12月24日クリスマスイヴの日、
終電待ちの駅のホームで、彼女は両膝を冷たいコンクリートにつけて顔を赤らめながら、言った。
「このリボンをほどいてくれますか?」と。
そこで、俺は長年心の中で暖めていた言葉を、せいいっぱいの大声で彼女にぶつけた。
「もちろんです!!」と。
縮地法を使い、10メートルを一跨ぎで移動した俺は、
その、今にもほどけそうなぐらいに緩く結ばれたひもの先を掴み、一気に引っ張った。
が、予想に反しほどけない。
自分がリボンを引っ張る度に彼女の豊満な胸は嬉しそうに「たゆんたゆん」と揺れるが、
大事なところを隠すかのように巻いてあるそれが、ほどける気配は何度やってもしなかった。
「くっ!!何故ほどけんっ!!これでも僕は、”全国紐解き選手権98”で優勝したこともあるんだぞ!」
あらゆる手段を試したが、リボンはまるで胸に張り付いているかのように、引っ張っても、ズリ降ろそうとしても取ることは出来なかった。
・・・・・・・・・・・・・・・さん?、・・・・・・・・・・・・・・・さんっ!」
気づけば自分は彼女の声が耳に入らないくらい、どのようにすればこのリボンがほどけるのかを考えていたらしい。
顔を見ると、なぜか彼女が涙目になっている。
「どうしたの?」
「ど、どうしたのじゃないですよっ!・・・さんったら、何を言っても全く反応してくれないし、しんぱいしゃいましたよぉ!」
「そうだったのか、ごめんよ。つい紐解きマイスターの血が騒いでトランス状態になってしまっていたようだ。 」
「いえ、、気づいてもらえたならいいんです。、、、ほら!もうすぐ終電が来ますよ。」
彼女の目尻に涙はなかった。
「結局、そのリボン、ほどけなかったね。結構自信あったんだけどな、、、」
「あ、それって、、さっき言ってた、(ぜんこくひもときなんとかたいかい)っていうのですか?」
「そうそう、結構前の話なんだけど、、、って、こんな話は今は置いておいて、
よかったらなんだけど、今からうちに来てじっくりと解かせてくれないかな?なんか、じっくりとやれば解ける気がするんだよ。」
「えっ?それって、、、//」
「ついでに、君のハートに巻かれたヒモも解いちゃおうかな、、、なんて!、、、僕は何を言っているんだろうね。」
勢いで無駄に恥ずかしいことを言った気がして、僕は彼女から目を逸らした。
「うれしいです。本当に、、、」彼女は穏やかに笑みをこぼしていたが、
その言葉の後にこう続けた。
「けど、ダメです、、、私はここを離れられないんです。」と
その時の僕には、
彼女がどうしてそんなことを言うのかわからなかった。
そして、最後の列車が、ホームに迫っていた、、、、
一応続く
連続暇猫小説 「リボン」 全2回
何となくノッてしまい、長々となってしまったのですが、明日気分がよかったら続きを書きますw
終電待ちの駅のホームで、彼女は両膝を冷たいコンクリートにつけて顔を赤らめながら、言った。
「このリボンをほどいてくれますか?」と。
そこで、俺は長年心の中で暖めていた言葉を、せいいっぱいの大声で彼女にぶつけた。
「もちろんです!!」と。
縮地法を使い、10メートルを一跨ぎで移動した俺は、
その、今にもほどけそうなぐらいに緩く結ばれたひもの先を掴み、一気に引っ張った。
が、予想に反しほどけない。
自分がリボンを引っ張る度に彼女の豊満な胸は嬉しそうに「たゆんたゆん」と揺れるが、
大事なところを隠すかのように巻いてあるそれが、ほどける気配は何度やってもしなかった。
「くっ!!何故ほどけんっ!!これでも僕は、”全国紐解き選手権98”で優勝したこともあるんだぞ!」
あらゆる手段を試したが、リボンはまるで胸に張り付いているかのように、引っ張っても、ズリ降ろそうとしても取ることは出来なかった。
・・・・・・・・・・・・・・・さん?、・・・・・・・・・・・・・・・さんっ!」
気づけば自分は彼女の声が耳に入らないくらい、どのようにすればこのリボンがほどけるのかを考えていたらしい。
顔を見ると、なぜか彼女が涙目になっている。
「どうしたの?」
「ど、どうしたのじゃないですよっ!・・・さんったら、何を言っても全く反応してくれないし、しんぱいしゃいましたよぉ!」
「そうだったのか、ごめんよ。つい紐解きマイスターの血が騒いでトランス状態になってしまっていたようだ。 」
「いえ、、気づいてもらえたならいいんです。、、、ほら!もうすぐ終電が来ますよ。」
彼女の目尻に涙はなかった。
「結局、そのリボン、ほどけなかったね。結構自信あったんだけどな、、、」
「あ、それって、、さっき言ってた、(ぜんこくひもときなんとかたいかい)っていうのですか?」
「そうそう、結構前の話なんだけど、、、って、こんな話は今は置いておいて、
よかったらなんだけど、今からうちに来てじっくりと解かせてくれないかな?なんか、じっくりとやれば解ける気がするんだよ。」
「えっ?それって、、、//」
「ついでに、君のハートに巻かれたヒモも解いちゃおうかな、、、なんて!、、、僕は何を言っているんだろうね。」
勢いで無駄に恥ずかしいことを言った気がして、僕は彼女から目を逸らした。
「うれしいです。本当に、、、」彼女は穏やかに笑みをこぼしていたが、
その言葉の後にこう続けた。
「けど、ダメです、、、私はここを離れられないんです。」と
その時の僕には、
彼女がどうしてそんなことを言うのかわからなかった。
そして、最後の列車が、ホームに迫っていた、、、、
一応続く
連続暇猫小説 「リボン」 全2回
何となくノッてしまい、長々となってしまったのですが、明日気分がよかったら続きを書きますw