Without a Trace 5-1 "Stolen"

【アメリカ合衆国での初回放送日 = 2006年9月24日】※第5シーズンの第1話。あまりシーズン・プレミアっぽくない話なのだが、「今シーズンはジャックとサムの話がアークになるのかな？」と感じさせてくれる。

12歳のブライアン・パーカーはある夜、家出をする。ブライアンは最初、警察にもFBIにもあまり話をしたがらなかったが、サマンサ・スペイド捜査官が「何も怖がる事はないのよ」と優しく言うと、少しずつ、ポツリ、ポツリと事情を話し出す。

ブライアンの話をまとめると、彼の父親のランダル・パーカー（『Desperate Housewives』の第3シーズンに出演中のBrian Kerwin）が5歳のトッドという少年を誘拐して来たのだという。ブライアンはトッドを連れて逃げようとしたのだが、怖がったトッドが着いて来なかったのだ。

ジャック・マローン捜査官らがパーカーのアパートに踏み込むが、すでにランダルもトッドもいなくなっていた。

ヴィヴィアン・ジョンソン捜査官が調べたところ、ニューヨーク地域で捜索願いが出ている幼児の中に「トッド」というのは1人しかおらず、それは黒人の子だ。しかし、ランダルが誘拐したという「トッド」は白人の子である。だとすると、トッドというのは偽名か、あるいはニューヨーク以外の場所から連れて来られたのかもしれない。

サムはブライアンに行方不明の幼い白人少年たちの写真を見せる。ブライアンはその数があまりにも多い事に驚き、「どの時点で探すのをあきらめるの？」と訊く。サムは「ずっとあきらめないのよ」と答える。

やがて、ブライアンは「トッド」の写真を見つける。それは10日前にカーニバルで行方不明になったダニエル・エリソンという子だった。やはり、ランダルはブライアンに嘘をついていたのだ。

捜査が進むにつれ、「ランダル・パーカー」というのも偽名で、どうやらブライアンも7年前（5歳の時）に誘拐されたらしいという事がわかって来る。また、「ランダル」はダニエルの前にも1人の男の子を誘拐していたのだが、誤って死なせてしまったのだった。

だが、ブライアンの本当の名前はまだわからない。ブライアンは「家」の絵を描くのが好きだったが、「いつも、なかなか思ったとおりに描けない」のだという。それは実はブライアンの生家の記憶らしいのだが…。

結局、ダニエルが監禁されていた場所に彫られていた「家の絵」＋「マックス」という名前から、ブライアンの素性が判明する。マックスの生家もニューヨーク地域にあった。彼が消えた時、事故で湖に落ちたものだと勘違いされ、周辺の捜査が隈なく行われたのだが、遂に死体が見つからず、捜査が打ち切られていたのだ。

サムはブライアン…いや、マックスを生家に送り届ける。ずっと頭の中で描いていた通りの家だった。


ところで、今回の捜査中、サムは「ブライアンのために心理カウンセラーを手配すべき」と主張するのだが、ジャックが「先に情報を引き出せ」と厳しく言い渡す。サムは気が進まないままブライアンと話し続けるのだが、案の定、ブライアンを感情的にさせてしまい、話が一旦途切れる。このあたり、私は「ジャックは理不尽だ」と感じたのだが、最終的にはサムがブライアンの話に嘘が混じっていた事を見抜き、さらにブライアンの信頼を得る事に成功したのだから、彼女は捜査官としてレベルアップしたと言えるだろう。

あと、サムの化粧が変わったのかな？前よりも綺麗になったみたい。

「本当はブライアンも誘拐されたんじゃないか？」というのは序盤からなんとなく想像できたので、FBI捜査官たちの勘の悪さにちょっとイライラさせられたが、サムとブライアン（マックス）の心の交流が良く描かれていたと思う。

トッド（ダニエル）役の子は演技とはいえ、縛られて狭い場所に入れられたのがトラウマにならないと良いけど…。