「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

千葉ニュータウンバス運行を目指して行われたバス社会実験を振り返る

2014-02-13 23:52:44 | 日記
皆様、こんにちは。

2014年(平成26年)2月7日(金)付の朝日新聞夕刊1面トップに、「北総線の運賃『高過ぎる!』 住民たちが取った行動は…」と題する佐藤清孝記者の署名入り記事が掲載されました。その記事には、「運賃の高さから『財布より 定期落とすな 北総線』と言われる千葉県の北総鉄道。耐えかねた住民が行動に出た。別の鉄道と接続する乗換駅まで直行バスを走らせる社会実験をしたところ好評で、4月から地元のバス会社が路線バスを運行する計画だ」と記されている通り、2014年4月からのバス運行を実現させるため、2013年10月7日(月)~13日(日)の1週間、バス社会実験を実施しました。

この社会実験は、交通権学会の前田善弘会員のアイデアを基に、私も提案者の一人となって、住民主導の下、鎌ヶ谷観光バス有限会社の協力を得て実施されたものです。

実験バスは、印西市高花地区と新鎌ヶ谷駅南口・鎌ヶ谷市民病院の間を1日6便(午前・午後各3便ずつ)運行されました。乗車料金は300円でした。高花地区から最寄りの千葉ニュータウン中央駅まで路線バスで180~230円、中央駅から北総線に乗って新鎌ヶ谷駅南口まで540円、合計720~770円もかかるところを、半額以下の料金で新鎌ヶ谷駅まで行けることから、利用者から大変感謝されました。

車両は鎌ヶ谷観光バスが保有する46人乗り中型車両が使用されました。



社会実験最終日の10月13日だけは、新鎌ヶ谷駅南口ロータリーが「鎌ヶ谷市民まつり」の会場として使用されたため、社会実験バスは北口ロータリーの発着となりました。北口ロータリーは駅入口の目の前であり、路線バス運行開始の際には、北口発着とすることが利便性確保のために是非とも必要です。



バス運行終了後も、路線バス化への検討を重ね、ついに実現への最終調整の段階に入りました。しかし、まだ4月からの路線バス運行実現には越えるべきハードルが残されており、皆様の応援が欠かせません。

このバス運行には、北総線以外の代替交通機関を作り出し、住民をはじめとする人々の生活の質(QOL)の向上を図りたいとの願いが込められています。

豊かな地域づくりには、多様な選択肢が欠かせません。北総線やマイカーに頼らない、「第三の交通機関」を作り出したのは、市民の力でした。私がこの記事でもコメントしたように、「住民主導で社会実験をし、路線バス運行の動きが出てくるのは画期的」なことなのです。

バス実現へ皆様のご支援をお願い申し上げます。