自燈明・法燈明の考察

思想の放浪者ではいけない

 あんまり論及したくない話ですが、あえて今回は少し記事として書いてみます。

 先日、野原善正氏が、れいわ新選組を離党する旨、ツイッターで公開されていました。野原氏と言えば、昨年(2019年)の参議院選挙において、れいわ新選組から東京選挙区の候補者として出馬したのは記憶に新しい話です。

 この時、「沖縄県創価学会壮年部」という肩書で、選挙運動を展開していましたが、私は当時、彼の動画をYouTubeで拝見しました。そこに集まった人達の規模は、以前に私も信濃町で見物した「元職員3名の本部前のデモ活動」と同じ位のものであり、創価学会に関与した人以外の支持を得られていない様に思いました。

 この参議院選挙の結果ですが、皆さんご存知の様に公明党代表の山口氏の勝利で終わりましたが、これは恐らく創価学会の組織として、野原氏の出馬で躍起になった部分もあり、結果として集票活動が以前よりも上がったのかと思います。「生兵法は怪我のもと」と言いますが、半端な攻撃はかえって敵を利する事は、よくある事なのです。

 れいわ新選組の山本代表は、野原氏を取り込む事で、創価学会陣営に対して揺さぶりをかけようとしたのでしょうが、結果としてはその思惑は外れたと、当時の私は感じました。

 さて、このれいわ新選組の選挙活動では、今年の都知事選挙でもそうでしたが、創価学会の三色旗が掲げられ、ネットで見ても、過去に公明党を熱烈に支援して、今の公明党は支援できないと、鞍替えしてれいわ新選組を支援した方々が、多くいた様に思えます。
 これは山本太郎氏の主張する内容が、過去の公明党(創価学会)の主張した事と親和性がある事からと思います。確かに山本氏の演説は、弱者保護に重点がおかれ、今の日本国内に浸透している「リバタリアニズム(市場原理主義)」により、社会から弾かれた人には、とても響く言葉が多くありました。

 その事についての論究をここでは行いません。

 ただこれは今の創価学会組織から弾かれた人、またはじき出された人にとっては、まさに「我が意を得たり」という感じもするでしょう。


 創価学会から弾かれた人、またはじき出された人達の一部には、「自分が本来信じるべき正義はどこにあるのか」と、様々な組織や団体、そして活動を求め、放浪する人達が出てきます。

 落ち着いて仏教や信仰という事を考えて行けば、実は創価学会で教えられた「正義」とか、その正義のための「信仰としての組織活動」というのは、まったく無意味である事が理解できると思うのですが、組織から飛び出した人達というのは、なかなかその視点に辿り着く事は難しいのです。

 そういった人達にとって、山本太郎氏の設立した「れいわ新選組」とは、仏教説話である「浮木の一眼の亀」に出てくる「浮木」にも映った事でしょう。だから山本氏の選挙運動の随所で三色旗が出てきたのではないか。私はその様に考えています。

 これは何も選挙活動という事だけではありません。
 創価学会を脱会して法華講に鞍替えして、そちらの方で活動家になる人や、一部ですが顕正会で活動家となったり。あとはスピリチュアルなグループに参加してのめり込んだ人なんかも、私は見てきました。

 要は何か「しっかりとした軸」を、常に自分自身の外に求め、その軸をもって動き回る事を求めてしまうのです。

 よくよく思索をすれば、そういった「軸」は、自分自身の中にしっかりと構築する事が大事であって、そのあとの人生の動き方(ふるまい方)なんていうのは、自分自身でその軸により考えれば良い事ですが、創価学会では「信仰」という事で活動家に対して、その軸と動く場を与え、そこで踊る事が「正義」だと教えられていますので、どうしても活動家であった人ほど、組織からはじき出されたら、創価学会から与えられて来た「それ」を求めて、探し回る傾向が強くあります。

 しかし、それでは「思想の放浪者」でしか無いのではありませんか?

 野原氏にしても、選挙に出たからには「政治家」である事が求められますが、その言動はいまだ「創価学会の呪縛」を抜けていませんし、政治家としての視点を得ていない様に思います。政治を生きる場として選択して、そこで語るのであれば、もう少し政治の事を語るべきなのです。これは勉強不足である事が否めません。

 政治信条の自由、信仰の自由。
 これは基本的人権として、日本では憲法に明記をされていますが、自由とは「自らに由ねる」という事で、自分自身に対して任されている事なのですから、そこで何故、自分以外の第三者に寄りかかろうとするのでしょうか。

 よくよく考えて欲しいものです。


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