新古今和歌集の部屋

唐詩選画本 少年行 王維 蔵書

せうねんかう
少年行
    おうい
  王維
しゆつしんつかふかんに
出身仕漢
うりんらうはしめ
羽林郎初
したかつてひやうきにたゝかふ
隨驃騎戦
きよやうにたれかしらん
漁陽孰知
さる事をむかつてへんていに
不向邉庭
くるしまたとへしすともなを
苦縱死猶
きかんきようこつのかうはしきを
聞俠骨香
しゆつしんとはめいもく字なり。
おやなとのうちしにした子ともをは
うわんらうにしてのめしいたしぶ
げいなとをたしなませる事しや。
われもせうねんのころよりうりん
のぶくわんにやしたされててうてい
につかへていたはじめひやうきせらくん
なとゝいふやうな大将にしたかつて
一トいくさしてきたである。わきり
ら人か見たならば漁陽あたりでさぞ
せひをつくしかつせんしつらふらとおもふかお
れはいのちすてゝたゝかひはせぬ夷を
相手にいのちはすてぬたとへしすとも
都て我壱人といはるゝほどにこらを
たてゝしても骨迄香い名のた
つほどてなけれはおもしろくない

 少年行
     王維
出身、漢に仕ふ羽林郎。
初めて驃騎に髄って漁陽に戦ふ。
孰(たれ)か知らん、辺庭に向(おい)て苦しまざるを。
縦(たと)い死すとも猶を俠骨の香(かん)ばしきを聞かしめむ。

意訳
世の中に出て、漢に仕え、羽林郎の武官となる。
初めて驃騎将軍に髄って、北方の漁陽で戦う。
辺境の地の遠征は辛いと誰もが言うが、私はちっとも辛く無い。
例え死んだとしても、侠客の骨を嗅がせて、香り高いのを世間の連中に知らしめてやるのだ。

※少年行 楽府題。

※出身 世の中に出る。

※羽林郎 天子警護の武官。

※驃騎 霍去病の事。匈奴征伐に功績を挙げ、驃騎将軍に任じられた。

漁陽 北京の周辺。
[一] 中国、秦代に置かれた郡および県名。現在の北京市密雲県の西南。
[二] 中国、隋代に置かれた郡および県名。現在の河北省薊県の地で北京の東北方に当たる。唐代、安祿山が反乱の兵を挙げた所。

俠骨の香しきを聞く 侠客の骨の香りを嗅ぐ。晋の張華の博陵王宮侠曲に「死して侠骨の香るを聞く」による。

長崎ランタン祭

唐詩選畫本 七言絶句 巻三

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