NOBODY KNOWS

本、漫画、映画を中心に日々読んだり観たりしたもので、ツボにはいったものの感想を書いていきたいと思います。

ミーナの行進

2011-01-01 23:04:55 | 小説
あけましておめでとうございます

今年もゆるゆるですが、楽しいものを見つけ、
または気に食わないものには文句たれたり、

思ったところを書いて残していければなあと思っています。

最近どうしても韓国ものについて書くことが多いのですが、
アメリカドラマもそれなりにチェックしているし、
本も結構読んでるんですよね。
でもなかなかブログに書きたいほどのものってなくって・・・


でも、今回は年末読んだ本が久々に面白かったのでご紹介。


小川洋子さんの「ミーナの行進」

舞台は1972年・ミュンヘンオリンピックの年
岡山在住の中学生の少女・朋子が、家の事情で1年間芦屋の伯母夫婦に預けられます。

そのお家は戦前に建てられた大きな洋館で、
ドイツ人の血をひくクォーターの従妹・ミーナが住んでいました。
彼女と朋子はすぐに仲良くなりますが、ミーナは喘息を抱えています。
この二人を中心とした家族の物語なのですが・・

物語そのものは、大きな事件があるわけでなく、
歩いて学校に行けず、車の排気ガスにも弱いためカバのポチ子に乗って学校に通うミーナ
家族を愛しているようでも、なかなか家に帰ってこないダンディーなハーフの伯父さん
誤植探しに命をかけるややアル中気味の伯母さん
いくつになっても肌の手入れを怠らないおしゃれなローザおばあさん
と若干個性的な、でも暖かい人たちに囲まれた古き良き芦屋での1年間の物語です。

そして、Y中学校、洋菓子屋A、ベーカリーのBなどは即効モデルが特定できるし、
打出図書館・芦屋川の山手商店街など
土地勘のある人間にとってはなかなかたまらない舞台設定となっています。

時々、大人になってからの朋子の回想が入るので
読んでいる間、ミーナのその後が気になっていたのですが、

後味の悪い終わり方ではなかったのでそこも良かったです。

「ミーナの行進」というタイトルの意味も最後にわかります。