科学的に資源の配分を決めるべき、としています(上図を参照)。
さらに、直接競合するなど相互作用がある企業を選び、ストラテジック・ラグ分析を通じて、KFSの体系のうち、強いものと弱いものを相対的に把握しておくことが重要だとも言っています。
ストラテジック・ラグ分析の意味は、サッカーやボクシングなどの競技に置き換えて考えるとわかりやすいでしょう。
これらのスポーツは、プレーや技の連続(コンビネーション)で戦うわけです。その戦い方の本質は、最大の強み(真のKFS)、すなわちトップ選手のゴールや右ストレートなどのフィニッシュブローを生かすために、そこに至るまでのキーとなるプレーや技を最適に組み合わせる、というものです。
ストラテジック・ラグ分析の本質も同様です。すなわち、「真のKFS」のポテンシャルを最大限に引き出すために、それを支えるサブKFS群についても的確に把握し、最適に組み合わせて戦いなさい、というものなのです。
一見して目新しく感じられる考え方ですが、各種の諸条件を整えたうえで戦略を推進しなければならない実務者にとっては、むしろピッタリくるものではないでしょうか?
ちなみにこの理論は1986年に開発されたものですが、なぜいま「ストラテジック・ラグ分析」なのかについても触れておきたいと思います。
「戦略を具現化すること」を生業とする多くの経営者や(事業再生などの)専門家にとって、それを達成するためには、業界のキーファクターや自社のビジネス構成要素の強み・弱みを網羅的に把握しながら事業をドライブしていく必要があります。
なぜなら、昨今の経営環境においては、イノベーションのサイクルがきわめて短くなってきたことや、市場ニーズの変化が非常に激しくなってきたこともあって、「真のKFS」と思われていたものが短期間で移動または変化するからです。
こうした“有事”に対応する手法としても、「KFSとサブKFS群を体系的に把握しておく」というストラテジック・ラグ分析の考え方は、きわめて有効となるのです。
■ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所■
http://www.jtm-tanaka.com/
〒105-0003
東京都港区西新橋1-2-9日比谷セントラルビル14階
TEL:03-3975-8171 FAX:03-3975-8171
この記事の一部またはすべての転載を固くお断りいたします。
Copyright (C) 2010 Kiyoshi Tanaka All Rights Reserved
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◆気になるひとこと◆
---『ストラテジック・ラグ分析』・・・戦略においては、真のKFSを押さえ、資源を徹底投入することはもちろんである。しかし、実務の世界では、それ以外のサブKFS群に対しても、体系的に把握し、備えておく必要がある---
~小林 裕 『ストラテジック・ラグ』
◆コメント◆
きょうは、あまり知られていない手法を紹介しましょう。JMAC(日本能率協会コンサルティング)から米国A.T.カーニー社の日本代表を経て、現在は独立して活躍されている小林裕(こばやしゆたか)氏が提唱される「ストラテジック・ラグ」という考え方です。
一般的に、戦略立案の際、KFS(=Key Factors for Success/成功の鍵)を徹底的に押さえなければならないということはよく知られています。
しかし、その具体的な分析方法については、意外にも統一的な考え方はなく、多くの場合、KFSと思われるひとつの領域を特定し、定量チェックを加えながらその領域への接近方法をあれこれと考える、といったレベルで終わっているケースが多いようです。
それに対し、小林氏は、実戦的な戦略立案においては、単に1つのKFSを特定して終わるのではダメで、真のKFSとサブKFS群を体系的に分解し、強いものと弱いものを見きわめ、科学的に資源の配分を決めるべき、としています(上図を参照)。
さらに、直接競合するなど相互作用がある企業を選び、ストラテジック・ラグ分析を通じて、KFSの体系のうち、強いものと弱いものを相対的に把握しておくことが重要だとも言っています。
ストラテジック・ラグ分析の意味は、サッカーやボクシングなどの競技に置き換えて考えるとわかりやすいでしょう。
これらのスポーツは、プレーや技の連続(コンビネーション)で戦うわけです。その戦い方の本質は、最大の強み(真のKFS)、すなわちトップ選手のゴールや右ストレートなどのフィニッシュブローを生かすために、そこに至るまでのキーとなるプレーや技を最適に組み合わせる、というものです。
ストラテジック・ラグ分析の本質も同様です。すなわち、「真のKFS」のポテンシャルを最大限に引き出すために、それを支えるサブKFS群についても的確に把握し、最適に組み合わせて戦いなさい、というものなのです。
一見して目新しく感じられる考え方ですが、各種の諸条件を整えたうえで戦略を推進しなければならない実務者にとっては、むしろピッタリくるものではないでしょうか?
ちなみにこの理論は1986年に開発されたものですが、なぜいま「ストラテジック・ラグ分析」なのかについても触れておきたいと思います。
「戦略を具現化すること」を生業とする多くの経営者や(事業再生などの)専門家にとって、それを達成するためには、業界のキーファクターや自社のビジネス構成要素の強み・弱みを網羅的に把握しながら事業をドライブしていく必要があります。
なぜなら、昨今の経営環境においては、イノベーションのサイクルがきわめて短くなってきたことや、市場ニーズの変化が非常に激しくなってきたこともあって、「真のKFS」と思われていたものが短期間で移動または変化するからです。
こうした“有事”に対応する手法としても、「KFSとサブKFS群を体系的に把握しておく」というストラテジック・ラグ分析の考え方は、きわめて有効となるのです。
■ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所■
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