続・山形そば黄門漫遊記

記載する情報は、一部のそば好きの食べ歩きによる個人的感覚の押し付です。嘘も少しはあるでしょうから文句はご勝手に。

奥のそば道・会津へ

2006年06月22日 | 奥のそば道

 最初にお話いたしましたが、山形にそばの文化をもたらしてくださったのは、信州高遠から移ってこられた保科公と申し上げましたが、そのお殿様はやがて会津へとさらにお移りになられました。  奥のそば道は、現在の国道121号線大峠を越えて会津へと伸びて行ったというわけです。 前編で福島の山都町のことを書きましたが、会津地方にもこの他に若松、田島、檜枝岐、、等々と言った具合にそばの町が結構あります。そう言えば喜多方ラーメンもこの会津の産品です。
 ところで、近年「道の駅」なるまぁドライブインをよく見かけるようになりました。観光物産館的な要素を備えた町興し村興しの意味もあるんでしょうが、そういえば先に書きました飯豊町にも”めざみの里”という結構大きい道の駅がありまして、地元の産物を中心に販売しておりました。 さて、話を戻します。 この国道121号線大峠は昔の重要道路だったのでしょうが、つい20年くらい前までは、冬は通れないし、すぐストップするし、国道とは名ばかりの酷道だったんだそうです。そばは多分山形側から会津側へ行ったのでしょうが、かつて米沢に移ってこられた上杉景勝公は、彼の伊達政宗公が仙台に移られたあとに、会津から来られたのですから米沢と会津は何かと縁深き町なのです。 そんなこんなでこれじゃいけないと、米沢の旦那衆が改良促進のための期成同盟会をつくり一生懸命運動を始め、お陰で今ではへたな有料道路なんかよりズーット快適な国道になっています。まぁ一度ござてみでけらっしゃい。(お出でになってみて下さい)
 その国道の途中に道の駅「田沢」なごみの郷という施設が有ります。いわゆるドライブイン+αなんですが、「米沢市地域資源活用センター」というのが正式名称なんだそうです。どうもこの手の施設の名前はダッサイ!というかドンクサイ!というか、見え見えの《ひも付き予算》のにおいが強くてあんまり好きではありません。 「どこの役所のひも付きだって所詮税金なんだから、も少し考えろ!」と思うのは私だけでしょうか。  一緒に行ったそれこそ口の悪い人は、なごみの”ごみ”と”資源活用”で「リサイクル」というイメージだなぁと笑ってました。 確かにメインの建物は米沢の100年以上前の民家を移築した、まさに”リサイクル品”なんだそうです。でもこれは大変結構なものなんですよ、これは。 さらにここがいいのは、ここの運営?に関わっている人が近隣の人々達なのもですから、そばも打ち手が複数居るんだそうです。 良くあるパターンなんですが、こういうのって当りが多いんです。なぜかというと、どこでもそうですがそういう所にって名人が何人かいらっしゃいましてそれぞれが結構なレベルなんです。 しかし、べつにそば屋をしようとして熟練した訳ではないのですから、毎日毎日何十人分も打って商売する気はないんです。 ただ、みんなでやるんだし、少しは小遣い稼ぎにはなるし、旨いと誉められると悪い気はしないし、第一ワイワイやるのが嫌いじゃないし、勿論自信はあるし、と言うことなんでしょう。 もっとも継続は大変なことだとは思いますが、とにかくそんなこんなそばが出されています。 典型的な田舎そばで多分二八くらいでしょうか。 ここの"売りは”ここで挽いた粉なんだそうです。 いわゆる”挽き立て打ち立て茹でたて”をいただけるという事なんでしょう。 そば粉は地物なんだそうです、山あいのだけにそんなに獲れるかなとも思いましたが、そうですか、まぁいいでしょう。 前に行ったときは、たまたまなんかのサービス期間とかで少し安かったようでしたが、いつもと言うわけには行かないようです。 ただ、平日お昼に田沢までとなるとちょっと考えてしまうくらいの”奥のそば道”、休日にお仲間やご家族連れで、できれば新緑か紅葉の頃、ドライブ゛がてらにというのがお薦めです。 ただし、申し上げた通りの田舎そばですんで、ぼそぼそとは言いませんが、お好みにあわせて汁物なんかも選ばれるのも良いんじゃないかなぁとおもいます、うどんかなんかもあったようでしたが。
 ところで話は変わりますが「草木塔」というものをご存知でしょうか。草木にもそれぞれ魂があり、それから得られるさまざまな恩恵に感謝し供養する心を表すもので、「草木供養塔」とも言われ、一番古いものは上杉鷹山公の時代に建てられたものだそうで、この田沢にあることから「草木塔」発祥の地と言われているんだそうです、いや言っているんでしょう。ちなみにこの”なごみの郷”には最大の「草木塔」が設置してあります。置賜中心に山形県内や福島、岩手なんかに見られるちょっと珍しい石碑なんだそうで、草木や路傍石も成仏できるという、ある意味で大宇宙的な宗教観が見えるような気がします。  一番古いのを見たい方は”なごみの郷”ででも聞いてみて下さい。 ハッキリ言ってただの石碑ですので、過大な期待をもって見に行くとがっかりするかも知れません。でも、そんなもんだと知った上でご覧になれば、いいみやげ話くらいにはなると思います。興味のある人はインターネットで検索してみて下さい。