✳️【伝説】
2012年11月2日にテレビ東京系列で放映された『ウソかホントかわからない やりすぎ都市伝説スペシャル2012秋』の中で、自称「都市伝説テラー」の関暁夫氏が、こんな話を紹介している。
関暁夫「イルミナティには様々な都市伝説があるんだけどね。その中でもさ、なんの目的かわからないカードゲームがさ、アメリカで発売されてたんだよね。その名もさ、イルミナティ・カードっていうものなんだよね」
ナレーション「イルミナティ・カードとは、闇の支配者となって世界を征服するというカードゲーム。1995年にアメリカで発売され、わずか1年で、何者かの圧力によって販売中止となった幻のゲーム」
このカードゲームには、驚くべきことに、6年後に起きる同時多発テロが予言されていた。〈Terrorist Nuke テロリストの核〉というカードではニューヨークの世界貿易センタービルを思わせるビルが爆発している。〈Pentagon ペンタゴン〉というカードではペンタゴン(米国防総省)が炎上している。
ほかにもこのゲームには、〈Earthquake 地震〉〈Tidal Wave 津波〉〈Nuclear Accident 原発事故〉という、2011年3月の東日本大震災と福島第一原発の事故を予言しているとしか思えないカードもある。(中略)
そのため、これはただのゲームではなく、世界を影で支配する秘密結社の計画を示すものと考えられている。
【真相】
(中略)
●一致するのは偶然ではなく必然
では、INWOのカードの絵が911同時多発テロを予言していたように見えるのはなぜだろう?
注意しなくてはならないのは、INWOにはほかのTCGと同じく、数百種類のカードがあり、すべて違う絵が描かれていることだ。人物、国家、組織、グループを示すカードのほかに、〈世界的飢饉〉〈エネルギー危機〉〈竜巻〉〈ハリケーン〉〈火山噴火〉〈隕石衝突〉〈石油流出〉〈革命〉〈第三次世界大戦〉などなど、想定されるありとあらゆる事件や災害のカードがあるのだ。様々なことが描かれた何百枚ものカードがあれば、その中にたまたま実際の事件と符合するものが何枚かあるのは、偶然ではなく必然である。〈地震〉や〈津波〉や〈原発事故〉のカードがなかったら、逆におかしいのだ。
ふざけたカードも多い。都会を襲うゴジラのような怪獣〈アトミック・モンスター〉、巨大なロボットのイカ〈ロボット・シー・モンスターズ〉、当時のブームに便乗した〈恐竜パーク〉、ビルを切断する巨大な回転ノコギリ〈ヤカティズマ〉などだ。
そう、INWOは冗談ゲームなのである。
日本の怪獣映画で東京タワーが何度も壊されているように、カタストロフものではその土地の有名なランドマークが破壊されるのは定番である。テロリストが核爆弾を爆発させるというカードに、アメリカ一高いビル(当時)である世界貿易センターのツインタワーが描かれていても、なんの不思議もない。(山本弘) ASIOS〈「新」怪奇現象41の真相〉より
🌏【〈やりすぎ都市伝説はデタラメ〉】
本題に入る前に、1つフェアに書いておくことがあります。
〈やりすぎ都市伝説〉のナレーションの内容や、関暁夫が参考にしたらしいベンジャミン・フルフォードのブログの内容は、山本弘の調査によるとまったくのデタラメだそうです。
✔️【逆デバンキング〈ジュリアン・アサンジと小泉進次郎のカード〉】
では、本題に入ります。山本弘は……
「人物、国家、組織、グループを示すカードのほかに、〈世界的飢饉〉〈エネルギー危機〉〈竜巻〉〈ハリケーン〉〈火山噴火〉〈隕石衝突〉〈石油流出〉〈革命〉〈第三次世界大戦〉などなど、想定されるありとあらゆる事件や災害のカードがあるのだ。様々なことが描かれた何百枚ものカードがあれば、その中にたまたま実際の事件と符合するものが何枚かあるのは、偶然ではなく必然である。〈地震〉や〈津波〉や〈原発事故〉のカードがなかったら、逆におかしいのだ」
……などと言っていますが、ジュリアン・アサンジそっくりの人物が描かれたカードや、小泉進次郎そっくりの人物が描かれたカードはどう説明するんでしょうか?
アサンジがウィキリークスを開始したのは2006年で、イルミナティーカードが発売された1995年はまったくの無名でした。
小泉進次郎にいたっては、まだ14歳の子供です。
1995年当時、まったくの無名の人間やまだ14歳の子供が「世界的な事件を起こすだろう」と予想する人間がどこにいるんでしょうか?(そもそもアサンジは1995年当時は無名なので予想のしようがない)。
これで山本弘の主張が説得力がないことがわかると思います。
ちなみに3.11人工地震シリーズなどの著書で知られる泉パウロは、小泉進次郎カードのことを安倍晋三だと思っているようですが、どう見ても安倍晋三ではなく白髪まじりの小泉進次郎です。
【311のオバケ文字】
もう1つ。なぜか山本弘がまったく触れていない有名な話を紹介したいと思います。
これらの画像は山本弘も【伝説】のところで触れている、3.11東日本大震災と福島第一原発事故を予言したとされるカードです。
実はこの2枚のカード、上下を逆さまにして見ると「3 1 1」というオバケ文字が浮かび上がってくるんです!(さらに原発の亀裂も日本の象徴・桜の木にしか見えません)。
「311?まあ、そう見ようと思えば見えなくもないけど、ちょっと無理があるんじゃないの?」といった反論をする人が出てくると思われますが、それはそうでしょう。はっきり見えてしまったらオバケ文字にはなりませんから(笑)。
これでイルミナティーカードが、闇の勢力が未来に起きる出来事を予告したカードであることがわかってもらえたと思います。
この311のオバケ文字は大変有名であり、なんと山本弘が批判している関暁夫の本にも紹介されているものです。
それをなぜか山本弘は完全に無視しているんです……。
ダメ押しで言ってしまうと、山本弘は〈「新」怪奇現象41の真相〉のイルミナティーカードの項目のところで、6枚のイルミナティーカードの画像を掲載しているのですが、私が先程紹介した津波と原発のカードはなぜか掲載されていませんでした(呆れ)。
【まとめ】
●山本弘のデバンキングに説得力はなく、イルミナティーカードが未来を予告したカードであることは間違いない。