スポーツ記録箱

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大関角番論

2009-09-30 08:26:16 | 大相撲記録大鑑
大相撲記録大鑑④
大関角番論

現在の規定では大関は2場所連続で負け越さなければ、その地位を確保できる。
しかも魁皇、千代大海と言うベテラン大関に対して、協会もファンもマスコミも何故か甘いので毎場所のように繰り返される角番や「ごっつぁん相撲」と思われるような終盤の戦いが看過されている。
そして千代大海については、今も大関在位記録を更新中である。
この二人は名大関と言えるのだろうか。

      大関在位   負け越し(休場含む) 負け越し率
千代大海  64場所   18場所        28%
魁皇    55場所   13場所        23%
小錦    39場所    7場所        17%
貴ノ花   50場所    5場所        10%
北天佑   44場所    5場所        11%

上の数字は大関連続在位の長い力士の在位数と負け越し数である。
これを見ると2人がいかに酷い成績かわかる。
在位が長いから最後の方はやむをえないと言う考え方もないではないが、二人はここ数年で率を高めている訳ではない。

千代大海は2001年に年間4回の負け越しをしているし、魁皇も2005年に年間3度負け越しを経験している。
これは大関に留めておいて良い力士なのか。

更に、千代大海の2009年の成績は28勝43敗4休で、1場所平均で6勝していない。
魁皇についても2009年5場所連続8勝しか挙げていないと言う前代未聞の記録を達成、そして14場所連続で一桁勝利と言う相撲史に残る最大の「クンロク」大関である。

この二人が昭和の名大関貴ノ花の名声を決して上回る事がないのは記録でも一目瞭然なのである。

横綱昇進基準

2009-09-16 08:25:45 | 大相撲記録大鑑
大相撲記録大鑑③
横綱昇進基準

このところ横綱昇進は2場所連続優勝が条件となっている。
しかも3場所前の成績があまり重視されていない。
9,14,14(優勝2回)と13,13,14(優勝1回)はどちらが横綱に相応しいのだろう。

その時々の横綱の数、直近の横綱の成績などによって昇進は左右される。
そんな中でも不運と思われる例を下記に挙げよてみよう。

   (直近3場所勝星) (6場所通算) (3場所通算) (通算優勝回数)若嶋津 14, 9,15  73勝・2回  38勝・2回  2回
旭富士 14,13,13  75勝・0回  40勝・0回  1回
小錦  13,12,13  74勝・2回  38勝・2回  3回
貴乃花 11,14,13  73勝・2回  38勝・1回  3回
貴乃花 14,11,14  71勝・2回  39勝・2回  5回
貴乃花 14,11,15  72勝・3回  40勝・2回  6回

次に横綱昇進を果たしたケースを同様に見てみよう。
柏戸  10,11,12  69勝・1回  33勝・0回  1回
大鵬  11,13,12  71勝・3回  36勝・2回  3回
琴櫻   9,14,14  56勝・2回  38勝・2回  4回
玉の海 13,10,13  63勝・1回  36勝・1回  2回
北の湖 10,13,13  68勝・2回  36勝・2回  2回
若乃花 13,13,14  70勝・0回  40勝・0回  1回
双羽黒 10,12,14  69勝・0回  36勝・0回  0回
北勝海 11,12,13  68勝・1回  36勝・1回  2回
大乃国 15,12,13  68勝・1回  40勝・1回  1回
旭富士  8,14,14  62勝・2回  36勝・2回  3回
貴乃花 11,15,15  80勝・4回  41勝・2回  7回

さて、昇進した力士の成績と昇進できなかった力士の成績を比べて頂きたい。
3場所で40勝を挙げた力士は昇進時でも二代目若乃花と大乃国、そして貴乃花しかいない。

旭富士は通算優勝回数がこの時点で1回、直近2場所は準優勝と優勝同点。それを含めて5場所連続準優勝であった。
これと酷似しているのが二代目若乃花。直近2場所がともに優勝同点で3場所通算40勝。通算優勝1回。
旭富士が昇進できなかった理由は「千代の富士が休場したから」と言う意味不明のものであった。

若嶋津と小錦については2場所前が優勝に準ずる成績ではないと言うのが理由。
柏戸、玉の海、大乃国・・・。
小錦が不満を持っても当然だろう。

そして嫌がらせの極致が貴乃花である。
新大関から3場所連続二桁で38勝を挙げ、直近2場所は優勝と優勝同点であった。
この時点で既に優勝3回を飾っている。
これは北の湖に似ている。
直近3場所連続二桁で36勝、直近2場所は優勝と優勝同点である。
貴乃花の昇進見送り理由は「決定戦の相撲内容が悪い」と言うものであった。
曙に一方的に押し出されたのであるが、そもそも曙が勝つケースはそれしかないのではないか。
しかも本割では貴乃花が完勝している。
逆に北の湖は本割り・決定戦で連続して輪島に敗れている。
にもかかわらず北の湖は昇進、貴乃花の昇進は見送られている。
ちなみにここで貴乃花が昇進していれば、北の湖の記録を破って史上最年少の横綱昇進となっていた。
当時、北の湖は協会の幹部。将来の理事長候補だった。

次に直近3場所で39勝・優勝2回の時。
この時も2場所前の11勝が優勝に準じていないと言うものであった。
これも前述の小錦らと同じく厳しい裁定だった。しかもこの時点での優勝回数は5回。大鵬と並び称された柏戸の通算優勝回数は5回、名横綱の一人とされる玉の海は6回である。

そしてまたしても貴乃花。直近3場所で40勝。優勝2回。直近は全勝であった。この時点での優勝回数は6回である。
この時に見送り理由は「地方場所での優勝がない」と言うものであった。
北の湖も地方での優勝はなかったし、輪島も同じく。
そもそも1回しか優勝していない力士を昇進させていながら、理不尽極まりない。
そして朝潮などは5回の優勝が全て地方場所で、そのうち4回が大阪。「大阪太郎」と呼ばれ人気を博した。

旭富士以降の横綱は全て連続優勝で昇進している。
基準がはっきりしたと言う見方もあるが、例えば北の湖や千代の富士のような横綱がいて、この横綱と交互で1年間優勝しても横綱に昇進できないということになる。

また直前3場所に負け越しや一桁があっても横綱に昇進できる。
これもおかしい。

昇進基準に外れるものを選定するために横綱審議委員会があるのではないのか。
横綱の素行にケチをつけるだけが仕事ではないと思う。





1985年

2009-09-09 11:21:30 | スポーツとその時代
スポーツとその時代⑤ 1985年

●社会全般
阪神タイガースが21年ぶりの優勝を飾ったこの年は、大きな事件が続出した年であった。 
2月に政界を牛耳ってきた田中角栄元首相が脳梗塞で倒れ、政界復帰が困難に。ニューリーダーによる世代交代が進むとともに、中曽根首相が独自の路線に踏み出す契機となる。 
4月にはその中曽根首相の悲願であった民営化政策のうち、日本電電公社がNTTへ、日本専売公社が日本たばこ産業に変わった。 
6月、豊田商事の社長がマスコミの目の前で視察されると言う惨劇が起こる。マスコミの姿勢が批判される。
そしてこの年8月、史上最悪の航空機事故が発生。日航機が墜落し520名の死者を出した。この大惨事で日本航空の杜撰な安全管理体制が浮き彫りになる。 
また中曽根首相が8月15日に靖国神社に公式参拝を行う。これにより朝日新聞アド反日マスコミが中韓と結託し、靖国批判を始める事になる。 9月には世間の注目を集めたロス疑惑の三浦和義氏が逮捕、同日人気女優の夏目雅子氏が白血病で死去した。  

海外に目を移しても冷戦終結に大きな業績を果たすソ連のゴルバチョフ氏が2月に書記長に就任。
11月にはアメリカのレーガン大統領とジュネーブで歴史的会談を行った。  

松田聖子と神田正輝の結婚、人気番組「八時だよ!全員集合」が終了したのもこの年である。
●スポーツ界では 
冒頭でも述べた通り、この年はタイガース一色だった。バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発から始まって、真弓を含めた30発トリオが猛打爆発。安定感のあるカープやジャイアンツを撃破し21年ぶりのリーグ制覇を果たした。日本シリーズでも常勝になりつたるライオンズを打ち崩し日本一に輝いた。  

相撲界では1月に両国国技館が完成。その両国で大横綱北の湖が引退した。この年は千代の富士が4度の優勝を飾り千代の富士時代が幕を開けた。  

高校野球ではKKコンビ、桑田・清原が3年生となった。センバツでは準決勝で超人的活躍を見せた伊野商業の渡辺智の前に敗れたものの、夏の選手権では清原が1大会の記録である5本塁打を放つなど大活躍し優勝を果たした。  

ラグビー界では北の鉄人と言われた新日鉄釜石が7連覇を達成。大記録を置き土産に松尾雄二は引退した。また大学ラグビーでは慶応大学が躍進。翌年の全日本選手権で優勝を飾り、寅年にちなんで「タイガー旋風」と言われた。(これはタイガースにも使われた)