カルミナ・ブラーナについて小澤征司ボストンフィルCD冊子より
「カルミナブラーナ」は20世紀ドイツの作曲家C.オルフ(1895~1962)の代表作であり、
彼の名を世界中に知らしめた出世作である。
1935年~1936年にかけて作曲され1937年にフランクフルトで初演された。
「器楽の伴奏を持つ舞台上演用の世俗カンタータ」という副題を持っている。
その詩はドイツ・バイエルン地方ボイレン(ブラーナ)の修道院で発見された
中世の世俗的詩歌集(カルミナ)によっている。
オルフはこの中から24の詩を選んで作曲を行い、
最初の一曲は最後の一曲と共通するものとして全25曲とした。
この25曲は3つの部分に分けられており、それぞれ春、酒、愛を賛美しながらも
変化に富む内容を有しているが、 第1部の前に置かれた序(運命の女神・・・・・)が
第3部の最後に復帰し、世界を支配する運の女神の偉大さが強調されることにもなっている。
なお、歌詞はラテン語(一部は卑俗なもの)古いドイツ語で書かれている。
この作品では実に様々な打楽器が効果的に用いられており、リズムが強調されているが、
このことはオルフが音楽教育家としても活躍し、
新しいリズム教育を提唱してきたこととも関連があるだろう。
オルフ独自の手法で書かれた「カルミナブラーナ」には主題などは展開されずに反復し、
平明な和声や単旋律的な扱いを受けた旋律とあいまって、
音楽としての形式が簡潔で明快なものとなっている。
原始主義的ともいえる素朴な響きと強烈なエネルギーが生み出されている。
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