
江戸中期の携帯羅針盤だ。当時はカラハイ(唐針)と呼ばれていたが、これは羅針盤と日時計がセットになった興味深い品物。
鹿児島、当時の薩摩藩は、朝鮮や中国と密貿易をしていた。漁師や海賊にに近い連中が、それに加担していた。当時の航法は羅針盤と山アテ(山立て)が中心。今ほど正確な羅針盤でなかったので、山カンの部分も多かっただろう。
こんなちゃちな羅針盤で大洋に出て行ったのだ。目的地にたどり着けない連中も多かっただろう。
さて、昨今の世の中はなかなか大荒れで、社会の荒波を超えて行くためのナビゲーションはなかなか難儀だ。あなたは社会を漕ぎぬけるための羅針盤を持っているだろうか。
あるアメリカのシーカヤッカーが言ったそうだ。「迷ったらハートに聞け」と。羅針盤は意外に身近にあるのかもしれない。