NOBODY KNOWS

本、漫画、映画を中心に日々読んだり観たりしたもので、ツボにはいったものの感想を書いていきたいと思います。

BOBBY

2009-09-27 12:50:12 | 映画
私は小学校低学年の頃からのケネディーウォッチャーです。
きっかけはJFKことジョン・F・ケネディーの伝記を読んだことです。


もちろん、子供向けの本だったので、いい部分しか触れてなかったのですが。

その後もいろんな本を見つけては読み漁り、一族のブラックな面も知ることになりましたが、
それでもケネディー一族への興味は消えることはありませんでした。

学生時代にはボストンのJFK生誕の家、やアーリントン墓地にも行きました。

JFKのお墓は立派な観光地で、私が行った時にもたくさんの人が群がっていて、
みんな一斉にシャッターを切っていました。

そんな大騒ぎなJFKのお墓のそばに、ひっそりとRFKことロバート・フランシス・ケネディーのお墓がありました。

大統領のお墓は石畳が敷き詰められ、敷地は紐でかこわれていましたが、
ロバートのお墓は普通のお墓と同じく芝地にあり、瀟洒な感じがしたものです。





「ボビー」の愛称で親しまれたRFKは、JFKの大統領時代には司法長官となり兄を補佐し、
兄の暗殺後には上院議員となり1968年の大統領選に出馬します。
しかし、カリフォルニア州での予備選挙に勝利した直後、凶弾に倒れます。


この映画はRFKが暗殺された一日を暗殺現場のホテルを舞台に描かれています。
暗殺そのものの背景にはJFKと同じく今も謎が残っていますが、そこには触れておらず、
群像劇で22人の一般の人(ホテル従業員、選挙ボランティア、宿泊客等)の日常・人間模様を中心に、
時折当時のRFKの演説や選挙運動の映像を織り込むという手法で時代そのものが描かれています。


1968年はベトナム戦争が泥沼化し、キング牧師が暗殺されるなどアメリカは国内外とも問題だらけで、混乱しており、
そんななかRFKが新たなカリスマ、期待の星として台頭していた様子などがわかります。
実際、彼の理想主義の演説は当時、人種・階層を超えて支持されたそうですが、
40年後の今聞いてもなおメッセージ性が強く、心に残ります。


監督・脚本・出演はエミリオ・エステベスですが

出演者がこれでもかというくらい豪華です。
マーティン・シーン(エミリオ父)、デミ・ムーア(エミリオ元婚約者)アシュトン・カッチャー(デミの現在の夫)
など身内的な人に加えて、
アンソニー・ホプキンス、シャロン・ストーン、イライジャ・ウッド
リンジー・ローハン、ヘレン・ハント、クリスチャン・スレーター、ヘザー・グラハム、ローレンス・フィッシュバーン、シャイア・ラブーフ
等々どこかで見たことのある人たちが次々と出てきます。
(シャロン・ストーンは老け具合がはげしいのでしばらく気がつかなかった)

しかも、長年この映画の構想を温めていたというエミリオの意思に賛同し、
出演者はこの顔触れでは通常ありえない最低ランクのギャラでこの仕事を受けたのだそうです。


たまたまケネディー関係の本を読んでいた最中だったので、目について何気なく借りたDVDでしたが、大金星でした。