須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

733号 須藤甚一郎 毎日新聞「論点」<地方議会の姿勢を問う>に登場!

2014-09-19 | 記 事

★毎日新聞、9月19日(金)の論点(毎週金曜掲載)に須藤甚一郎が登場!地方議員は働く議員になるべきだ、とインタビューで語った!

 
毎日新聞の連載「オピニオン 論点」は、毎週金曜日に掲載。今回の特集は「地方議会の姿勢を問う」である。地方議員を特集した背景には、すでに御存知のように、政務活動費をゴマ化したのがバレて、号泣会見をやった間抜けな兵庫県議。そして東京都議会では女性議員を野次ったオトコの議員が大問題に。
 
こんなことがあると、「地方議員なんか、いらないぞ!」って声がいつもでてくる。ほんとに地方議員は、痴呆議員ばかりなのか。そんなことはない。毎日新聞は、大学教授、市民オンブズマン、そして目黒区議のぼくの3人を取材して、「論点」にまとめた。ぼくは、目黒区議会、目黒区区長らの行政を実例にして、地方議員必要論を語った。読んでみてください。
 
 
 

<新聞書面記事は以下の内容です。>

東京都知事選で、応援演説していたある政治家が「知事なんて誰だってできる。周囲に沢山の人がいるんだから」と言っていた。確かに自治体の首長は、役人の書いた答弁書を棒読みすればボロを出さず議会を乗り切れるが、そんなことを許している議員の側にも問題がある。

 区政運営について、議員が区長に問う目黒区議会の一般質問では、議員が事前に質問内容を通告しておく。すると、担当の課長、係長が答弁を書き、区長がそのまま書面を朗読する。私は退職した職員から「かつてある議員から頼まれて一般質問を書き、さらに区長の答弁書も書いた」と聞いた。首長も議員も不勉強だから、そんなことがまかり通ってしまう。

 実際に目黒区議会であったことだが、区長が医学用語の「インフォームドコンセント」を「インフォームドコンサート」、費用対効果のことを「費用対コスト」と言い間違って答弁した。意味を理解しないまま書面を読んでいるだけだから、そんな間違いをしてしまうとしか思えない。

 首長を支持する与党議員は、予算、決算、条例、人事、どれも出てくる案にただ賛成するだけだ。これでは「是々非々」ではなく「是々是々」。首長に白紙の委任状を渡しているのと同じだ。与党会派だから路線として賛成というのは分かるが、時には自身の判断で個別に反対することがあっていいはずだ。

 これらの問題は国会議員にも当てはまる。しかし、日ごろから一応メディアにチェックされている国会とは違い、地方議会の動きはせいぜい新聞の地域面に小さく載るくらいだ。何をやっているかよく見えないから、都議会のセクハラヤジや号泣県議など、おそまつな不祥事で注目されると「地方議会なんていらない」と不要論が出てしまう。

 だが、地方議員は不要ではない。住民のために働く議員には存在意義がある。私は区長の言いなりにならず、間違っていれば野党議員として徹底追及してきた。それで政策がガラリと変わるわけではないが、厳しくチェックされていると分からせれば、一種の抑止力になる。

 2003年に当時の目黒区長が、旧区役所・公会堂を、他社が示した最高価格の約111億円より39億円も安く随意契約で大手商社に売った。私は議会で追及するとともに、本人訴訟で区長らに差額の賠償を求める住民訴訟を起こした。議員は自治体の問題を隅々まで知りうる住民でもあり、提訴にも意味がある。「違法とまでは言えない」として敗訴したが、裁判が報道されたことで問題広く知られるようにもなった。

 役人は首長の指示で動く。数年前、区長から「聖域なき予算削減」という指示が出た時に「うちの課が一番削ってみせる」と張り切っていた課長がいた。だが住民のために削るべきではない予算もあるはずだ。「何でも削ればいいってもんじゃない」と指摘するのも議員の役割だ。そのためには勉強が必要になる。

 「首長のため」でなく「住民のため」に行動できる議員が増えれば「地方議会は不要」などと言われなくなる。そういう議員を増やすことができるのは、言うまでもなく有権者だ。議会を傍聴したり、議員のブログ、選挙公報、演説をチェックしたりすれば、どんな人物か判断できる。有権者の見識も問われている。

 ■人物略歴

 ◇すどう・じんいちろう

 1939年、東京都生まれ。早稲田大第二政経学部卒。週刊誌記者、テレビリポーターなどを経て99年、目黒区議選に初当選。現在4期目。


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