オカルト伝説は事実である【対話篇】

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エジプト・ファラオの呪いだけは唯一例外的にありえるかもしれない……

2024-09-24 14:20:11 | 超能力/怪奇現象

 

【最後のインタビュー】

 〈私が拙著『ファラオの呪い』のために調査をしていた頃、当時のカイロのエジプト博物館長のガマル・メヘレスとホテルで会う約束をした。彼がファラオの呪いについてどう考えているかを知りたかったのだ。  

 

 「不思議な死亡事件を全部数え挙げられると、ちょっと考え込まざるをえないでしょうね。それに古代エジプトの歴史には呪文もいくつがありますからね」メヘレス博士はわざとらしく微笑んでからこう続けた。 

 

 「しかし、私は信じませんな。私を見てくださいよ。一生をかけて私はファラオの墓やミイラを扱ってきましたが、ピンピンしている。私自身がファラオの呪いなんかないといういい証拠じゃないですか」

 

 事実、メヘレス博士ほどミイラをたくさん扱った人間は世界に2人といない。カイロ国立博物館のミイラ展示室にはミイラが無数に陳列されている。アメンホテプ3世のミイラは落ちくぼんだ目をしてニンマリと笑っているように見えるし、セティ1世のミイラはほっそりとしてきゃしゃだし、その息子のラムセス2世は高貴な鼻にまるで藁のように黄色い髪の毛をしている。メヘレス博士の答えに私はすっかり考え込んだ。

 

 しかしこのインタビューの4週間後に、ガマル・メヘレス博士が循環器系の病気で急死したことを新聞で知ってからは私はもっと考え込んだ。博士は52歳だった。インタビューをしたのは私が最後だった。

 

 運搬作業員がツタンカーメンの黄金のマスクを丁寧に梱包して博物館から飛行場に運ぼうとしたとき、彼はパッタリ倒れて死んだのだ。イギリス空軍のジェット機が2機、飛行場に待機しており、マスクをロンドンのツタンカーメン展に運ぶことになっていた。

 

 1923年の4月、エジプトの2大日刊新聞『アル・アハラム』と『エル・モッカタム』が第一面に黒い枠入りで、ファラオの呪いを示唆してカーナヴォン卿の死を報じてからというもの、三文小説や映画では仰々しくファラオの呪いがテーマになっているが、いずれも問題を真面目に扱っているとは言えない。オカルト趣味のおかげでファラオの呪いはますます神秘のベールに包まれている。〉 フィリップ・ヴァンデンベルク『ツタンカーメン 考古学史上最大の発掘ドキュメント』より 

 

【呪いの呪文】

 ガマル・メへレス博士の言う「呪文」とは「呪いの呪文」のことで、カーナヴォン卿は体調を崩してから幻覚を見るようになり、息を引き取るまで「鳥が顔をひっかくんだ!」と繰り返し続けたそうです。

 

 カイロのエジプト博物館館長のアリ・ハッサンは言います。

 

 「この文句は紀元前2145年から紀元前2040年までの第一中間期の呪いの言葉を想起させる。ネクベトの鳥が墓を荒らす男の顔をひっかくという呪いの文句がある。その意味でカーナヴォン卿のうわ言は極めて意義深い」

 

 この言葉から、カーナヴォン卿が死の間際に本当に「鳥が顔をひっかくんだ!」と言い続けていたことがわかります。

 

【墓荒らしは最悪の犯罪】

 古代エジプトにおいて墓荒らしは「考えられる限りで最悪の犯罪」とされていました。

 

 墓とミイラは生命力を維持し、人間が死んだあとも生き続ける「カー」の地上における住処でした。

 

 墓の中の食物は死体のためのものではなくカーのためのものであり、墓を破壊してミイラを奪うことはカーの住処をなくすことです。

 

 こういう理由から墓荒らしは、古代エジプトにおいて最悪の犯罪とされていたのです。

 

【「呪い殺す」という現象はありえない】

 単純に考えて「人間が人間を呪い殺す」などということはありえないことです。

 

 私は人生の中で気が狂うほど憎く感じた人間が数十人いますが、そのうちの何人が若い年齢で謎の死を遂げたというのでしょうか?(笑)

 

 「呪い殺す」などということが本当にあるのなら、地球上隅から隅まで「若い年齢で謎の死を遂げた人間」だらけになって世界的な問題になっているはずです。

 

 が、私はそのような話は聞いたことがありません。

 

 よって「呪い殺す」などという現象はありえないことがわかると思います。  

 

【ファラオの墓だけは別問題】

 が、しかし──古代エジプトのファラオの墓だけは、まったくの別問題と言えます。

 

 古代エジプトにおいて墓荒らしは、前述したように非常に深い理由から、断じて許されない究極の犯罪とされていました。 

 

 それはもはや強姦や親殺しすらもまったく比較にならない、ぜったいにあってはならない究極の悪の中の悪と考えられていたのでしょう。

 

 そうした古代エジプト人たちの強烈な哲学や理念が本当に「呪い」という形になり、墓を荒らした後世の人間たちを呪い殺したという可能性はありえると言えるのではないでしょうか?

 

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