かもめのぶろぐ(JIA神奈川ブログ)

日本建築家協会関東甲信越支部 神奈川地域会(JIA神奈川)のブログです。

JIA神奈川 見学会「IRONY SPACE」「IRONHOUSE」

2008-09-20 | イベント・セミナー・見学会


本日は日本建築家協会(JIA)神奈川地域会が主催する見学会 「鉄と対話する建築」へ出かけました。
構造家・梅沢良三氏の鉄板構造作品2つの見学です。



まずは「IRONY SPACE」(設計:アーキテクトファイブ)。ここ は梅沢さんの事務所として建てられた。

地下の広いスペースでレクチュアーを受け、図面や施工写真などのスラ イドを見ながらお話を伺いました。

今回の2作品は折板を鉄板でサンドイッチ、200年の耐久性を目指して梅沢さんが考案した自らの事務所と自邸です。
先に造られた事務所「IRONY SPACE」で鉄の折半サンドイッチ構造を実践し、それを更に進化させ、ヒートプリッジを抑えて断熱性能などを改良したものが自邸「IRONHOUSE」だそうです。

たまたま先週も200年住宅を唱える三澤千代治氏(ミサワインターナショナル)のお話を伺う機会があったのですが、三澤氏は「200年住宅に適した構造は木だ。鉄やコンクリートでは200年はもたない。実績が無い。」と語っていました。
梅沢さんにそのことついてお考えを問うと「鉄といってもコールテン鋼を用いている。先にワザと表面サビさせることで酸化皮膜を形成し、内部へはこれ以上は酸化の進行が止まる。私は200年は充分いけると確信している。」とのお答えでした。

なるほど。
期せずして同じテーマで考え方が異なる人の意見を伺うことができたのは、とても興味深く面白い。
参考になります。



充分なスペースをもったクリエイティブな事務所環境でなんともうらやましい限り....。
(大抵の若手建築家は貧しいので事務所は自宅の一室であったり安い賃貸事務所なのです..。)
バックマリオンの無いDPGによるカーテンウォールは梅沢さんの特許。



続いて自邸「IRONHOUSE」(設計:椎名英三氏)へ移動。
屋上庭園から見学スタート。

設計者の椎名さんも合流、直接ご本人から説明をしていただきました。



ここは2階。将来的に2世帯住宅になるそうで、子世帯のためのスペース。

鉄に囲まれているのですが、全く冷たい印象はありません。
むしろ自然のサビの風合いが優しい雰囲気を醸し出します。
これは実際に体験してみないと判らないかも。



内部の見学になると早速、梅沢さんが「リラックスして見てください」とニコニコしながら冷えたビールを。
キッチンがバーのカンターのように...。(笑)
顔はちょっと怖そうだけど(失礼!)、実はとても気さくな梅沢さんです。



椎名さんが「ここ座ってみてよ」と。
ここはロフトスペース。書斎として使っているそうです。
コクピットにいるような感じで実に遊び心があります。

椎名さんと記念写真をパチリ。
建築家協会ではポルシェ仲間のひとりです。椎名さんもとても気さくな方です。



1階と地下が梅沢さん(親世帯)のスペース。
広いドライエリアの中庭があり、開放感のある造りになっています。



地下であることを感じません。
むしろプライバシーも保たれ、落ち着いき があっていい感じ。
これはソファからの眺め。



しばらくすると今度はワインとおつまみが登場。
そのままパーティーへ突入!

楽しくも有意義な時間でした。
ありがとうございました。

(広報:中村高淑


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